[ページの先頭です。]

ページ内を移動するためのリンクです。

[ここから本文です。]

試合詳細レポート

2005

キリンチャレンジカップ2005
2月2日 日本代表×シリア代表

 決戦への手応えは、さらに大きくなった。2月2日に開催された<キリンチャレンジカップ2005>で、日本代表はシリア代表を3−0で退けたのだ。
 先発11人の平均年齢が23.9歳と若いシリアだが、一次予選ではアジアカップ4強のバーレーンと接戦を演じている。2月9日の北朝鮮戦へ向けた最後のテストマッチとしては、申し分のない相手である。

 序盤の日本は、カザフスタン戦のような圧力をかけなかった。13分にカウンターから左サイドをえぐられたが、こうした場面を警戒してのことだった。「シリアはカザフスタンより細かいスキルを持っている」と分析したジーコ監督にすれば、プレスの網をかいくぐられるリスクを抑えたかったのだろう。そこでは、疲労のピークにある選手たちのコンディションも、考慮されていたに違いない。
 だからといって、慎重さばかりが目立ったわけではない。カザフスタン戦で積極性をアピールした右アウトサイドの加地亮は、この日もタッチライン際を激しく上下動した。「本番のつもりでやる」と前日の練習後に語っていた左アウトサイドの三都主アレサンドロも、突破を意識したプレーを見せていた。
 21分にはその2人が絡んでスタジアムを沸かせる。カウンター気味の展開から加地が右サイドを突き、ライナー性のクロスを中央へ。走り込んだ三都主の正確な左足シュートが、相手GKを鋭く襲った。
 先制点は44分だった。右サイドを突破した加地のクロスは逆サイドへ流れるが、フォローした三都主がラストパスを供給する。ここに走り込んでいたのが鈴木隆行だった。
「フリーな状態だったので、流し込むだけだった。アレ(三都主)からいいボールが来た」と話した鈴木は、慌てて身体を寄せてきたDFのチャージをはねのけ、力強いヘディングシュートを叩き込んだのである。
「リードしたら相手も前に出てくると読んでいたら、そのとおりになった」というジーコ監督の言葉どおり、ディフェンス重視だったシリアは後半から攻撃に人数を割くようになってきた。これで日本は前半よりもスペースを見つけやすくなり、自慢のパスワークを発揮できるようになる。

 後半開始直後の49分に作り出した決定機は、イメージどおりの展開だっただろう。鈴木から小笠原満男、小笠原から三都主へ流れるようにパスがつながり、三都主のセンタリングに福西崇史がフリーで飛びこむ。ダイビングヘッドは惜しくもGKの正面を突いたが、若いシリアに格の違いを見せつけた場面だった。「日本はクロスボールの質が高く、スピードも速かった」とは、シリアのハフィズ・アラブ監督のコメントである。
 69分にあげた追加点は、頼もしい復活の雄叫びだった。右足太もも裏の違和感の影響で、カザフスタン戦を欠場した宮本恒靖だ。
 三都主の直接FKはゴール前を通過するが、右サイドでボールを支配した遠藤保仁がすぐに折り返す。ニアサイドへのクロスを、宮本が頭で押し込んだのだった。
「隆行が前にいたんですけど、届きそうだったので当たればいいと思って。狙ってはいません。1−0のなかでの2点目だったので、それは良かったですけどね」
 この日の宮本は、得点の場面以外にも積極的に攻撃に関わっていた。「相手が引いたなかで、変化をつけようという意図」と本人が説明する動きは、もちろん、北朝鮮戦を意識してのものである。
 61分に相手選手が退場となり、数的優位に立っていた日本にとって、2−0はセーフティリードだ。それでも、選手たちはなお意欲的だった。
 そして、ダメ押しの3点目が入る。
 90分、三都主がゴール前の鈴木へ低いクロスを送る。「後ろから声が聞こえた」という鈴木がスルーすると、小笠原がドンピシャリのタイミングで走り込んできた。ワントラップから左足ボレーを振り抜くと、ボールは鮮やかにゴールネットを揺すった。「攻撃のビルドアップに加わりつつ、点に絡んだりできるようになった」と、本人も納得のファインゴールである。

 試合後のジーコ監督は、チームへの称賛を惜しまなかった。
「今日はいい戦い方ができた。宮崎合宿からかなりハードなコンディション作りをやってきたが、精神的な目的を明確に持っていたからこそ、疲れているなかでもこういったいいゲームができたのだと思う」
 鈴木の言葉にも自信がみなぎる。
「みんないい状態で来ている。ワールドカップ予選を突破できるように、強い気持ちで北朝鮮戦に臨みたい」

 カザフスタンとシリアを迎えた<キリンチャレンジカップ2005>を戦うことで、チームは進むべき方向を再確認した。やり残しことはない。一週間後の2月9日、選手たちはフィジカルとメンタルをピークに整えて、埼玉スタジアムのピッチに戻ってくるはずだ。

[文: 戸塚啓]

試合データ

■2月2日 埼玉スタジアム2002
日本代表 [3ー0] シリア代表

日本代表選手集合写真 説明イラスト  1) MF 三都主アレサンドロ
 2) MF 福西崇史
 3) FW 鈴木隆行
 4) DF 中澤佑二
 5) DF 田中誠
 6) GK 川口能活
 7) MF 小笠原満男
 8) FW 玉田圭司
 9) MF 遠藤保仁
10) MF 加地亮
11) DF 宮本恒靖
  • 日本代表選手集合写真
  • 説明イラスト
  •  1) MF 三都主アレサンドロ
     2) MF 福西崇史
     3) FW 鈴木隆行
     4) DF 中澤佑二
     5) DF 田中誠
     6) GK 川口能活
     7) MF 小笠原満男
     8) FW 玉田圭司
     9) MF 遠藤保仁
    10) MF 加地亮
    11) DF 宮本恒靖

写真提供/(c)Jリーグフォト

<代表監督> ジーコ

<出場選手>

■2月2日/埼玉スタジアム2002
日本代表 (1) 3 <鈴木><宮本><小笠原>
シリア代表 (0) 0
日本    
GK 川口
DF 田中(本山) 宮本 中澤
MF 加地 遠藤(中田) 福西 三都主 小笠原
FW 鈴木 玉田
シリア    
GK カルカル
DF モハマド エレシュラ アル・ホジャ ディアブ エスマイール
MF ジュベイリ アラヤ アル・アメナ(アル・カドル)
FW サイド(アバス) ラフェ(アル・ゼノ)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

<リーフレット・パンフレット>

試合リーフレット 試合パンフレット

過去の試合レポートを見る 過去の試合レポート

[ここからフッタです。]

先頭へジャンプ