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試合詳細レポート

2003

キリンチャレンジカップ2003
7月23日 U-22日本代表×U-22韓国代表

 試合後の選手たちは、「ホームだけに勝ちたかった」と口を揃えた。しかし、有意義なドローだったのもまた事実である。

 5月21日のニュージーランド戦以来、U−22日本代表はおよそ2ヶ月ぶりのキリンチャレンジカップに臨んだ。対戦相手の韓国は、スペインリーグのレアル・ソシエダへ移籍したイ・チョンスやパク・チソンこそいなかったものの、昨年のFIFAワールドカップに出場したチェ・テウクやチェ・ジェジン、フル代表に定着しているチョ・ビョングらがチームの中心となり、攻守に質の高いサッカーを展開する。その実力は山本監督をして「アジアでもっとも力のあるチーム」というほどだ。

 立ち上がりの日本は、韓国の球際の強さを意識し過ぎていたようだった。選手の動きは悪くないのだが、パスがテンポよくつながっていかない。その結果として、試合の流れは韓国へ傾いていった。22分に喫した先制点も、中盤でのパスミスをそのままゴールへ持ち込まれたものだった。青木剛のパスがチェ・テウクにわたり、右足ミドルを決められたのだが、青木ひとりを責めることはできない。チーム全体としてリズムをつかめなかったことが、彼のパスミスを招いたのだ。正面のシュートをキャッチできなかった、川島永嗣にもエクスキューズはあった。雨天のコンディションを考えて川島はパンチングで弾こうとしたが、ドライブのかかったシュートは大きく揺れながら彼を襲ってきた。スピードのあるシュートでもあった。コースをついた一撃ではなかったが、処理するには難しかったのである。

 しかし、日本もすぐに攻勢に転じる。29分、右サイドの石川直宏が相手のファウルを誘い、直接FKを得る。根本裕一のキックはDFに跳ね返されるが、こぼれ球を再び根本が中央へ放り込む。これもクリアされたが、ボールはゴール左の三田光へわたった。三田は左サイドに開いていた石川へつなぎ、タテへ抜け出した石川がグラウンダーのラストパスを供給する。これが相手DFのオウンゴールを招いたのだ。日本のチャンスは続く。35分、松井大輔のショートパスから鈴木啓太が右サイドをえぐり、マイナスのセンタリングを通す。ゴール前の大久保嘉人が右足ダイレクトで合わせたが、シュートはバーに嫌われてしまった。

 後半開始早々には、さらなるビッグチャンスが訪れる。大久保のスルーパスに反応した松井がペナルティエリア左へ侵入し、内側への切り返しでDFを振り切る。決定的な場面だったが、シュートはゴールマウスを捕らえることができなかった。それでも、試合のイニシアチブは日本が握った。松井が存在感を強めることで中盤を制圧し、韓国に前半のような波状攻撃を許さない。山本監督は中山悟志や田中達也ら前線にフレッシュな選手を起用する一方、相手攻撃の起点となっていた右サイドの守備力強化のために茂庭照幸を投入し、失点のリスクを軽減した。経験豊富な山本監督の巧みなベンチワークも、日本が攻勢に出た要因だっただろう。この試合最後の決定機は87分だった。左サイドの根本がクロスボールを入れる。DFの頭上を越える。ファーサイドに走り込んでいた田中に通る。フリーで放たれたヘディングシュートが韓国ゴールを襲う。だが、シュートはほんのわずかに右へ逸れた。

 2か月ぶりに集合し、実質1日だけのトレーニングで試合に臨んだことを考えれば、前半に多少の戸惑いがあったのはしかたがない。むしろ時間の経過とともに、チームも個人も特徴を発揮したことは評価されるべきだろう。後半はただボールをつなぐのではなく、ゴールを意識したパスワークが展開された。試合後の山本監督も「後半は落ち着いてボールを回せたのでは」と評価している。GK川島は失点を引きずることなく落ち着いてプレーしていたし、最終ラインも韓国の圧力に屈することなく適正なラインを保っていた。CBの青木が上がったらボランチの阿部勇樹が下がる、鈴木が上がったら阿部がバランスを保つといった連携もスムーズになりつつある。

 なにより、韓国という強豪とのゲームは、最終予選への貴重なシュミレーションとなっただろう。コンタクトスキルに長けた韓国相手に、チームとしての狙いや個人の技術が通用することを確認できたのは、今後への自信となるはずだ。同時に、各選手は自分なりの課題を持ち帰ることもできたはずである。「ホームなので勝ちたかったが、アテネで上位を目ざせる韓国と戦えるのはいい経験。こういうたくましい試合を継続していきたい」試合後の山本監督は、こうも語っていた。発展途上のチームにとって、今回のキリンチャレンジカップは最高の刺激となったに違いない。

[文: 戸塚啓]

試合データ

■7月23日 国立霞ヶ丘競技場
U-22日本代表 [1ー1] U-22韓国代表

日本代表選手集合写真 説明イラスト  1) GK 川島永嗣
 2) MF 前田遼
 3) MF 松井大輔
 4) MF 阿部勇樹
 5) DF 三田光
 6) DF 池田昇平
 7) FW 大久保嘉人
 8) DF 青木剛
 9) MF 根本裕一
10) MF 石川直宏
11) MF 鈴木啓太
  • 日本代表選手集合写真
  • 説明イラスト
  •  1) GK 川島永嗣
     2) MF 前田遼
     3) MF 松井大輔
     4) MF 阿部勇樹
     5) DF 三田光
     6) DF 池田昇平
     7) FW 大久保嘉人
     8) DF 青木剛
     9) MF 根本裕一
    10) MF 石川直宏
    11) MF 鈴木啓太

写真提供/(c)Jリーグフォト

<U-22代表監督> 山本昌邦

<出場選手>

■7月23日/国立霞ヶ丘競技場
U-22日本代表 (1) 1 <オウンゴール>
U-22韓国代表 (1) 1 <崔兌旭>
日本    
GK 川島
DF 池田(茂庭) 青木 三田
MF 鈴木 阿部 石川(駒野) 根本
松井(森崎和) 前田(中山)
FW 大久保(田中)
韓国    
GK 金永光
DF 朴容昊 曹秉局 趙星桓
MF 崔兌旭 全才雲(崔成國)(朴圭善) 崔源權
金東進 金正又(金泰敏) 金斗ヒョン
FW 曹宰榛(鄭ジョグク)

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

<パンフレット>

試合パンフレット

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