マイページ

プラズマ乳酸菌が身近にある暮らしを目指して。キリンの研究者が描く未来

キリン公式noteより(公開日2021年10月21日)

コロナ禍の影響で、免疫ケアの重要性が増しています。

キリンが免疫研究を始めて35年、人本来の「免疫」のチカラを信じ、食を通じてお客様の健康な暮らしを守りたいという想いで乳酸菌の研究を始めて20年。免疫ケアを多くの人に届ける「プラズマ乳酸菌」シリーズは、不可能と言われていた「免疫」に関する機能性表示食品として国内で唯一届出受理された商品です。

2017年より販売を開始したプラズマ乳酸菌が入った飲料「iMUSE(イミューズ)」は、2020年に「免疫」に関する機能性表示としてリニューアルし、多くの人々の免疫ケアを後押ししています。

そんな商品の開発を支えているのが、素材(プラズマ乳酸菌)を研究するキリンの研究者達です。今回登場するのは、キリン中央研究所の辻亮平と、ヘルスサイエンス事業部 学術・開発グループの吉川実亜。

キリンの研究者として「プラズマ乳酸菌」開発に取り組む矜持、開発の裏側、そして「プラズマ乳酸菌」の価値を聞きました。

【プロフィール】辻 亮平

キリン中央研究所

2008年キリンホールディングス株式会社フロンティア技術研究所(現キリン中央研究所)入社。2011年~2013年にキリンビバレッジ株式会社への出向を経て、2015年よりプラズマ乳酸菌の研究業務を開始し、2020年より現職。国内外で臨床試験を実施するのみならず、機能性表示商品の開発にも携わった。農学博士、保育士、日本茶インストラクター、発酵マイスター。

【プロフィール】吉川 実亜

ヘルスサイエンス事業部 学術・開発グループ

2018年キリン株式会社(現キリンホールディングス株式会社)健康技術研究所(現キリン中央研究所)入社。入社当時はKW乳酸菌の基礎研究に従事しており、菌株差別性を明らかとした論文を発表した。2020年からプラズマ乳酸菌関連の業務も開始し、Ca家族(小岩井乳業株式会社)等の開発に携わった。2021年からはヘルスサイエンス事業部に異動したが、継続して2種の乳酸菌に関わっており、基礎研究から商品開発まで幅広い業務を担当している。

「自分の研究で人の役に立ちたい」「まともな学者になりたいです」

―お2人がキリンの研究者を志したきっかけを教えて下さい。

吉川:私は大学で皮膚の微生物の研究をしていました。これが面白くて、いつか自分の研究で人の役に立つ仕事がしたいなと思うようになり、キリンのインターンに参加したのがきっかけです。研究所で5日間みっちり教えていただいたんですけど、キリンの研究者の皆さんがやりがいを持ち、いきいきと働かれているのが印象的で、熱い気持ちに触れているうちに「あ、絶対にここで働きたい」と思いました。

肌をきれいにするための研究をしたかったので、もちろん化粧品メーカーの会社説明会にも参加しましたが、1番最初に体験したキリンの研究所での経験が印象的で、キリン以外は正直考えていませんでしたね。

辻:いい話!僕は研究者を志したという観点でいうと、ルーツはすごく古くて。小学校のときに父兄のみんなの前で夢を語るときに「世界に通用するまともな学者になりたいです」と言っていたくらいなんです。なぜ“まともな”という枕詞を付けたのかはわかりません(笑)。ただ、そのころから科学というか生物にものすごく興味があり、大学は修士課程まで進み研究をしていました。

ちょうど狂牛病やノロウイルスによる食中毒などが流行っていた頃で、食品の安全性が騒がれていた時期でした。研究者として正しい情報を発信するために、社会に影響力のある食品企業に入ろうと思ったんです。そのなかで、キリンの品質本位な姿勢に共感してここで働きたいなと思いました。

