試合詳細レポート

2023

ゲンク(ベルギー)/ セゲカ・アレーナ 2023.09.12

日本代表

4

3

1

トルコ代表

2

1

1

前 半

後 半

ゲンク(ベルギー)/ セゲカ・アレーナ 2023.09.12

日本代表

4

3

1

トルコ代表

2

1

1

前 半

後 半

欧州で選手が躍動!! トルコを4-2で退ける

フレッシュな力が躍動! 前半からリードを奪う

力強い戦いぶりで、成長を印象づけた。

9月12日、『キリンチャレンジカップ2023』がベルギーのゲンクで開催され、SAMURAI BLUE(サッカー日本代表)がトルコ代表と対戦した。国外での『キリンチャレンジカップ』は22年9月以来で、試合会場となるセゲカ・アレーナには7202人の観衆が集まった。

日本は9月9日にドイツと同国内で対戦し、4対1で勝利していた。中2日で舞台をベルギーに移したこのトルコ戦で、森保一監督は4-2-3-1のシステムを採用した。スタメンは以下のとおりである。

GKは中村航輔(ポルティモネンセSC / ポルトガル)で、DFラインは右から毎熊晟矢(セレッソ大阪)、谷口彰悟(アルラヤンSC / カタール)、町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ / ベルギー)、伊藤洋輝(VfBシュツットガルト / ドイツ)の4人で構成される。毎熊と町田は国際Aマッチ初出場だ。

中盤では伊藤敦樹(浦和レッズ)と田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ / ドイツ)がダブルボランチを組む。6月の『キリンチャレンジカップ2023』のペルー戦で代表デビューを果たした伊藤(敦)は、初めて先発に名を連ねた。3月以来の出場となる田中は、ゲーム主将の腕章を巻く。

2列目には右から堂安律(SCフライブルク / ドイツ)、久保建英(レアル・ソシエ / スペイン)、中村敬斗(スタッド・ランス / フランス)の3人が並ぶ。1トップは古橋亨梧(セルティック / スコットランド)だ。この試合が代表3試合目の中村は、自身初となるスタメン出場である。

国際Aマッチデビューの選手や初スタメンの選手を多く含むだけに、コンビネーションを構築するのは簡単ではなかったはずだ。それでも、日本は立ち上がりから意思の疎通が取れたプレーを披露していく。

15分には先制点が生まれる。敵陣右サイドに侵入した伊藤(敦)が内側へ持ち出し、堂安とのワンツーから左足を振り抜く。ペナルティエリアすぐ外から放たれた一撃が、ゴール右上に突き刺さった。

1対0とした日本は、その後も相手ゴールへ迫る。20分、久保が古橋へ絶妙なスルーパスを通す。シュートは相手DFにブロックされたが、ふたりのプレーイメージが合致した場面だった。

飲水タイムを挟んだ24分には、町田が古橋へ縦パスを通し、背番号11は堂安とのパス交換からシュートへ持ち込もうとする。しかし、ここはDFにブロックされた。

時間の経過とともに連携がスムーズになり、流動的な動きや思い切ったプレーが飛び出していく。27分には毎熊が右サイドを駆け上がり、久保からパスが通る。中央へのクロスは味方につながらなかったが、敵陣でボールを奪い返すと久保がゴール正面から左足でシュートする。強烈な一撃は相手GKにキャッチングを許さず、こぼれたボールを中村が右足でプッシュした。28分の得点で2-0とした。

36分にもゴールを奪う。毎熊がハーフライン手前でボール奪取に成功し、そのまま右サイドをドリブルで駆け上がる。ゴール前へ詰めていた中村にパスがつながると、中村は相手DFの股間を抜く右足シュートでゴールネットを揺らした。ペナルティエリ内へ走り込んで相手DFの注意を惹きつけた、古橋と久保の動きも賞賛されるべきだろう。

リードを3点差に広げた日本だが、前半終了間際にアクシデントに襲われる。44分に日本陣内での直接FKをきっかけに失点すると、この場面で得点者と交錯したGK中村が右肩を痛めてしまう。中村は負傷交代を余儀なくされ、シュミット・ダニエル(シントトロイデンVV / ベルギー)が急きょピッチに立った。

GK陣最年長の31歳は、直後に失点の危機を救う。左サイドからのクロスをクリアしきれず、ボールがゴールへ向かってくる。相手選手も詰めてくるなかで、シュミットはパンチングでクリアした。トルコに2点目を許さず、日本は3-1で折り返した。

