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酒・飲料の歴史 日本のビールの歴史 酒・飲料の歴史 日本のビールの歴史

テーマ別解説

日本文学に登場するビール

(3)無頼派に描かれたビール
物資に窮乏していた第二次世界大戦直後の文学では配給の酒や、ヤミの酒がよく登場する。それらを作品に描き、自身もよく飲んだ作家の1人が太宰治である。1947(昭和22)年発表の短編小説『おさん』では、語り手である妻が

「暑かつたでせう?(中略) けさ、お盆の特配で、ビイルが二本配給になつたの。ひやして置きましたけど、お飲みになりますか?」
と、外泊して昼食時に帰宅した夫にビールをすすめている。
この年、新聞連載で大人気だったのが獅子文六『自由学校』である。男女同権時代の風俗をユーモラスに描いた本作では、夫婦喧嘩がもとで家出をしていた主人公が帰宅すると、妻はビールを1本食卓に置いた。

久坂葉子が1952(昭和27)年に発表した『華々しき瞬間』では、主人公の女性はいきつけの喫茶店の女性店主にビールを誘われる。
「お菓子おきらい? ビールお飲みにならない」
「のみましょう」
と、気軽に答えて「ぐっと」飲んだ主人公は、戦前の文学によく描かれた酒類を提供する店の女性ではなく、ラジオ局に勤務している女性であった。「女太宰治」とも呼ばれた久坂葉子自身もラジオ局勤務の経験があった。

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