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旅の取材記
ドライフルーツにしみこむ、紅茶のおいしさ。

続いて、同じオックスフォード州にあるウェンディさんのお宅を訪れました。ウェンディさんはお菓子作りの名人であり、地域の婦人会の支部長をしている活力あふれる女性。「お菓子作りで大切なのは想像力。良いと思うアレンジをレシピに加えていくのが“ウェンディズム(ウェンディ流)”よ」と笑顔で語る彼女に教わったのは、イングランドを代表する伝統的なお菓子、ティーブレッドの作り方。

レーズン、ドライカシス、オレンジピール…ドライフルーツがたっぷりと入ったティーブレッドは、アフタヌーンティーでも紅茶と一緒によく出されるお菓子。おいしさの秘密を伺うと「ブラウンシュガーを使うのと、ドライフルーツを紅茶で煮ることね」と、まず教えてくれました。「ドライフルーツがやわらかい食感になるし、しみこんだ紅茶の風味でもっとおいしくなるの。そしてドライフルーツの熟した果物のおいしさや甘味も、さらにしみだすようになるから、よりおいしいティーブレッドになるのよ」。

ドライフルーツを紅茶に漬ける方法は、ティーポットに残っていた濃い紅茶を無駄にせず利用したのがはじまりと伝えられています。またインドや香港をはじめ世界各地で植民地を統治していたイギリス帝国時代に、紅茶やスパイスとともに南国のドライフルーツも輸入されたこともあり、紅茶とドライフルーツを組み合わせる調理法が自然と伝わったという説もあるのだとか。また自然のめぐみであるドライフルーツのおいしさを最大限に引き出したお菓子は、文明の象徴として上流階級の人々にも好まれていたそうです。
イングランドの伝統文化のひとつである紅茶が、ドライフルーツのおいしさを引き出しているという発見。また新しいおいしさと出会い、うれしくなってしまいました。

新鮮なフルーツよりも、ドライフルーツ。

オックスフォード州からケント州へと移動し、スーザンさんの元へ。彼女の娘さん夫婦が経営しているティーガーデンを訪れました。夏だけ営業をしているティーガーデンですが、1日に100人近くのお客さんが訪れるという人気店。ここではお店でも大人気の、ドライフルーツを煮てから作るフルーツケーキのレシピを教わりました。
レーズン、ドライカシス、レモンピール、オレンジピールを、濃い紅茶とパイナップル果汁に1時間ほど漬けた後、バターを加えて煮込んで使用するのがこのお店のフルーツケーキの特徴。しっとりと焼き上がったフルーツケーキをいただきながら、どうして新鮮なフルーツではなく、ドライフルーツを使うのか訊ねると「フルーツは乾燥して熟すと、新鮮なときとは違う甘味が出てくるの。新鮮なフルーツも使うけど、甘味の質が変わったドライフルーツを使うと、ケーキが一層おいしくなるのよ。ドライフルーツは1年中手に入るし、保存性も高いから自然と使うことが多いわね」とスーザンさん。

ロンドンに戻り、スーパーマーケットをいくつかのぞいてみると、どのお店もドライフルーツのコーナーが充実していました。製菓の技術が今ほど発達していなかった時代の日本や中国では、ドライフルーツはお茶うけとして、手を加えずにそのまま食べていました。でもイングランドのお母さんたちは、ドライフルーツを保存性が高く、アレンジがしやすい、お菓子や料理の材料のひとつとして今もとらえているようです。
アレンジをきかせて煮たり、漬けたり…ドライフルーツに“ひとてま”を加えることで引き出せるおいしさを、イングランド中のお母さんたちが知っている!と、感じた瞬間でした。

イングランドの知恵から
インスピレーションを
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