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旅の取材記
涼と憩いをもたらす、

地元の夏ドリンク。

夏の昼下がりのお楽しみ、それはオルチャータ。バレンシアに暮らす人々はこの飲みものが大好き。街じゅうに「オルチャテリア」という専門のカフェがあり、また駅前に露店があったりと、その愛されっぷりがうかがえます。

見た目の質感はシェイクのようにとろっとしていたり、しゃばしゃばだったり、店によっていろいろ。さしずめ日本のかき氷のようなもの?と思って飲んでみると、あらびっくり!豆乳のようなミルキーな甘さに、ほんの少し土の香り、そして和梨のようなさわやかさがある飲みものでした。砂糖付きの揚げパンを浸して食べると、さらにおいしい!

この、いかにも体によさそうな飲みものの原料は「タイガーナッツ」と呼ばれる、カヤツリグサの地下茎。栄養価がすこぶる高いスーパーフードで、バレンシアはまさにその産地としてつとに有名。

20世紀のはじめ、内陸の村の人たちが出稼ぎに来ていた時期。彼らのオルチャータを飲む習慣がそのままバレンシアの街にも根付き、オルチャテリアを開いたのがきっかけだとか。

お店の奥は小さな工場のようになっており、作りたてがそのままお店に供されます。3カ月かけてゆっくり自然乾燥させたタイガーナッツをよく洗い、4倍の水を加えて粉砕。さらに10%の砂糖を加えてから濾し、よく冷やせばできあがり!
おいしいタイガーナッツの条件は、中が黄色がかっていて、噛んだ時に甘さと湿った土っぽい香りがあること。「このおいしさは、バレンシア産だけなのよ!」と、お店で働いているロサさんはにっこり自慢してくれました。

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