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試合詳細レポート

2008

キリンチャレンジカップ2008
1月30日 日本代表×ボスニア・ヘルツェゴビナ代表

  試合終了のホイッスルは、2月6日への確かな手応えを告げていた。1月30日、4日前のチリ代表戦に続いて国立競技場で『キリンチャレンジカップ2008』に臨んだ日本代表は、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表を3-0で下したのである。
  日本代表はチリ代表戦に続き、4-1-3-2の布陣を敷いた。中盤は鈴木啓太(浦和レッズ)の1ボランチで、中村憲剛が右サイド、遠藤保仁が左サイドをスタートポジションとする。FW登録の大久保嘉人(ヴィッセル神戸)は、高原直泰(浦和レッズ)と巻誠一郎(ジェフ千葉)の2トップを後方支援するトップ下のポジションだ。もちろんこれは基本布陣であり、各選手がバランスを考えながら流動的にポジションを取っていく。
  DFラインはチリ代表戦から変動なし。ただ、GKには楢正剛(名古屋グランパス)が起用された。「今のところ第1GKは川口だと思っているが、川口がタイ戦までにケガすることもあるかもしれないし、楢がずっと試合に出ていないということだったので、万全を記したいということで使った」と、岡田監督は説明している。楢の国際Aマッチ出場は、07年6月1日に開催された『キリンカップサッカー2007』のモンテネグロ戦以来だ。
  0-0に終わったチリ代表戦を受けて、日本は序盤から積極的に相手ゴールを目ざしていく。4分、高原の右足シュートがワクを襲う。5分には右サイドのスローインから巻-中村憲とボールがつながり、相手守備陣を揺さぶる。
  14分には中村憲のサイドチェンジが、右サイドバックの内田篤人(鹿島アントラーズ)の攻撃参加を導く。中村憲から内田へのサイドチェンジは、この日の日本の重要な攻撃パターンとなっていた。
  「この前は少なかったので、今回は早いサイドチェンジを意識していた」と中村憲は振り返る。チリ代表戦よりダイナミックさに溢れた展開は、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表をその後も苦しめていくことになる。
  想定外だったのは巻の負傷交代だろう。19分、左サイドからのクロスに飛び込んでGKと激しく衝突し、29分にも後方からのタックルを浴びて足を痛めた。岡田監督にしてみれば、無理をさせたくないという判断だったのではないだろうか。巻は33分で退き、山瀬功治(横浜F・マリノス)が登場する。山瀬は中盤の攻撃的なポジションに入り、大久保が高原と2トップを組む。
  前半は0-0で折り返した。シュート数では6対4と上回り、ボール支配率は65・3パーセントと圧倒的である。しかし岡田監督は、「もっとゴールへ向かう意識を出して行くように」と指示する。「相手のペースに合わせてテンポが遅く」なっており、「きれいな形を作ることばかりに意識がいっていた」というのが、ボール支配率の高さに対する指揮官の分析だったのだ。
  待望の先取点が生まれたのは68分だった。遠藤が右CKを素早くリスタートすると、マイナスのポジションにいた山瀬が右足でシュートを放つ。グラウンダーの一撃がゴール前を横切る。ファーポスト際へ走り込んだ中澤佑二(横浜F・マリノス)が、ゴールへなだれ込むように左足で押し込んだ。
  この1点で優位に立った日本は、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表にまったく付け入るスキを与えない。メホ・コドロ監督にできるのは、疲れの見えた選手を次々と交代させることだけだった。
  追加点は83分に生まれた。センターサークル内で内田のパスを受けた大久保が、浅いDFラインの背後へふんわりとしたパスを通す。2列目からフリーで走り込んだ山瀬は、右足で冷静にゴールを射止めた。
  さらに88分、国立競技場が3度目の歓喜に沸く。今野泰幸(FC東京)のタテパスを、播戸竜二(ガンバ大阪)がDFに競り勝って頭で落とす。ゴール前へ残ったボールは、またしても山瀬が蹴り込んだ。
  中村憲に代わって79分から出場した今野は、2点目のきっかけとなるインタセプトも記録している。82分に高原と交代した播戸も、短い時間できっちり得点に絡んだ。山瀬も含めて交代選手が結果を残したのは、一週間後のタイ戦につながる好材料だろう。
  こうして試合は、3-0の快勝に終わった。「CKから1点目が入ったことが大きかった。その後は相手のコンディションが悪くて足が止まったので、そこで2、3点目を取ったのは素晴らしかった。ただ、タイ戦に向けてはもっともっと貪欲に点を取りにいく姿勢が必要かなと思いました」
  試合後の岡田監督は、澱みない口調でゲームを振り返った。「手応えは?」という質問にはこう答えている。
  「手応えというか……一番びっくりしているのは、このチームは代表チームにも関わらず、非常にひとつのチームになっているということ。選手がそれぞれの役割をわきまえて、チームが勝つためにプレーしてくれている。それには手応えを感じている」
  そのあとすぐに「まだまだ足りないところがある」と言って戦術的な課題をあげたのは、経験豊富な岡田監督ならではのチームマネジメントではなかったか。収穫と課題をきっちりコメントすることで油断を遠ざけ、目標を明確にしているのだ。
  チリ代表とボスニア・ヘルツェゴビナ代表を招いた『キリンチャレンジカップ2008』は、2010FIFAワールドカップ南アフリカTMアジア3次予選、対タイ戦への重要なテストとなった。

[文: 戸塚啓]

試合データ

■1月30日 東京・国立競技場
日本代表 [3ー0] ボスニア・ヘルツェゴビナ代表

日本代表選手集合写真 説明イラスト  1) GK 楢 正剛
 2) MF 阿部 勇樹
 3) FW 巻 誠一郎
 4) FW 高原 直泰
 5) DF 中澤 佑二
 6) DF 内田 篤人
 7) MF 遠藤 保仁
 8) FW 大久保 嘉人
 9) DF 駒野 友一
10) MF 中村 憲剛
11) MF 鈴木 啓太
  • 日本代表選手集合写真
  • 説明イラスト
  •  1) GK 楢 正剛
     2) MF 阿部 勇樹
     3) FW 巻 誠一郎
     4) FW 高原 直泰
     5) DF 中澤 佑二
     6) DF 内田 篤人
     7) MF 遠藤 保仁
     8) FW 大久保 嘉人
     9) DF 駒野 友一
    10) MF 中村 憲剛
    11) MF 鈴木 啓太

写真提供/(c)Jリーグフォト

<代表監督> 岡田 武史

<出場選手>

■1月30日/東京・国立競技場
日本代表 (0) 3 <中澤> <山瀬>
ボスニア・ヘルツェゴビナ代表 (0) 0
日本    
GK
DF 中澤 駒野 内田
MF 遠藤 中村(今野) 鈴木 阿部
FW 高原(播戸) 巻(山瀬) 大久保(羽生)
ボスニア・ヘルツェゴビナ    
GK ハサギッチ
DF スパヒッチ ニコリッチ(レゴイエ) ヨバノビッチ(ユーゴ) ダムヤノビッチ 
ビディッチ
MF メルジッチ フルゴビッチ(サルチノビッチ) ブラダビッチ(シュコロ)
ジジョビッチ(スティリッチ)
FW ラシュチッチ(ニコリッチ)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

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