後半も加点して国際Aマッチ4連勝を達成

後半開始とともに、森保一監督が動いた。毎熊、堂安、中村が退き、橋岡大樹(シントトロイデンVV / ベルギー)、伊東純也(スタッド・ランス / フランス)、前田大然(セルティック / スコットランド)が起用された、システムに変更はなく、橋岡は右サイドバック、伊藤は2列目右サイド、前田は2列目左サイドに入る。

後半も日本が最初に決定機をつかむ。55分、右サイドの伊東のクロスがゴール前の久保に渡るが、ボールコントロールが乱れてしまい、相手DFにクリアされそうになる。すかさず久保が足を伸ばすと、ゴールへ向かったボールが左ポストを叩いた。

61分には1点差に詰め寄られる。後半開始からの選手交代で主力選手を投入してきたトルコに、やや押し込まれていた時間帯での失点だった。

63分には久保のスルーパスを前田が左サイドで受け、GKとDFラインの間へ絶妙なラストパスを通す。これに反応したのは古橋だ。DFと競りながら右足ワンタッチで合わせるが、シュートは右ポストに弾かれた。

その直後、森保監督が選手交代を告げる。伊藤(敦)がベンチへ下がり、遠藤航(リバプールFC / イングランド)が出場する。チームのキャプテンが投入されたことで、守備がいま一度整理されていく。

3-2のまま推移する試合は、75分過ぎに動く。相手CKをCBがクリアすると、伊東が自陣からドリブルで持ち出す。そのまま加速して一気に相手ゴール前へ突き進むと、追いすがるDFのファウルを誘う。PKである。78分、伊東が自ら右足で蹴り込み、再び2点差に広げた。

79分には最後の交代が行なわれる。最終ライン中央でプレーしてきた町田に代わって、冨安健洋(アーセナル / イングランド)が起用される。冨安はそのまま左センターバックに入った。

2点リードで試合を進める日本は、最後まで意欲的な姿勢を示す。82分、攻撃参加した伊藤(洋)のクロスに田中が反応するが、シュートはゴール右へ逸れる。フィニッシュの態勢を作っていた前田に打たせてもいい場面だった。

3分のアディショナルタイムを経て、日本は4対2で試合終了のホイッスルを聞いた。得点シーンや決定機に関わることはなかったが、DFラインを統率した谷口、後半からの出場で攻守に奮闘した橋岡、途中出場で守備を引き締めた冨安らのプレーにも触れるべきだろう。

この勝利により、エルサルバドルとペルーに連勝した6月の『キリンチャレンジカップ2023』、さらには直前のドイツ戦を加えて、国際Aマッチ4連勝となった。森保監督のもとで着実な歩みを見せる日本は10月にも2試合を消化し、11月から公式戦へ臨む。

[文: 戸塚啓]
※本文中の選手名やチーム名の表記、時間などは、日本サッカー協会様の発表に準じています。


試合データ

■9月12日 ゲンク(ベルギー)/ セゲカ アレーナ
日本代表 [4-2] トルコ代表

日本代表選手集合写真
  • 日本代表選手集合写真

写真提供/©JFA 2023年9月12日キリンチャレンジカップ2023 対トルコ代表戦 先発メンバー

<代表監督> 森保 一

<出場選手>

■9月12日 ゲンク(ベルギー)/ セゲカ アレーナ
日本代表 (3)4 <伊藤敦樹 中村敬斗 中村敬斗 伊東純也>
 トルコ代表 2  <オザン・カバク ベルトゥー・ユルドゥルム>
日本
GK 中村(シュミット)
DF 谷口 伊藤洋輝 町田(冨安) 毎熊(橋岡)
MF/FW 堂安(伊東) 古橋 中村(前田) 伊藤敦樹(遠藤) 田中 久保
トルコ
GK ウールジャン・チャクル(アルタイ・バユンドゥル)
DF チャーラル・ソユンジュ(メリフ・デミラル) オザン・カバク オヌル・ブルト メルト・ミュルデュル
MF/FW サリフ・オズジャン(ハカン・チャルハノール) オルクン・コクチュ(イスマイル・ユクセク) ユスフ・サル イルファン・ジャン・カフベジ (バルシュ・アルペル・ユルマズ) ベルトゥー・ユルドゥルム サリフ・ウチャン(ジェンギズ・ユンデル)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

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