COLUMN ワインを楽しむコツ
もっと知りたい! 食前・食後のワインスタイル

ヨーロッパでは、食事をより楽しくするものとして欠かせない「食前酒」「食後酒」。日本でも、実はじわじわ注目されています。
一般的には、食前酒は食欲増進、食後酒は消化促進&食事の余韻を楽しむためといわれていますが、どちらにも共通しているのは、気の合う人たちとおしゃべりを楽しみながらぜいたくな時間を過ごせること。
キリッと冷えた食前酒、デザートのような甘さの食後酒、さらにおいしいおつまみがあれば言うことなし! 食事中に楽しむワインの時間とはまたひと味違った楽しみ方が、きっと見つかるはずです♪
日本でも赤丸急上昇! 食事前のワインスタイル「アペロ」
フランス人が大好きな言葉、「アペロしよう!」を知っていますか?簡単なおつまみと一緒に軽くお酒を飲むスタイル、アペリティフ(食前酒)を略したのが「アペロ」。
食を楽しむフランス人の生活には広く浸透していて、「アペロしよう!(飲みに行こう!)」が仲間同士の合い言葉になっているんです。
日本でも、ディナーの前の0次会として軽く一杯、仕事終わりにサクッと飲んで自宅に帰るアペラーたちが続出!?
このちょい飲みが食欲を増進させてくれるだけでなく、人と人の距離を縮め、リラックスした時間を楽しむ潤滑油的な役割を果たしてくれます。みなさんも、休日ランチやディナーの前に「アペロ」してみませんか?
食前酒、これさえ知っていればオーダーはコワくない!

レストランで「お食事の前に何かいかがですか?」と聞かれてドギマギしたこと、ありませんか?でも、大丈夫。実は、食前に適したワイン選びは意外と簡単なんです。
一般的には、「スパークリングワイン」「シャンパーニュ」「ドライシェリー」を選べば間違いがありません。ワインのカクテルなら「ミモザ」「ベリーニ」もおすすめ。胃を適度に刺激して、食欲を増進する泡モノ、もしくはスッキリとした爽やかな味わいがスターターとしてふさわしいものになります。
辛口のワインでも、もちろんOK! 基本的には好みで選んで問題ありません。ただし、食前にいただくので、そのあとの食事のことも考えて、アルコール度数が高すぎるもの、味わいにクセがあるものより、アルコール度数が低く、味わいや質感の軽めのものがおすすめです。
「ワインアカデミー」おすすめの食前酒は・・・・・・?

