試合詳細レポート

2021

大阪 / ヨドコウ桜スタジアム 2021.07.12

U-24 日本代表

3

2

1

U-24 ホンジュラス代表

1

0

1

前 半

後 半

大阪 / ヨドコウ桜スタジアム 2021.07.12

U-24 日本代表

3

2

1

U-24 ホンジュラス代表

1

0

1

前 半

後 半

U-24日本代表がキリンチャレンジカップで貴重な経験を積む

来るべき世界との遭遇を前に、U-24日本代表が貴重な経験を積んだ。7月12日に『キリンチャレンジカップ2021』が大阪/ヨドコウ桜スタジアムで開催され、U-24日本代表がU-24ホンジュラス代表と対戦したのである。このチームが『キリンチャレンジカップ』を戦うのは、U-22日本代表として活動していた19年12月以来となる。およそ1年7カ月ぶりだ。
森保一監督が率いる日本は、このホンジュラス戦と17日のU-24スペイン代表戦に向けて、22人のメンバーと6人のトレーニングパートナーで活動することになっている。ただ、この日は所属クラブの活動などとの兼ね合いで、22人でチームが編成された。
日本のシステムは、チームの基本となる4-2-3-1である。GKには谷晃生(湘南ベルマーレ)が指名された。4バックは右から酒井宏樹(浦和レッズ)、吉田麻也(サンプドリア/イタリア)、冨安健洋(ボローニャFC/イタリア)、中山雄太(PECズヴォレ/オランダ)の並びとなる。吉田はキャプテンマークを巻く。
中盤では遠藤航(VfBシュツットガルト/ドイツ)と田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ/ドイツ)がダブルボランチを組む。2列目は右から堂安律(PSVアイントホーフェン/オランダ)、久保建英(レアル・マドリード/スペイン)、三好康児(ロイヤル・アントワープFC/ベルギー)が務める。そして、1トップには林大地(サガン鳥栖)が入った。
序盤から日本がペースを握った。一人ひとりが足を止めずにボールに関わり、相手陣内でのプレーが続く。12分には右サイドへ流れた久保のクロスから、三好が左ポスト直撃のシュートを放った。この場面では、左サイドバック中山の正確なフィードがきっかけとなった。
直後の13分、先制点が生まれる。右サイドのFKを久保がゴール前へ供給すると、相手のマークを外した吉田が右足でプッシュした。4000人を超える観客を迎えたヨドコウ桜スタジアムに、拍手の波が広がっていった。
その後も日本は相手ゴールへ迫る。選手同士が互いの距離感と角度を考えてポジションを取り、相手のプレッシャーを高い確率で剥がしていく。オープンプレーとセットプレーの両方で、決定的なシーンを作り出す。23分の左CKでは、酒井が相手DFと競り合いながら左足でシュートに結びつけた。
40分には見事なコンビネーションから2点目を奪う。攻撃参加した冨安が、左サイドからグラウンダーのクロスを送る。ニアサイドの三好がスルーして相手の目線を惑わし、ゴール前の林がマーカーを背負いながらボールを落とすと、堂安が右足でしっかりとプッシュした。
前半は2対0で終えた。日本は10本のシュートを放ち、ホンジュラスには1本も許していない。相手を圧倒したなかでも、GK谷は絶え間ないコーチングでチームを引き締め、最終ラインとダブルボランチもリスク管理を怠らなかった。2列目と1トップも、攻から守への切り替わりで素早く帰陣した。リードしているからといって、油断をするところは一切ない。チーム全体が試合の細部にまで神経を張り巡らせ、集中してプレーしていることがうかがえた。

1点差に迫られるも、終盤に突き放す!

