[ページの先頭です。]

ページ内を移動するためのリンクです。

[ここから本文です。]

試合詳細レポート

2004

キリンチャレンジカップ2004
7月25日 U-23日本代表×U-23オーストラリア代表

 アテネ五輪に向けて、五輪代表が最後の調整を続けている。7月25日には大阪・長居スタジアムで<キリンチャレンジカップ2004>が開催され、U−23オーストラリア代表と対戦した。

 この日の日本は、21日の韓国戦からスタメンを4人入れ替えていた。前日にナビスコカップが開催されたことと、韓国戦で負傷した選手がいたためである。先発出場した選手のなかにも、疲労を溜めていた選手がいた。
「本当は阿部を最後まで残して中盤をしっかり固めたかったんですが、Jでも試合が続いていてかなり疲労しているので、最初から少ない時間のみと考えていた。松井も使える状態ではなかった」と、山本昌邦監督は振り返る。しかし、「こういう厳しい中で試合をこなしていくことが、アテネだけでなくその後に続いていく」という山本監督の言葉どおり、チームの総合力を問うには絶好の機会と言うこともできた。

 韓国戦では平山相太を最前線に配し、田中達也と大久保嘉人を1・5列目に置く1トップ+2シャドーでスタートしたが、この日は高松大樹と大久保の2トップで臨む。また、これまで左アウトサイドで起用されてきた森崎浩司が、五輪代表では初めてトップ下に入った。さらにケガの今野泰幸に代わって、菊地直哉がボランチに。GKには黒河貴矢が起用された。
 アテネでの緊急事態も想定した試験的なフォーメーションながら、各選手は与えられた役割を忠実に実践する。先発11人の平均身長ではオーストラリアに5センチ劣るが、「ボールも人も動くサッカー」というチームコンセプトがピッチ上に描かれていった。

 日本のチャンスは26分に訪れた。右サイドの森崎浩が、ゴール左へクロスを送る。DFの背後に走り込んでマークを逃れた大久保が、ヘディングで合わせる。だが、シュートはゴールポストの左角を叩いた。
 前半の決定機はこのひとつのみ。「思った以上にオーストラリアのボディコンタクトは強かった」と高松は語ったが、世界基準の身体能力を備えるオーストラリアの堅陣は、やはり簡単には崩せない。

 0−0で前半を終えると、山本監督は高松に代えて平山を、ボランチの阿部を下げて田中達を投入。大久保を含めた3トップにシフトチェンジする。平山がターゲット役となって前線でポイントとなり、大久保と田中が突破力を生かして相手守備陣に揺さぶりをかける。さらに、「達也(田中)が入って3トップになったので、彼を追い越すような形で数的優位を作ろうとした」という左アウトサイドの駒野や、最終ラインの闘莉王のオーバーラップが、攻撃に厚みを加えていく。

 そして54分、森崎浩のクロスをゴール右に飛び出した闘莉王が頭で合わせる。左ポスト際への折り返しに大久保が合わせたが、わずかにタイミングが合わなかった。

 逆に79分、オーストラリアに先制点を奪われてしまう。ラストパスを出した選手がオフサイド気味のポジションにあり、日本の選手の足が一瞬止まったところを突かれた。「オフサイドをアピールして手を上げて、ちょっと足が止まっちゃった感じです。手を上げてもプレーは続けると、繰り返し確認しているんですが」
 茂庭照幸はこういった厳しい表情を浮かべたが、日本にとっては悔やまれる失点であり、アテネへの教訓となる場面だった。
 リードされた日本は、攻撃的な姿勢を強く打ち出していく。高さと強さを兼ね備えたオーストラリアを追い詰めるが、あと一歩でゴールを奪えなかった。

 しかし、悲観する必要はない。山本監督が言う。「結果的には残念な結果になってしまいしたが、こういう苦しいなかで選手がプレーの質を追及してくれた。テストマッチとしては有意義だったと思う」
 実際に試合後の選手からは、具体的な改善点がいくつも上がった。右アウトサイドの徳永悠平は「クロスの精度を上げなければならない」と語り、3バックの那須大亮は「闘莉王のオーバーラップは武器になるので、彼が上がったときに後ろがどう対処するかをもう一度確認し合いたい」と話した。アテネにつながる課題を抽出できたことに、今回の<キリンチャレンジカップ>を戦った意義がある。

 これで3試合連続の無得点となったが、オーバーエイジの小野伸二はまだ合流していないし、7月上旬から合宿を行なってきた選手たちは、少なからず疲労をため込んでいる。そう考えれば、結果にばかりとらわれる必要はない。「チーム全体に疲れもあるし、あとはフィニッシュの問題だけです。心配することはありません」という闘莉王のコメントも、決して強がりではないだろう。オーストラリアのファリナ監督も「日本はまとまりのあるいいチームだった」と語っている。

「30日のベネズエラ代表戦は、日本で最後の試合になります。何人か選手も戻ってこれそうですから、勝ってすっきりとした気持ちでドイツ合宿に行きたい」
 山本監督のこの言葉を、いまは冷静に受け止めるべきだろう。30日のゲームへの期待を込めて。

[文: 戸塚啓]

試合データ

■7月25日 長居スタジアム
U-23日本代表 [0ー1] U-23オーストラリア代表

日本代表選手集合写真 説明イラスト  1) MF 阿部勇樹
 2) DF 田中マルクス闘莉王
 3) MF 菊地直哉
 4) DF 茂庭照幸
 5) DF 那須大亮
 6) GK 黒河貴矢
 7) MF 徳永悠平
 8) FW 大久保嘉人
 9) MF 森崎浩司
10) FW 高松大樹
11) MF 駒野友一
  • 日本代表選手集合写真
  • 説明イラスト
  •  1) MF 阿部勇樹
     2) DF 田中マルクス闘莉王
     3) MF 菊地直哉
     4) DF 茂庭照幸
     5) DF 那須大亮
     6) GK 黒河貴矢
     7) MF 徳永悠平
     8) FW 大久保嘉人
     9) MF 森崎浩司
    10) FW 高松大樹
    11) MF 駒野友一

写真提供/(c)Jリーグフォト

<U-23日本代表監督> 山本昌邦

<出場選手>

■7月25日/長居スタジアム
U-23日本代表 (0) 0
U-23オーストラリア代表 (0) 1 <ホールマン>
日本    
GK 黒河
DF 茂庭 田中マルクス 那須
MF 徳永(石川) 菊地 阿部(田中達) 駒野 森崎
FW 高松(平山) 大久保
オーストラリア    
GK ガレコビッチ
DF ムーア(ダンズ) ノース マダスキ マケイン キャンズデルシェリフ ディレブスキ
MF エルリッチ(ホールマン) ウィルクシャー
FW アロイジ(グリフィス) ブロスク

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

<ポスター・パンフレット>

試合ポスター 試合パンフレット

過去の試合レポートを見る 過去の試合レポート

[ここからフッタです。]

先頭へジャンプ