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旅の取材記
かまどで作るパエリアは、絶品でした。

バレンシアの人たちは週末になると郊外の別荘で、家族みんなで過ごします。そこには必ずパエリア専用のかまどがあり、みんなでパエリアを作って楽しむのだそう。この日いただいたのはバレンシア風と呼ばれるもので、鶏肉とウサギ肉で作る(魚介類は使わない)、この地方に伝わる伝統的なパエリアでした。パエリアにいれる「フーディアス」(さやえんどうの大きいタイプ)や、エスカルゴ、トマト、ローズマリーなどは、庭で採れたものをそのまま使うことが多いそうで、自生しているローズマリーをそのまま豪快に刻んで鍋に投げいれます。自然の恵みの偉大さに感激しました。

パエリア作りの秘訣は?と聞くと、「骨つき肉を使い、はじめにじっくり焼いて肉汁をだすこと。旨みのあるダシを、しっかり作ることが大事!
あとは、なんでもアリ!」。家族みんなで囲んで食べる、団らんの味。細かいルールはない。ただし、ダシはしっかりと。パエリアは、日本の鍋に似ているなと思いました。

お米は、野菜?

カバネス村の、ローザおばあちゃんの家を訪ねました。ローザさんは75歳。オレンジ畑を経営していて、旦那さまのマローロさん、息子さん、
お孫さんと暮らしています。米どころのバレンシアでは、デザートとしてもお米を食べます。ローザさんは「アロス・コン・レチェ」を作ってくれました。
「アロス」は米、「レチェ」は、ミルク。つまり、お米のミルク煮です。

日本ではお米は主食ですが、スペインの人たちにとっては、米はヘルシーというイメージで、野菜に近い存在。なるほど、そう思うと、
お米がサラダやデザートになったりするのも、うなずけます。
ポイントは、必ずレモンの皮を使うこと。ミルクにレモンの皮のさわやかな風味が加わって、おいしかった。
シナモンを最後に加えれば、色合いよくできあがります。腹もちがよくて、やわらかくて甘くて、子どもが喜ぶヘルシーなデザートです。

<ローザおばあちゃんの「アロス・コン・レチェ」レシピ>
米2カップに、牛乳1リットル、砂糖大さじ3杯、レモンピールたっぷり、シナモンスティックを加えて10分ほど煮ます。
レモンピールとシナモンスティックをとりのぞき、さらに5分ほど煮ればできあがり。
お米の芯が少し残るくらいのほうが食感を楽しめるそうです。冷やしていただきます。

スペイン バレンシアの知恵から
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