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紅茶入門

茶葉の産地茶葉の産地

生産地によるちがいを楽しむ生産地によるちがいを楽しむ

紅茶の茶葉は世界各地で生産されています。おもに、世界の紅茶生産量の半分以上を占める世界一の紅茶生産国インド、個性豊かな茶葉が豊富なスリランカの茶葉を中心に、それぞれの見た目や味についてご紹介します。

TEA LEAF MAPTEA LEAF MAP
ディンブラディンブラ
ヌワラエリアヌワラエリア
キャンディキャンディ
ウバウバ
ルフナルフナ
ダージリンダージリン
ニルギリニルギリ
アッサムアッサム
キーマンキーマン
ジャワジャワ
ケニアケニア
Sri lankaSri lanka

薔薇にも似たかぐわしさ

1 ディンブラ

ディンブラディンブラ
ディンブラの特徴ディンブラの特徴

通年安定した茶葉を生産 味わいはフラットで使いやすい

スリランカ中央山岳地帯の南西部にあるディンブラの茶園は、比較的標高の高いミドル~ハイグロウンです。多少は季節風の影響を受けますが、茶葉の生育状況は大きくは変わらず、一年を通じて安定した品質の茶葉を産しています。味わいの特色は、ニルギリティーの項でも触れたように、突出した個性がないこと。マイルドな味をブラックティーで楽しむもよし、ブレンドやバリエーションに使ってもよし。とても使い勝手のよい茶葉です。季節風が吹く1~2月はクオリティーシーズンにあたり、バラを思わせる香と強い渋みをもち、ディンブラの最高品質の茶葉となっています。

茶園の広さ
約4万ヘクタール
葉の形状
BOP、CTC
収穫時期
Sri lankaSri lanka

茶葉から若草が薫る

2 ヌワラエリア

ヌワラエリアヌワラエリア
ヌワラエリアの特徴ヌワラエリアの特徴

気温の温度差が大きく特有の香り&渋みを持つ

紅茶によって生まれた避暑地、と形容されるのが、スリランカの中~南部に位置するヌワラエリアです。紅茶栽培がはじまる前は、集落もない未開の地でしたが、やがて紅茶の名産地、兼リゾート地として知られるようになりました。標高1600~1800mのハイグロウンで、スリランカの紅茶産地の中では最も標高の高い産地です。昼間の気温は20~25℃、朝夕は5~14℃と、過ごしやすいながらもそれなりの温度差があるため、それによってヌワラエリアティー特有の渋みが出ます。一日の温度差が大きければ大きいほど、タンニンの含有量が増えて、渋みが強くなります。強い渋みに香りが負けないよう、ヌワラエリアでは発酵度を下げたりグレードを変えたりといった工夫がなされています。ヌワラエリアティーの香りは、ハイグロウンならではのフラワリー、フルーティーな香り。水色が濃いものはミルクティーに適しますが、独特の香りを楽しむにはブラックティーがおすすめです。

茶園の広さ
約6万ヘクタール
葉の形状
BOP
収穫時期
Sri lankaSri lanka

ふわりと柔らかく、軽い

3 キャンディ

キャンディキャンディ
キャンディの特徴キャンディの特徴

ローグロウンならではのスタンダードな風味を持つ

標高600~800mと、スリランカの産地ではルフナに次いで低いため季節風の影響を受けにくく、一年を通じて気候の変化があまりありません。悪くいえば平均的な茶葉、よくいえば安定した品質と生産量をキープできる茶葉です。突出した個性の少ないキャンディティーは、ブレンド用の茶葉やバリエーションティーに最適。さらには、渋みを生むタンニンの量が少ないため冷やしても濁りにくく、アイスティーにも向く使い勝手のよい紅茶でもあります。

茶園の広さ
約2万8000ヘクタール
葉の形状
BOP
収穫時期
Sri lankaSri lanka

渋みは力強く、香りはみずみずしく

4 ウバ

ウバウバ
ウバの特徴ウバの特徴

※クオリティーシーズン

高い標高と季節風が上質な香りと渋みを生む

ダージリン、キーマンとともに世界三大銘茶として世界に名を馳せるのが、スリランカ南東部の産地、ウバです。ベンガル湾に面した山岳地帯の斜面に茶園が広がっていて、標高1400~1700mの高地にあるので、産地としてはハイグロウンに分類されます。7~8月にはインド洋からの季節風が山に当たって冷たく乾いた風が吹き下ろし、かかっていた霧を晴らして一気に茶葉を乾燥させる──仕組みとしてはダージリンと似た環境です。これにより、ウバ特有のフルーティーな香りと刺激的な渋みが生まれます。とりわけ、7~8月のクオリティシーズンの茶葉は、世界最高級の紅茶として高値で取引されます。ただ、クオリティシーズン外の茶葉も人気薄というわけではありません。強い渋みと濃い水色を備えていて、これはミルクティーにぴったりの性質です。そのため、イギリスではミルクティーに最も多く使われる紅茶となっているほどです。

