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旅の取材記
にぎやかな台所で次々と作られる、たくさんの料理。

オーガニックマーケットで青果や、手作りのご飯とお菓子を売っているブンミーお母さんの家を訪れました。
台所を覗くと、私たちの訪問に合わせて集まってくれたという親戚の女性たちと、お昼ご飯の支度を始めていました。おしゃべりに花を咲かせつつも、 それぞれに分担された作業をテキパキと行い、何品もの料理を実に手際よく作っていきます。

日本のちゃぶ台のような脚の低いテーブルに料理が並べられ、お昼ご飯となりました。みんなで食卓を囲んでいると、まるで親戚の家を訪れているような感覚に。初対面にもかかわらずすっかり打ち解け、食事中はお母さんに何度もおかわりをすすめられました。
食事を終えると、ブンミーお母さんが3種類の『ローイゲーオ』を出してくれました。

ひと手間かけた冷たいデザート、ローイゲーオ。

ローイゲーオとは下味をつけた果物にシロップをかけ、最後に氷を加える、タイで長く受け継がれるデザート。
ローイは『浮かぶ』、ゲーオは『ガラスの器』という意味で、見た目にも涼しげなデザートです。
ブンミーお母さんが用意してくれたのはライチにも似たロンガン、アロエ、そしてロゼルという赤い花のローイゲーオ。

ローイゲーオについてブンミーお母さんに訊ねると、「どの果物を使うかは、市場に行ってから決めているわ」という返事が。
そして「ローイゲーオに入れる果物に合わせて、下味に使う砂糖や塩の分量を変えるのよ」と、生果とは異なる食感や味わいが出るようにお母さんたちは工夫をこらしていることを教えてくれました。どうやら果物の数だけ、ローイゲーオの作り方があるようです。

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