キリンの研究者として「プラズマ乳酸菌」に携わる

―お2人が研究で携わった「プラズマ乳酸菌」とはどんなものでしょうか。

辻:プラズマ乳酸菌は、免疫細胞であるプラズマサイトイド樹状細胞(pDC)に直接働きかけられる世界初の乳酸菌で、健康な人の免疫機能の維持をサポートします。そのメカニズムは、「プラズマ乳酸菌」が「免疫の司令塔」であるpDCに働きかけ、免疫細胞全体を活性化するというものです。これによりカラダの防御システムが機能します。「プラズマ乳酸菌」は2週間以上摂取し続ければ、摂取しない人と比べて免疫が維持されるという科学的エビデンスがあります。

プラズマ乳酸菌と他の乳酸菌との大きな違いは、「なぜ機能するのか」がしっかりわかっていることです。乳酸菌って、DNAや多糖、タンパク質などいろんな物質から構成されていますが、免疫細胞に対して作用する物質がすごくたくさんあるんですよ。でも、データとしては確かに良いと判断できても、それがなぜ良いのか、なぜ機能するのかがわからないものも多いんです。

その中で、プラズマ乳酸菌は「DNAが重要です」と、きっちりわかっている。つまりプラズマ乳酸菌はDNAさえしっかり残っていれば、生きた乳酸菌である必要がないんですよね。殺菌した乳酸菌を食品として使用できるようになると冷蔵保存である必要もなくなり、タブレットやグミなど様々な形態の商品に応用することができるようになるんです。

―お2人がプラズマ乳酸菌研究に関わることになった経緯を教えてください。

吉川:入社当時からKW乳酸菌(※)の基礎研究をしていましたが、去年の4月に組織変更がありKW乳酸菌をやりながらプラズマ乳酸菌にも携わるようになりました。
入社当時からプラズマ乳酸菌はすごく注目されていましたし、私もいつかは携わりたいと目標にしていたので嬉しかったです。

  • KW乳酸菌:目の疲れを感じている方の目の疲労感を軽減することが世界で初めて報告されている乳酸菌。キリンと小岩井乳業の共同研究で発見された。

辻:僕はキリンがプラズマ乳酸菌の研究を開始した2009年から、プラズマ乳酸菌を発見した藤原大介新しいウインドウで開きますさんの元で、プラズマ乳酸菌とは異なる題材で免疫研究をしていたんです。

でも、プラズマ乳酸菌の研究が始まってすぐに異動があり他部署に出ることになり、しばらくは基礎研究ではなく、「生茶デカフェ」で使用されているカフェインクリア製法など清涼飲料の技術開発に携わる仕事をしていました。いずれは基礎研究に戻りたいなとは思っていたので、大きな論文をまとめあげたタイミングで藤原さんに戻れないか相談をし、そのタイミングでプラズマ乳酸菌を任せてもらえるようになりました。

―藤原さんからプラズマ乳酸菌を担当してほしいと話があったときは、辻さんはどんなお気持ちでしたか。

辻:もちろん感情的には、また基礎研究ができることも、また藤原さんと一緒に働けることもすごく嬉しいと思っていたのですが、自分に対してちょっとしたプレッシャーをかけるためにも「自分にはなにができるのか」ということは深く考えましたね。

当時すでにプラズマ乳酸菌はいくつかの論文が発表されていました。そんな中で途中合流することになりました。なので、今までの研究開発の方針を踏襲するだけではなく、自分だからこそできることを真剣に考えて、見つけなきゃいけないなと。

研究者って通常は実際の商品に関わることって殆どないのですが、自分は実際の商品に携わる仕事を経験してきた。だからこそ、この経験を生かして「お客さまの姿を意識した研究」をしたいと思うようになり、商品に携わる仕事の経験をしたことがない他の研究者たちに、その経験をしっかり伝えていくことが自分のミッションだと考えるようになりました。

―辻さんからみて、藤原さんのすごさはどこにあると思いますか。

辻:やっぱり周りから何を言われても意志を強く持ってやり抜いているところはすごいなと思います。
あとは、研究の場からマーケティングに行かれて、ご自身の専門性を広げながら成果を出し続けている姿もすごいですよね。