茶園の広さ
約3万5000ヘクタール
葉の形状
OP、BOP
収穫時期
Sri lankaSri lanka

南の気候に醸された香味

5 ルフナ

ルフナルフナ
ルフナの特徴ルフナの特徴

スリランカで最も低い産地でも味わいには個性あり

ウバ、ディンブラ、ヌワラエリア、キャンディ、そしてルフナ。スリランカの紅茶の産地はこの5つに代表され、ファイブ・カインズ・ティーと表現されます。ルフナ以外はどれも実際の地名ですが、ルフナは古い王国の名。現在はサバラグムワと呼ばれる地域です。紅茶の産地を示すときに便宜上、ルフナと呼ばれています。キャンディと同じくローグロウンに入りますが、茶園のある地域の標高は200~400mでキャンディよりも低く、スリランカでは最も標高の低い産地です。そのため変化の少ない気候でニュートラルな茶葉ができそうに思えますが、実はそうではありません。島の最南端とあって気温が高く、葉の大きさがハイグロウンと比べて2倍近くにもなるため、揉捻で出る多量の葉汁が発酵を促進し、重い渋みとスモーキーな香り、そして濃い水色をもたらすのです。とはいえ、その水色ほど味が濃いわけではなく、ブラックティーでもミルクティーでも楽しめる紅茶です。

茶園の広さ
約4万1000ヘクタール
葉の形状
BOP
収穫時期
IndiaIndia

紅茶のシャンパン

6 ダージリン

ダージリンダージリン
ダージリンの特徴ダージリンの特徴

高地ならではの気候が唯一無二の味わいを生む

ダージリンは、インドで最もよく知られる避暑地のひとつです。西ベンガル州の最北に位置し、ネパールとブータンに挟まれた交易の町でもあります。町の中心は標高2300mという高地にあり、茶園も300~2200mの険しい斜面に広がっています。日中と朝夕の温度差が大きく、毎日何度も霧が発生し、ヒマラヤの冷たい風がその霧を晴らします。この風は、インドの国境からネパールの東部にかけてそびえるカンチェンジュンガから吹きます。その標高8586mの威容を見に、例年多くの観光客が訪れています。霧が晴れると、湿った茶葉を昼間の日光が乾かす──この独特の環境が、紅茶のシャンパンと呼ばれるほどの、マスカットを思わせるフルーティーな香りと、極上の爽快さを感じさせる引き締まった渋み、そして深いコクのある味わいを生むのです。水色もよく、とくにセカンドフラッシュの美しい琥珀色は最高級品の名に恥じません。インドで唯一、栽培に成功した中国種の茶葉であることも、ダージリンティーの強烈な個性といえます。

茶園の広さ
約2万ヘクタール
葉の形状
OP
収穫時期
収穫時期ごとの香味特徴
  • ファーストフラッシュファーストフラッシュ
  • セカンドフラッシュセカンドフラッシュ
  • オータムナルオータムナル
IndiaIndia

まじりけなしの澄み切った味わい

7 ニルギリ

ニルギリニルギリ
ニルギリの特徴ニルギリの特徴

セイロンティーに近いニュートラルタイプの紅茶

ダージリン、アッサムと並んでインド紅茶の三大産地に数えられるニルギリは、インドの南端部・タミールナドゥ州にある産地です。インドの紅茶といえば、ダージリンやアッサムのように風味のキャラクターがはっきりしているのが特徴です。ところが、ニルギリは場所がスリランカに近く、気候が似通っているため、セイロンティーに似た茶葉が育ちます。紅茶の味わいも、セイロンティーと同じくクセのないタイプとなります。茶園はデカン高原西部のなだらかな丘陵に広がっていて、朝夕と日中に気温差があり紅茶栽培には適した環境。そのため、一年を通じて収穫が可能です。ニルギリティーの味わいは、ひとことでいえばニュートラルです。ダージリンやアッサムのような独特のキャラクターはありませんが、逆にいえばとても使い勝手のよい、用途の広い紅茶だと言えます。ブレンド用やバリエーションのベースなどに、世界各国で親しまれています。

