
GRAVITY FLOW グラヴィティ・フロー
ロバート・モンダヴィ・ワイナリーは常に栽培・醸造技術を刷新し、ワイン業界をリードしてきました。グラヴィティ・フローの導入もそのひとつです。グラヴィティ・フローは、重力を利用して果実やワインを移動させる方法で、ポンプによる移動に比べて衝撃が少なく、極めて優しくぶどうやワインを取り扱えるため、ぶどうの繊細な個性を損なわずに、エレガントで特色のあるワイン造りを可能にします。
革新と伝統の融合

1966年に創立されたロバート・モンダヴィ・ワイナリーでは、最高級のぶどうにふさわしい、最高品質のワイン造りを可能とするべく、1999年に創立以来初めてという大規模改築計画「ト・カロン・プロジェクト」に着工し、2001年、そのすべてのプロジェクトが完成しました。過去から学び、未来に前進させるというこのプロジェクトは、ぶどう畑でのさまざまな革新的な試みとヨーロッパで長く培われてきたワイン造りの伝統技術をうまく組み合わせるというもので、グラヴィティ・フローのコンセプト、オークの発酵タンクやバスケットプレスの導入などを実践しています。
自然の重力で優しいワイン造り

グラヴィティ・フローを採用したこのワイナリーは、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーのリザーブ及びナパ・ヴァレーのワインを醸造、樽熟成するための理想的な生産施設となっています。グラヴィティ・フロー式ワイナリーは複数階建てで、ソーティングからタンクでの発酵、そして小樽熟成へと進む全醸造プロセスを通して、果実、果汁やワインの移動をポンプでなく自然の重力を利用し、優しく丁寧に行うものです。小さな籠に収穫されたぶどうはワイナリーに搬入されると専用エレベーターで中2階に上げられ、手作業で選別が行われます。そして除梗後、56基のフレンチ・オーク製の発酵タンクに移され発酵を行います。このフレンチ・オークのタンクでの発酵は、古来ヨーロッパで行われてきた方式で、赤ワインのアロマ、風味、複雑味を高めるといわれています。1年目のワインを貯蔵する地下セラーは、このフレンチ・オーク発酵タンクの真下にあります。理想的な温度、湿度、通気性を維持する地下セラーには、1300個のフランス産オークの新樽が積み重ねられることなく一層で並び、安定した状態でワインの充填、めつぎ、澱引きの作業が行われます。
贅沢なプレミアムワインの追求

ロバート・モンダヴィが、グラヴィティ・フローによるワイン造りにこだわるようになったのは、バロン・フィリップ・ロートシルト家とのジョイント・ヴェンチャー「オーパス・ワン」での成功によるものでした。重力を使って優しくぶどうを移動させることで、優美で繊細なワインが生まれる事を確信したロバート・モンダヴィは、同じグラヴィティ・フロー形式のワイナリーを建設することを心に決め、さらにオーパス・ワンですら導入しなかった、「フレンチ・オーク製の発酵タンク」の導入を決意しました。このオーク製タンクは、「伝統回帰という形のモンダヴィの革新」と呼ばれ、ト・カロン・プロジェクトの象徴的な存在となりました。その美しい形状で訪問者に感動を与えるだけでなく、この上なく繊細で優美なワイン造りに貢献しています。 これらの全てのプロセスを総称して「ト・カロン・プロジェクト」と呼び、伝統的かつ革新的なフレンチ・オーク製の発酵タンクと、グラヴィティ・フローの採用によって、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーにおける、究極のプレミアムワイン造りの骨格を支えています。
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