入社当時は「研究者は研究に専念して、マーケティングのことは考えなくてもいい」みたいなクラシカルな考えがまだあったんです。でも、藤原さんは「研究者だからこそ持っているデータや知識があるんだから、それを活かしてどのように世の中の役に立っていくのかを提案していかないと、事業というのは動かない」とおっしゃっていて、すごく納得しました。これからの研究者のあるべき姿だなと思います。

―お2人は現在はプラズマ乳酸菌について具体的にどんな研究をされているのでしょうか。

吉川:私がやっているのは、新しい商品ができたときに、商品に記載された菌数が規格値以上入っており、ちゃんと機能が担保されたものをお客様に届けるために、商品を作っていく工程で機能が低下するリスクはないか、商品にプラズマ乳酸菌を入れても菌数の保証ができるかなどを調べ、もし課題があれば解決に取り組みます。

また、商品開発サイドから新しい商品をつくりたいと相談があった際にスピーディに対応できるよう基礎データを取得したり、もっとプラズマ乳酸菌を知るための研究もしています。

辻:僕がメインでやっている研究は、商品とは切り離して、プラズマ乳酸菌の価値を新しく見出すことですね。
自分たちの会社だけでできることには限りがあるので、外部の企業や研究機関と協力しながら、さらにあっと驚いてもらえるような価値を見出すための研究を進めています。

具体的には、少し前の話ですがマレーシアのマラヤ大学と共同でプラズマ乳酸菌に関する調査を実施しました。

日本とは違う法規制や宗教に対する考え方があるので、一時期は毎日のようにメールのやり取りをすることはもちろんのこと、しょっちゅうマレーシアへ行って、協力してくれる大学の人たちや、規制当局と交渉するようにしていましたね。

研究はもちろんですが、文化が違うからこその苦労もかなり多くて…。この苦労話は話し出すと止まらないのでまたの機会にでも(笑)。

プラズマ乳酸菌が当たり前の世の中になるために

―研究者のみなさんが日々どのような視点をお持ちなのかが気になります。研究をする上で大切にしていることを教えて下さい。

吉川:まず1番は「責任感」ですね。例えば、自分のちょっとした計算ミスで菌数を間違えてしまう、ということもあり得る状況なので…。日々プレッシャーと戦っています。

本当に重要なときは上司に必ず見てもらいますが、日々の実験結果をまとめて報告するのは私自身の仕事として責任をもって行っていることなので、最低でも3回は自分でチェックするとか、1日寝かして次の日にもう一度見てみるなどミスがないような工夫はしています。

小さなたった1つの数字がその後大問題になる可能性もありますし、扱っている素材(プラズマ乳酸菌など)が良いものだと自信を持っているからこそ、悪い印象を持たせてはいけないなと。

辻:プレッシャーあるよね。たった1つの数字のミスが数年後に大問題になる可能性もあるしね。

吉川:あとは、楽しくやることですね。同僚とああでもないこうでもないと言っている時間も好きですし、つい目の前のことに没頭しがちなので意識的に周りをみて視野を広く持つように心がけています。

辻:僕は、できる限り新しいものに興味を持つようにしています。研究方法もそうですし、プラズマ乳酸菌という素材で何か新しいことができないかなということもあれば、プラズマ乳酸菌という武器の他にもキリンとして何ができるか、世の中は今何に困っているのかなど、免疫にこだわらずに、何か自分が携わることで解決できるものはないかなとかは、常に考えていますね。

最近では、子どもが日々成長している姿を見ているのが楽しくて、もっと子どものことが知りたいと思って、保育士の資格を取ってしまいました(笑)。将来的には、この資格を生かして新しい研究テーマを立ち上げたり、仕事をしたりしたいと考えています。

辻:あとは基本中の基本ですが、研究をする上でデータに忠実でいることですね。結果が予想外であれば、そこに何か考察はできないかなと考えるし、予想通りだったとしたら、なんで予想通りだったのかを考えることを大切にしています。

もうひとつ、最近はオンオフの切り替えをしっかりするようにはしています。頭が整理されていない状態で仕事をしていると、効率も悪いし、いいアイディアも浮かばないのでそういうときは、一度仕事を中断して頭をリセットさせるんです。子どもと遊んでいると無条件ですべてを中断させられるので、ちょうどいいですね(笑)。

―ご自身の研究成果が世の中の人の役に立つことについてどんな想いがありますか?

