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旅の取材記
photo by Yoko Takahashi
ミルクをジャムにする!?果物のジャムしか知らなかった私たちは
わくわくしながら乳製品の里、フランスのノルマンディーを訪れました。
ノルマンディー

フランスの北に位置するノルマンディー地方。内陸部はなだらかな平野がつづく大酪農地帯で、カマンベールチーズ発祥の地としても知られています。質のよいミルクがチーズやバターとなり、フランス中の食卓にのぼっているのです。私たちがめざしたのは、パリから車で2時間ほどのオルヌ県。窓の外にひろがる牧草地帯には、牛や馬、羊などが放牧されていて、のどかで牧歌的な美しい風景がつづきます。
点在する石と木骨組みでできた民家は、コロンバージュという伝統建築様式で、16~19世紀に建てられたものが多いのだそう。
先祖の残したものを受け継ぐことへの、意志の力を感じました。

昔ながらにこだわる、手で作るチーズ。

ノルマンディーを代表するチーズ、リバロとポンレベックを作っている工房を訪ねました。この工房のチーズは、フランスの上質なチーズの証「AOC」の認定を受けています。どの地方のどの牛のミルクを使い、どのような作り方をするかなどが細かく指定されているAOC。
この工房では、地元の牛のミルクだけを使用し、伝統的な製法で作られていました。たとえばリバロは、ミルクを37度に温めて酵素(プレジュール)を加えて発酵させたあと、昔と変わることなく手でかきまぜます。
そして水分を抜いたあとの固形分はチーズに、抜いた水分(乳清)は子牛に飲ませていました。この循環が、素晴らしいチーズを作るのだそうです。また熟成過程では、チーズの型くずれを防ぐために葦を巻くのですが、それもひとつひとつが手作業。
量産はできなくても、昔ながらの作り方を受け継ぐことが大事だと考える作り手がいて、国はその考え方と技術に対して称号を与えています。
チーズ作りへの誇りが、世界の認めるチーズを生み出しつづけているのだと思いました。

フランス ノルマンディーの知恵から
インスピレーションを
受けて生まれた商品
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