★★★ テッパンの食前酒「泡モノ」
軽快な切れ味、フレッシュ感を楽しみたいならやっぱりスパークリングワイン! 乾杯の一杯目にしっかり冷やしたスパークリングワインを選べば、より爽快感を味わえます。
スパークリングワインの魅力は、なんといっても「泡」。グラスの底からとどまることなく立ち上がる泡を見ているだけで気分もアガります♪ メニューにグラスの泡モノが載っていたら、ぜひセレクトしてみて!
★★ ぜいたく気分を味わうなら「カバ」「シャンパーニュ」
「乾杯から食事の最後まで"泡モノ"を楽しみたい」というシュワシュワ好きにおすすめなのは、スペインの「カバ」やフランスの「シャンパーニュ」。
前菜からメイン、デザートまでいろいろな料理に幅広く合わせられると同時に、ボリューム感のある料理に負けない強さもあり、デザートにもマリアージュしてしまうお得なアイテムです。
しかも泡が長続きするので、ボトルをチョイスしても、食事の最後までリズミカルな泡を楽しむことができます。
シチュエーションやお財布事情に応じて、ちょっとぜいたくしたいときは「シャンパーニュ」、普段は「カバ」と使い分けるのも◎!
★★ フレッシュなタイプの「白ワイン」「ロゼワイン」もおすすめ!
食欲増進におすすめなのは、酸味や軽い苦みを含む辛口タイプのワイン。フルーティでみずみずしい味わいのワインなら、食前酒にぴったり!赤ワインでも、軽めのフレッシュなタイプなら問題ありません。
食事は軽いものから重たいものへ流れていくので、果実味やタンニンがたっぷり……というより口当たりの軽いタイプがおすすめです。
スパークリングワインと同様、白ワイン、ロゼワインのいいところは、そのまま食事にシフトできること。固くならずに、はじめから最後まで好きなワインで通すのもアリです!
食後もワインを楽しんでみませんか?
食後にぴったりのワインを選べば、消化を促し、食事の余韻を楽しみながら、さらに気分をリフレッシュさせて会話を弾ませる"名脇役"の役割を果たしてくれます。
一般的には、アルコール度数が高めで甘みの強いものを選びますが、食後酒もワインにするなら、食事からデザートタイムへ気分も切り替えられるよう、その前に飲んでいたワインとはガラッと違う味わいのものを選ぶと効果的です。
「ワインアカデミー」おすすめの食後酒は・・・・・・?
★★★ イチオシは「デザートワイン」
「ワインもスイーツも、両方好き!」という方におすすめしたいのがデザートワイン。代表的なもので「貴腐ワイン」「アイスワイン」「ポートワイン」など極甘口ワインがそれに当たります。
香り高く、ハチミツのようにトロリとした甘美な味わいは、まさに飲むデザート! フレンチレストランなどでのリッチなシーンにぴったり、極上の気分に浸ることができるはずです。甘美な味わいにやみつきになってしまうかも!?
また、リーズナブルに"姫気分"を味わうなら、中甘口、やや甘口ワインがおすすめ。甘口ワインは理屈抜きで楽しめるワインですが、その甘さはお菓子や清涼飲料水のような"お砂糖の甘さ"ではなく、ブドウが持つ酸味が加わった"ブドウ本来の甘さ"。
甘いものは苦手でも「甘口ワインは大好き」という男性ワインラバーが多くいるのも、ワインの味わいの中にくどくない甘さを感じるからではないでしょうか。
★★ 「スパークリングワイン」はデザートにもおすすめ!
オールマイティに合わせられる「スパークリングワイン」は、食後酒としてもおすすめ。
デザートに出されるフルーツと相性がいいのはもちろんのこと、スパークリングワインには、魚料理や肉料理で重たくなった胃をもう一度リフレッシュさせてくれる効果があるんです。
もう一回"元気モード"になって会話を楽しむなら、スパークリングワインをセレクトしてみるのもアリ!
たとえば、爽やかでフレッシュな味わいのスパークリングワインなら、同じ風味を持つ柑橘系のデザートを。ロゼスパークリングワインなら、ロゼカラーに合わせてイチゴやチェリーを使った甘酸っぱいスイーツを。
スパークリングワインの中でもコクやボリューム感のあるもの、あるいはやや甘口タイプなら、ナッツの入ったチョコにもぴったりです♪

ワインはもともと相性のよい料理と組み合わせることによって、相乗効果でお互いの味を高め合うという、ほかのお酒にはマネできない特長を持っています。それは食事だけでなく、デザートの時間でも言えること。
至福の甘いひとときを味わうなら甘口デザートワイン、元気にリフレッシュしたいならスパークリングワインと、シチュエーションやメンバーに合わせてセレクトしてみるのも上級者の楽しみ方。
絶妙なチョイスに、仲間からますます一目置かれちゃうかも!?
食事のフルコースとともに、ワインのフルコースも堪能!! 毎日の食前に「アペロ」、食後に「デザートワイン」……とまではいかなくても、週に一度、月に一度、そんな"ワインづくし"の時間を持つのもよいものです♪
ただし、楽しいからって「アペロ」しすぎて、「もうお腹がいっぱい、食事が食べられない!」ということがないようにご注意を(!)。気分やシーンに合わせて、みなさんもぜひ試してみてくださいね!
