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家庭料理の取材記
photo by Yoko Takahashi
香りの使い方がとても上手なベトナムの家庭へ、
その秘密を探りにおじゃましました。
外来文化が混じり合う国、ベトナム。

東南アジアのインドシナ半島東部に位置し、アルファベットの「S」のような曲線を描きながら南北へ細長くのびている国、ベトナム。その北部に位置する首都・ハノイを訪れました。
雨季と乾季からなる熱帯モンスーン気候の南部と異なり、四季がある亜熱帯性気候のベトナム北部。私たちが訪れた11月は、5月から10月まで続く蒸し暑い夏が過ぎ、一年のうちで最も過ごしやすいといわれる秋の季節。朝は肌寒さを感じるものの湿気もなく、屋外では半袖で過ごせる実に穏やかな日が続いていました。
紀元前1世紀頃から千年間におよぶ中国の支配を受け、近代に入ってからはフランスの植民地となっていたベトナム。1975年にベトナム戦争が終結してベトナム社会主義共和国となるまでの歴史の中で、外来文化を吸収しながら独自の文化を発展させていきました。街中で見かけた、中国やフランスの様式を組み合わせてベトナム独自のスタイルに発展させた建物だけでなく、食べ物や飲み物にも外来文化の名残を見ることができました。

日本ではベトナムコーヒーの名で知られている『カフェ・スァ』。コンデンスミルクをいれたカップにアルミ製のフィルターを乗せ、フランス式に深煎りした豆を使ったコーヒーを1杯ずついれるベトナム風カフェオレです。ブラジルに続き、ベトナムが世界第2位の生産量をほこるコーヒー豆の生産が本格的にはじまったのは19世紀のフランス領インドシナ時代。当時は冷蔵庫が普及していなかったため、牛乳の代わりに常温で保存できるコンデンスミルクを使うスタイルのカフェオレが生まれたのだそう。

米輸出国としても知られるベトナムの人たちの主食はお米。インディカ米から作られる平たい麺『フォー』、生春巻きを包むライスペーパー『バイン・ダー』などお米を加工した食品もよく食べられています。そんなベトナムの人々によく食べられているパンは『バイン・ミー』と呼ばれるフランスパン。フランス領時代の名残を感じさせるバイン・ミーに、その場で具をはさんでサンドイッチにしてくれる屋台もありました。
ベトナム北部では卵焼きをはさんだ『バイン・ミー・チュン』がよく食べられていますが、南部ではレバーペーストと生野菜、そして大根のなますをはさんだ『バイン・ミー・パテ』の人気が高いのだそう。フランスパンと大根という意外な食材を組み合わせたサンドイッチからも、ベトナムの“組み合わせ上手”な一面をうかがうことができました。

“組み合わせ上手”なベトナムで人気の緑茶ドリンク。

街中では、低いテーブルに小さなイスを出し、路上のあちこちで営業しているお店も目につきました。お茶や食べ物を出すお店だけでなく、『ビアホイ』と呼ばれる簡易ビアホールもあれば床屋もあり、路上を活気づかせています。

その中でもよく見かけたのがお茶屋。小さな湯のみにいれた、濃くて渋みの強いお茶を飲みながら会話を楽しむ人たちで、どのお茶屋もにぎわっていました。そんな様子を眺めていて気づいたのが、お店にいる多くのお客さんが男性だということ。男性がのんびりとお茶とおしゃべりを楽しんでいる横で、手際よく自分でお茶をいれ、一服するとすぐにお店を去る女性たち。日本ではあまり見かけない光景に、ベトナムの女性がいかに働き者なのかを感じさせられました。

学生や若いカップルでにぎわうお茶屋をのぞいてみると、多くの人が緑茶をベースとしたドリンクを飲みながらおしゃべりを楽しんでいました。数年前に緑茶をベースとしたレモンティーが市販されたのをきっかけに、若者たちの間で緑茶のドリンクを飲むのがトレンドとなったそう。

「彼らと同じものを」と注文すると、運ばれてきたのは『チャー・チャイン』という緑茶をライムや砂糖などで味付けした冷たいドリンク。その味は、ただ甘いだけでなく、ベトナム緑茶独特の渋みと濃さも楽しめる飽きのこないもの。紅茶ではなく、昔ながらの緑茶をベースに作られたこのドリンクにも、ただ外来文化をそのまま取り入れるのではなく、工夫を加えて独自の文化へと生まれ変わらせるベトナムらしさを感じることができました。

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