COLUMN ワインを楽しむコツ
ワインに合わない食材って、あるの?

今回は、良縁とは言い難い、「ワインには合わせにくい」と言われる食材のお話。これを覚えておくだけで、おうちワインはもちろん、ワインパーティや大事な会食でも失敗知らずに!! 是非覚えておきたいですね♪
この食材、ワインと本当に合わないの?
ソムリエやワインの専門家が学ぶようなテキストでは、一般的に「ワインと合わない」と言われている食材について、数の子、明太子、きゅうり、塩辛、生卵、干物などが挙げられています。でも、これは本当なんでしょうか?
「意外とおいしかったけど…?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、まずは体験! ということで、メルコが実際に、ドキドキしながらワインの先生と食べ合わせを試してみました。
実験結果、発表! その結論は?

ジャーン!! その結果がこちらです。食材に何もつけず、そのまま試してみると…むむむ、やはり相手はなかなか手ごわかったです。数の子や明太子、塩辛、干物などは魚介の生臭さを感じてしまいますし、きゅうりもワインによっては青臭さが気になりました。食材が持っている香りが、ワインの香りを邪魔してしまうようです。
ただ、ロゼと塩辛は相性バツグン! スパークリングワインは、想像以上に幅広い食材に合わせることができるという新しい発見もありました。全体としては、次のような結果でした。
「ワインには合わせにくい」食材 食べ合わせ結果 (食材そのまま編)
| 食材 | ![]() |
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|---|---|---|---|---|
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数の子
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× | × | × | × |
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明太子
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△ | ○ | × | ○ |
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きゅうり
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△ | ○ | △ | ○ |
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塩辛
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○ | ◎ | △ | ○ |
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生卵
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× | △ | × | ○ |
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干物
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× | △ | × | × |
- ◎相性が良い
- ○まあまあ良い
- △いま一つ
- ×残念ながら合わない

数の子

× 白ワイン

× ロゼワイン

× 赤ワイン

× スパークリングワイン

明太子

△ 白ワイン

○ ロゼワイン

× 赤ワイン

○ スパークリングワイン

きゅうり

△ 白ワイン

○ ロゼワイン

△ 赤ワイン

○ スパークリングワイン

塩辛

○ 白ワイン

◎ ロゼワイン

△ 赤ワイン

○ スパークリングワイン

生卵

× 白ワイン

△ ロゼワイン

× 赤ワイン

○ スパークリングワイン

干物

× 白ワイン

△ ロゼワイン

× 赤ワイン

× スパークリングワイン
- ◎相性が良い
- ○まあまあ良い
- △いま一つ
- ×残念ながら合わない
重要なのは、食材と調味料
では、残りの食材はどうがんばってもワインとは合わないのでしょうか? みなさんも、これらの食材を使った料理をワインと合わせた経験、ありますよね? そして、それがおいしかった記憶も…そうです、何かが足りないんです。ちょっとした味付けの変化で、片思いから両思いになるものといえば…調味料!! 食材と調味料の組み合わせによって、食材とワインの相性が多少ずれていたとしても、調味料が調整役となり、『マリアージュ』は成功するんです。
ということで、これらの食材にそれぞれ違う調味料をかけて、再び実験開始です。
ワインと食材、新しいカップルが次々誕生!
ジャジャーン! その結果がこちら。黄色が、前の実験と比較して、相性がグンと良くなった組み合わせです。食材に少しだけ調味料を加えてみると、あらあら不思議! いきなりワインと仲良しになっちゃいました。
きゅうりもマヨネーズを加えれば白ワインにぴったり! 生卵は、しょうゆを加えればスパークリングワインとベストマッチ! びっくりしたのは、塩辛とコショウの組み合わせです。ロゼワインだけでなく、赤ワイン、スパークリングワインともすっかり打ち解けて、ラブラブな関係(?)に! 特に、赤ワインとの相性の良さは格別。塩辛の塩分に加えて、コショウの香りが橋渡し役となり、赤ワインの渋みと溶け合って、ワンランク上の旨みがつくり出された印象があります。これにはメルコもワインの先生も驚き! でした。
反対に、どうやっても合わなかったのは、「数の子」です。工夫してワインと合わせるのもいいですが、海の香りが強い純和食の数の子には、やはり日本酒が鉄板の組み合わせ。ここは日本酒に軍配をあげたいと思います!でも、全体としては、かなり良い結果になりました。
「ワインには合わせにくい」食材 食べ合わせ結果 (調味料アレンジ編)
| 食材+調味料 | ![]() |
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|---|---|---|---|---|
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明太子+
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○ | ○ | ○ | ○ |
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きゅうり+
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◎ | ○ | △ | ○ |
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塩辛+
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○ | ◎ | ◎ | ◎ |
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生卵+
|
○ | ○ | △ | ◎ |
- ◎相性が良い
- ○まあまあ良い
- △いま一つ
- ×残念ながら合わない

明太子+オイル

○ 白ワイン

○ ロゼワイン

○ 赤ワイン

○ スパークリングワイン

きゅうり+マヨネーズ

◎ 白ワイン

○ ロゼワイン

△ 赤ワイン

○ スパークリングワイン

塩辛+コショウ

○ 白ワイン

◎ ロゼワイン

◎ 赤ワイン

◎ スパークリングワイン

生卵+醤油

○ 白ワイン

○ ロゼワイン

△ 赤ワイン

◎ スパークリングワイン
- ◎相性が良い
- ○まあまあ良い
- △いま一つ
- ×残念ながら合わない

今回の結果から、世間で「合わない」といわれる食材でも、オイルやマヨネーズ、コショウ、しょうゆなどの調味料で、ワインと料理のマリアージュが成立することがわかりました。
また、ここに挙げた以外にも、マスタードやゆずコショウ、レモン、塩などを使って、酸味、塩味、油分をバランスよく整えることで、ワインとより合わせやすくなることもわかりました。
赤ワインであれば、渋みがあるので、油分やコショウなどのスパイスを加えると相性が良くなりますし、白ワインで酸味があるものにはレモンを、まろやかなタイプであればオイルやマヨネーズを加えていくのがおすすめです。
食材+調味料で、ワインとのマリアージュの可能性は無限大に♪
ワインと料理は二人三脚。この2つの息がピタッと合えば、ワイン時間がもっともっと楽しくなります! いろんな組合せを試してみてくださいね!