茶園の広さ
約3万5000ヘクタール
葉の形状
OP、BOP、CTC
収穫時期
IndiaIndia

輝く日射しと、深い霧が育んだ紅茶

8 アッサム

アッサムアッサム
アッサムの特徴アッサムの特徴

たっぷりの雨が育む強い渋みと深いコク

世界の紅茶生産量の半分以上はインド産ですが、そのうちアッサム産の紅茶が半分を占めます。つまり、世界の紅茶の4分の1はアッサムティーなのです。インド国内で日常的に飲まれるチャイには、ほとんどこのアッサムティーが使われています。そしてもちろん、世界最大の紅茶生産地はこのアッサムです。アッサムは、険しい山間にあるダージリンとは異なる広大な平野。それを囲むヒマラヤの山々にぶつかる湿った季節風が、大量の雨を降らせます。さらにはブラマプトラ川からの水蒸気が雨や霧となって、川の南に繁る茶葉を湿らせます。この圧倒的な水分が、アッサムティーならではの渋みを生み出しているのです。味わいとしては、いわゆる普及品の紅茶にはない独特の渋みが深いコクを感じさせます。それとともに、香り、水色とも重く、濃厚です。悪くいえばクセのある味わいですが、硬水を使うと渋みが軽くなって飲みやすくなります。また値段も安かったため、水質が硬水であるイギリスの市民は広く愛飲しました。

茶園の広さ
約19万ヘクタール
葉の形状
OP、BOP、CTC
収穫時期
ChinaChina

カップから立ち上る異国情緒

9 キーマン

キーマンキーマン
キーマンの特徴キーマンの特徴

亜熱帯気候の山岳地帯で育まれるオリエンタルティー

インドのダージリン、スリランカのウバ、そして中国のキーマン。この3つが世界三大銘茶と呼ばれる紅茶の最高峰ですが、唯一本国でもてはやされていないのがこのキーマンです。キーマンは中国南東部、安徽省を走る黄山山脈の周辺に広がる、中国紅茶の代表的な産地。気候区分としては亜熱帯に属し、年間の平均気温は高いものの、山に近い地域は日中の温度差が大きく、また年に200日は雨が降ります。この気候風土は紅茶の茶樹栽培に適しており、インドやスリランカとはまた別の味わいを生みました。最も特徴的なのは、イギリス人を魅了したオリエンタルな香り。上位ランクの茶葉に備わる、ランの花、リンゴ、糖蜜などを思わせる洗練された香りです。味わいは濃厚な渋みがありながらも甘みを帯び、その絶妙なバランスが身上です。特級品などはぜひともブラックティーで楽しみたいところですが、手頃な価格のものを気軽にミルクティーで味わうのもおすすめです。

茶園の広さ
約9300万ヘクタール
葉の形状
OP
収穫時期
IndonesiaIndonesia

おだやかな渋みと香り

10 ジャワ

ジャワジャワ
ジャワの特徴ジャワの特徴

スリランカティーに似た軽快な紅茶を産する

北海道の1.5倍ほどの面積に1億2000万人以上の人々が暮らす、人口密度世界一の島がジャワです。茶産地はおもに西ジャワの高原に広がっており、標高は1500mを超えます。茶畑は、ダージリンのような険しい山間ではなく、比較的平坦な土地に作られています。気候風土がスリランカに近いので、できる紅茶も似通っています。渋みや香りが穏やかで、後味もサラリとしているので、"食中茶"として楽しむのがぴったりの紅茶であると言えます。

茶園の広さ
約2700万ヘクタール
葉の形状
BOP、CTC
収穫時期
KenyaKenya

鮮やかな色とマイルドな味わい

11 ケニア

ケニアケニア
ケニアの特徴ケニアの特徴

熱帯でも高地なので涼しい マイルドな味わいのCTC茶

インド洋に臨む東アフリカ、赤道直下の国・ケニア。気候帯としては熱帯に含まれますが、国土全体の標高が高いので、熱帯のイメージとは少々異なります。とくに茶畑は標高1500~2700mという高地にあり、気温も最高で25℃くらいまでしか上がらず涼しい気候です。味わいは、CTCならではのマイルドさが身上で、ティーバッグに使われることも多くあります。また、風味は穏やかでも水色はしっかり濃く出るので、ミルクティーにすると、ほどよい色合いが楽しめます。

茶園の広さ
約11万ヘクタール
葉の形状
CTC
収穫時期

協力:紅茶研究家 礒淵 猛

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