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旅の取材記
味だけでなく、香りも楽しむお茶。

渋みと濃さの味だけでなく、香りにも重点を置いたベトナムのお茶にも、旅の中で出会いました。都市部で出会ったのは『チャ・トゥオイ』と呼ばれる生茶。これは、摘まれてから何も手を加えられていない生の茶葉を急須に入れ、お湯で15分ほど蒸らしていれるもの。
渋みと濃さを楽しむ緑茶と違い、甘みと香りを楽しむ『チャ・トゥオイ』は、どこか日本の緑茶に通じる味わい。

そして茶葉に蓮の花の花弁とおしべをからめ、花の香りをうつした蓮茶。“ベトナムのお茶”と聞いて、まず蓮茶を思い浮かべる人も多いと思います。ベトナムでも蓮茶は飲まれていますが、お歳暮など季節の贈り物として使われるちょっと高級な位置にあるのだそう。

緑茶と共に伝統的なお茶として飲まれている蓮茶は、大切なお客さんがきた時やお正月など特別な時に飲むお茶ですが、ジャスミンや菊の花の香りをうつしたお茶は緑茶に次いで日常的に飲まれています。実際、茶葉を扱うお店では、緑茶だけでなくジャスミン茶なども量り売りされているのを見かけることができました。

乾燥させた花を茶葉にまぜる中国の花茶とは異なり、ベトナムで飲まれているのは茶葉に花の香りだけをうつしたもの。その歴史は数百年も前にさかのぼることを知り、ベトナムの人々の暮らしの中にお茶を楽しむ文化がいかに深くねざしているかを教えられました。

くつろぎ、団らん、楽しみ…一杯のお茶を飲むことでもたらされる、様々な気持ち。お茶が欠かせないベトナムの人たちの生活を通じて、お茶が持っている力を感じることができる旅となりました。

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