辻:世の中の役に立つというのよりは、海外含めてプラズマ乳酸菌が当たり前のようにある世界を作りたいなと思っています。普段何気なく皆が使っているこの商品もあの商品も実はプラズマ乳酸菌が入っていて、実はそれによって人々の健康が支えられています、みたいな。そのなかで、キリングループ以外の企業からプラズマ乳酸菌を使いたいという声をいただけるのはすごくうれしいことです。

他部署の仕事を理解し、キリンの研究者としての幅を広げる

―キリンがヘルスサイエンスに注力していく流れの中で、研究者の役割や期待はより大きくなっていると思います。お2人は、キリンの研究者として今後どういう役割を果たしていきたいですか。

辻:やはり海外に向けて力を入れていきたい意識は強いです。
国内に関しても、今の状態で満足しているわけではありませんが、吉川さんをはじめとした研究者たちが様々な商品開発を進めているので、僕自身は海外に向けて何かできることはないかを考えていきたいなと思っています。

そのためには、日本で出した臨床試験のデータだけを持って海外に出ても意味がないので、先程お話したマレーシアの臨床実験の事例のように、海外でもきっちり研究をして、その成果発表を通じて、こんないい素材がある、ということを特にプロフェッショナルの方に知っていただきたいですね。
そして、最終的には日本では当たり前になりつつある「プラズマ乳酸菌が身近にある暮らし」を、海外でも作っていきたいです。

一方で、キリンのヘルスサイエンス事業という観点でいうと、プラズマ乳酸菌の一本足打法というのもあまりよろしくないなと…。どこかのタイミングでヘルスサイエンス事業を支える素材を増やして「実はあれもこれもキリンの素材だったんだよね」という状態をつくることも、キリンの研究者としてのミッションだと思っています。

吉川:私は、今ある商品をさらに広げることが目下の目標です。
さっき辻さんとフリーディスカッションをしていたんですけど、プラズマ乳酸菌を入れたアイスなんかできたらいいななんて考えています。アイスはほんの一例ですが、食品ジャンルが増やすことで消費者がプラズマ乳酸菌を得るための選択肢を広げられるので、まだないジャンルを少しずつ埋めていきたいですね。

辻:なんかね、攻めに転じたいよね。研究者側からの発信で新しい商品につなげていくとか。

吉川:そうですね。あとは、研究者としては、基礎のR&D(※)だけに居座るのではなく視野を広げたいなとも思っています。商品にするまでにいろいろな工程があって、その全体を理解した研究者であるべきだなと。そのためには辻さんのように一度異動して戻ってくるでもいいし、ここにいながらもさまざまな部署と一緒に仕事をしていくのもいいと思うんですけど。R&Dに縛られすぎないような視点で、研究し続けたいです。

  • R&D:研究開発

プラズマ乳酸菌入りの「生茶」と「午後の紅茶」が登場!

プラズマ乳酸菌を配合した「健康な人の免疫機能の維持をサポート」する機能性表示食品「キリン 生茶 ライフプラス 免疫アシスト」「キリン 午後の紅茶 ミルクティープラス」が、発売されました。免疫機能の機能性表示食品として届出公表された日本初の緑茶と紅茶です。

緑茶と紅茶という身近な飲料で、プラズマ乳酸菌をより日常的に取り入れやすくなるのではないでしょうか。

届出表示:本品には、プラズマ乳酸菌(L. lactis strain Plasma)が含まれます。プラズマ乳酸菌はpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています。

食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
本品は国の許可を受けたものではありません。
本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。

文:山城さくら新しいウインドウで開きます
写真:上野裕二新しいウインドウで開きます

このページを共有する

お酒に関する情報の20歳未満の方への転送および共有はご遠慮ください。