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試合詳細レポート

2003

キリンチャレンジカップ2003
8月20日 日本代表×ナイジェリア代表

 ジーコ監督の指揮のもとで、日本代表が通算3勝目となるホーム初勝利をあげた。

 幕開けは電撃的だった。キックオフとともにナイジェリアに襲いかかった日本は、相手GKエタフィアのクリアを三都主が稲本へつなぎ、左サイドでリターンパスを受ける。柳沢が左サイドへ抜け出してCBを引っ張り、ゴール前にスペースを作る。
 ここへ高原が走り込んできた。マーカーのエナカハイヤーを一瞬の動きで振り切ると、三都主のクロスをワントラップして左足を豪快に振り抜く。ゴール右上へ突き刺さったシュートを、GKエタフィアはただ見送ることしかできなかった。「迷いなく打った」という、高原の会心の一撃である。

 ヨーロッパのトップクラブに所属する中心選手が来日しなかったナイジェリアは、何人かのベテランに若手を交えた構成だった。急造チームだけにコンビネーションは成熟していないが、アフリカ人らしい身体能力とスピードは脅威的だった。失点直後に勢いよく攻めてきたのは、早い時間帯に同点に持ち込もうとする、彼らなりのゲームプランだったのだろう。
 しかし、「身体能力を生かした個のプレーに注意しようと話していた」という宮本恒靖の言葉どおり、日本の最終ラインはセーフティーなプレーで相手の攻撃の芽を摘み取っていく。同時に宮本を軸とする4バックは的確にラインコントロールし、リスクを考えながらオフサイドトラップを効果的に使っていた。
 4トップ気味のナイジェリアの攻撃を封じたのは、ダブル・ボランチのポジショニングとバランス感覚によるところも大きかった。「相手が4トップ気味だったので、タテではなく横の関係に近いポジションにして(中央へ)絞り気味にした」と遠藤は振り返っているが、彼らが4バックと緊密な関係を保つことで、ナイジェリアにフリーなスペースを与えなかったのである。
 ディフェンスが安定していれば、攻めの特徴が引き出される。25分、遠藤のタテパスを高原が中田英に落とし、タテに抜け出してリターンパスを受ける。高原のラストパスは中央へ走り込んだ柳沢へつながり、決定的な場面となった。
 その後も日本の攻勢が続く。25分、柳沢のバックヘッドが際どくゴールを襲う。32分、遠藤のスルーパスが相手DFに当たり、ゴール前へ走り込んだ高原へのラストパスとなる。高原はDFに背後から突き倒されたが、主審のホイッスルはならなかった。
 
 2度目の歓喜は39分に訪れた。左サイドの中村のピンポイントクロスから、高原がゴール右へ鮮やかなヘディングシュートを決めたのだ。ゴール前でフリーになった高原の動きと、それに呼応した中村の絶妙なクロスは、ファインゴールという形容がぴったりだった。
 創造性溢れるコンビネーションは、前半終了間際にも見られた。43分、三都主のタテパスから柳沢が左サイドを突破し、マイナスのセンタリングを送る。走り込んだ中村が右足シュートを放つが、DFにコースを消されてしまった。
 1分後、今度は三都主が突破役を担う。高原との完璧なワンツーから左サイドをゴールライン際まで抜け出す。ラストパスはGKとDFにクリアされたが、さらなるゴールの予感を漂わせながらハーフタイムを迎えた。

 後半になっても、日本が攻め、ナイジェリアが守る構図は変わらない。55分、三都主−遠藤とつなぎ、柳沢がオフサイドラインを抜け出す。GKの頭上を狙ったループシュートは、残念ながらジャストミートしなかった。
 セットプレーからも決定機を作った。65分、左CKを遠藤が三都主へつなぎ、逆サイドへクロスボールが入る。稲本が折り返す。左ポスト際の宮本が頭で狙う。宮本のポジションがオフサイドだったため得点には至らなかったが、ナイジェリアの守備陣を見事に揺さぶった場面だった。
 だめ押しの3点目は72分。オフサイドラインを破った遠藤が、稲本のロングパスを受けて冷静にゴールへ流し込む。「コースが空いていたので、落ち着いて蹴れた」という国際Aマッチ7試合目での代表初ゴールだった。
 この日のナイジェリア相手に3点差はセーフティリードだが、日本は貪欲にゴールを求めた。71分、中村の狙いすましたスルーパスから、柳沢が抜け出す。飛び出したGKがペナルティエリア外でセーブする。明らかなハンドだったが、主審のホイッスルはならなかった。
 その後は途中出場の大久保が最終ラインを2度突破したが、追加点はならず。「相手の組織が出来上がっていなかったので、もう少し取れたと思う。でも、前への飛び出しで何回かよい形があった」とキャプテン中田英が語ったように、最後まで攻撃の手を緩めずに終了のホイッスルを聞いた。

 試合後のジーコ監督も、満足そうな表情を浮かべた。「この1勝がこれからの日本と選手には大切。心から嬉しいと思う」
 9月10日には、セネガルとの<キリンチャレンジカップ2003>が行われる。欧州でプレーする中田英らが招集されれば、彼らのコンディションは気になるところだろう。ただ、ナイジェリア戦から試合間隔がそれほど空かないだけに、試合に向けた準備はスムーズに進むはず。国内初勝利をあげたことで、プレッシャーから解放されたことも大きい。セネガル戦が、いままで以上に楽しみになってきた。

[文: 戸塚啓]

試合データ

■8月20日 国立霞ヶ丘競技場
日本代表 [3ー0] ナイジェリア代表

日本代表選手集合写真 説明イラスト  1) MF 三都主アレサンドロ
 2) DF 坪井慶介
 3) MF 中村俊輔
 4) FW 柳沢敦
 5) MF 遠藤保仁
 6) GK 曽ヶ端準
 7) DF 宮本恒靖
 8) DF 山田暢久
 9) MF 稲本潤一
10) FW 高原直泰
11) MF 中田英寿
  • 日本代表選手集合写真
  • 説明イラスト
  •  1) MF 三都主アレサンドロ
     2) DF 坪井慶介
     3) MF 中村俊輔
     4) FW 柳沢敦
     5) MF 遠藤保仁
     6) GK 曽ヶ端準
     7) DF 宮本恒靖
     8) DF 山田暢久
     9) MF 稲本潤一
    10) FW 高原直泰
    11) MF 中田英寿

写真提供/(c)Jリーグフォト

<代表監督> ジーコ

<出場選手>

■8月20日/国立霞ヶ丘競技場
日本代表 (2) 3 <高原><高原><遠藤>
ナイジェリア代表 (0) 0
日本    
GK 曽ヶ端
DF 山田 坪井 宮本 三都主
MF 稲本 中田英 中村 遠藤
FW 高原(大久保) 柳沢
ナイジェリア    
GK エタフィア
DF ソジェ イズアガ エナカハイヤー オビエ(アダムス)
MF ババンギダ オロフィンジャナ アクウエヴ エコング
FW エクウェメ(アヨリンデ) カル(オパブンミ)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

<ポスター・パンフレット>

  • 試合ポスター 大会の告知がそのままビニール袋に。メモリアルグッズにもなる、持ち帰り自由のポスターでした。
  • 試合パンフレット
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