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旅の取材記
ベリーは、フィンランドの“お母さんの味”。

翌日、村の婦人互助会の方々に、ベリーについて教わりました。村の公民館では皆さんが焼いたベリーパイが販売され、昔ながらの味が評判なのだそう。
スパイスを混ぜた生地に、何種類ものベリーを使ったジャムをたっぷりかけて焼き上げるベリーパイ。この日は、ついついおしゃべりに夢中になり、ベリーをちょっと多く入れすぎてしまったり、パイの中にラハカを入れ忘れてしまうという出来事も。でも、甘味と酸味のバランスがとれた、おいしいパイに焼き上がりました。

いつもパイを焼くとき、誰かがベリーを持ち寄っていると聞き、みんなでベリーを摘みにいくことはないのかと訊ねると「友達と摘みにいくことはないわ。ベリー摘みは、必ず家族といくものだからね。どの家にも、秘密のベリー摘みの場所があるのよ」と、意外な答えが。
「ベリーを使ったお菓子はレシピが同じでも、それぞれの家庭の味があるの。ベリーは常に私たちのそばにある名脇役、フィンランドのソウルフードよ」と、口々に言っていた皆さん。そんな言葉から、ベリーはフィンランドの家族の絆を結ぶ、大切な“お母さんの味”であることを感じさせられました。

豊かな自然との共存共栄と、ベリー。

最終日は、婦人互助会のメンバーのお宅を訪れ、フィンランドの田舎での暮らしについて伺いました。まず伺ったのは養豚場を営んでいるティーナさんのお宅。庭に湖とサウナがある素敵なお家は、フィンランドの人たちにとっては憧れの存在。

「先祖がここに住み出したのは1649年から。先祖代々、農業を営んでいるのよ」と話すティーナさん。その言葉からは、田舎に暮らし続けていることへの誇りが感じられました。

かつてヘルシンキに住んでいたものの、田舎に住みたくなってオリベシへと越してきたという、ピリヨさんとエルッキさん。森に囲まれた庭を私たちに案内してくれながら、ピリヨさんは「田舎での生活では、もちろん不便なこともあるわ。だけど何もないからこそ生き方がシンプルになって、本当にやりたいものや欲しいものが見えてくるのよ」と、田舎暮らしの良さを教えてくれました。

自然との共存こそが、人間にとって唯一の持続可能な社会をつくる方法だと知っているフィンランドの人たち。そして彼らの生活に欠かせないベリーは、フィンランドの豊かな自然との共存を象徴するような存在でもありました。「森と湖の国」への旅は、ベリーをおいしくいただく知恵と出会うだけでなく、自然との共存についても考えさせられる旅となりました。

フィンランドの知恵から
インスピレーションを
受けて生まれた商品
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