後半開始とともに、ホンジュラスは5人の選手を入れ替える。それに対して日本は、前半と同じ11人でスタートする。相手はフレッシュな選手をまとめて起用してきたが、日本は相手ゴールに迫っていく。
後半開始早々の49分、堂安が左サイドからゴール前へクロスを通す。ファーサイドへ流れたボールを久保が左足でシュートしたが、相手DFにブロックされた。
森保監督が選手交代に動いたのは63分だった。遠藤とともにボールの中継点となり、球際の攻防でも激しくバトルした田中碧と、最前線で身体を張り続けた林大地が退く。代わって板倉滉(マンチェスター・シティ/イングランド)がボランチに、前田大然(横浜F・マリノス)が1トップに入る。
後半は一進一退の攻防となるなかで、65分に失点を喫する。右サイドの背後を突かれ、GK谷が至近距離からのシュートを身体に当てるが、ゴール前に残ったボールがオウンゴールへつながってしまった。相手FWもゴール前に詰めていただけに、守備陣の対応を責めることはできなかっただろう。
2対1で迎えた74分、左サイドの三好が絶妙なスルーパスをゴール前へ通す。走り込んだ前田はGKと1対1になるが、シュートはブロックされてしまう。
80分、森保監督が2度目の選手交代を行なう。酒井、吉田、久保が退き、橋岡大樹(シントトロイデンVV/ベルギー)、町田浩樹(鹿島アントラーズ)、相馬勇紀(名古屋グランパス)が送り込まれる。最終ラインは右から橋岡、冨安、町田、中山の並びとなる。2列目は相馬が左サイドに立ち、三好がトップ下へスライドした。吉田が巻いていた主将の腕章は、遠藤に託される。
日本はこの時点で5人が交代しているが、ホンジュラスは8人が入れ替わっている。その影響もあって、チーム全体の活動量でホンジュラスに上回られる時間帯もあったが、日本は85分に勝利を決定づける。
町田、相馬、前田とパスがつながり、遠藤が左サイドのスペースへボールを送る。走り込んだ相馬が巧みなボール処理からクロスを入れると、ニアサイドに飛び込んだ堂安が押し込んだ。
3対1とした直後の87分、中山がピッチに座り込み、藤田譲瑠チマと交代する。藤田はボランチに入り、板倉が最終ラインへ下がった。後半途中から出場した板倉や橋岡、出場時間の短かった藤田も、国際試合特有の緊張感のなかでしっかりとプレーした。
後半は互いに3本のシュートを放ち、1点ずつを取り合ったが、日本は3対1で終了のホイッスルを聞いた。試合後の森保監督は、「後半に入って相手が5人フレッシュな選手を入れてきたなかで、我々は選手交代をしなかったので、押し込まれることもある程度想定していた」と話し、「選手たちの多くが1か月間くらいフルに試合をしていないので、キツいなかでプレーしてもらおうという意図があった」と説明をした。そのうえで、前半の戦いぶりについて「いい距離感からいい攻めにつなげる、ボールをロストしてもすぐに回収する意図を持って、選手たちが戦ってくれていた」と評価した。
5日後には舞台を兵庫へ移し、スペインとの『キリンチャレンジカップ2021』に臨む。世界の強豪との対戦を通して、森保監督率いる日本はレベルアップをはかっていく。


※本文中の選手名、チーム名の表記、時間などは、オフィシャルプログラムと日本サッカー協会様のホームページに準じています。

試合データ

■7月12日 ヨドコウ桜スタジアム
U-24 日本代表 [3-1] U-24 ホンジュラス代表

日本代表選手集合写真
  • 日本代表選手集合写真

写真提供/©JFA 2021年7月12日キリンチャレンジカップ2021対U-24ホンジュラス代表 先発メンバー

<代表監督> 森保 一

<出場選手>

■7月12日/ヨドコウ桜スタジアム
U-24日本代表 (0) 3 <吉田 麻也 堂安 律 堂安 律>
U-24ホンジュラス代表 (0) 1 <オウンゴール>
U-24日本
GK
DF 吉田(町田) 酒井(橋岡) 中山(藤田) 冨安
MF 遠藤 三好 堂安 田中(板倉) 久保(相馬)
FW 林(前田)
U-24ホンジュラス
GK アレックス・グイティー
DF クリストフェル・メレンデス(エルビン・オリバ) デニル・マルドナド(カルロス・メレンデス) ウェスリー・デカス ホセ・ガルシア
MF ホセ・レジェス(ドウグラス・マルティネス) ホセ・ピント(リゴベルト・リバス) エドウィン・ロドリゲス(ホナタン・ヌニェス) カルロス・ピネダ(ホルヘ・アルバレス)
FW ルイス・パルマ(フアン・オブレゴン) ホルヘ・ベングチェ(サムエル・エルビル)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

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