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商品ブランドの歴史 商品ブランドの歴史

〈番外編〉輸出用ラベル

明治時代、東南アジアや南アジアのビール市場を席巻していたのは、イギリスやドイツ、オランダなどヨーロッパ産のビールでした。「キリンビール」は明治時代からアジアを中心とした海外に輸出されていましたが、1914(大正3)年、第一次世界大戦が勃発すると、ヨーロッパからアジア市場へのビール供給が途絶しました。キリンビールは供給が途絶えた地域に積極的に輸出を行い、インドネシア、タイ、マレーシア、ミャンマー、インド、スリランカなどへビールを出荷しました。

昭和初期になると、地域や代理店ごとにブランド名を変え、「キリン」以外の商標でビールを輸出するようになりました。こういった輸出用ビールの商標は30点ほど確認されています。様々なラベルデザインがありますが、最も多いのが動物や鳥などの生き物が描かれたデザインです。昔からビールのラベルには動物のデザインのものが多く、「キリン」の商標もそれにヒントを得てつくられたものといわれていますが、昭和初期の輸出用ビールラベルにも動物の商標が多数使われています。特にタイやインドネシアなどの東南アジア向けのビールには、動物の商標が多かったようです。
1933年「ELEPHANT BRAND」(ゾウ):バンコク(タイ)向け

1933年「ELEPHANT BRAND」(ゾウ):バンコク(タイ)向け

1933年頃「TJAP DARES」(フクロウ):メナド・スラバヤ・スマラン(インドネシア)向け

1933年頃「TJAP DARES」(フクロウ):メナド・スラバヤ・スマラン(インドネシア)向け

1935年頃「BUTTERFLY BRAND」(チョウ):バンコク(タイ)向け

1935年頃「BUTTERFLY BRAND」(チョウ):バンコク(タイ)向け

1936年頃「RHINOCEROS BRAND」(サイ):ラングーン(現・ヤンゴン、ミャンマー)向け

1936年頃「RHINOCEROS BRAND」(サイ):ラングーン(現・ヤンゴン、ミャンマー)向け

また当時、日本国内のビールのポスターには女性が描かれることが多かったのですが、輸出用ビールではラベルに女性が描かれていました。特にインドやスリランカなどの南アジア向けのビールのラベルには、女性を描いたものが多かったようです。
1933年頃「DOLLY BRAND」:コロンボ(スリランカ)向け

1933年頃「DOLLY BRAND」:コロンボ(スリランカ)向け

1935年「ROSY CHEEK BRAND」:コルカタ(インド)、マドラス(現・チェンナイ、インド)等向け

1935年「ROSY CHEEK BRAND」:コルカタ(インド)、マドラス(現・チェンナイ、インド)等向け

1935年頃「GOLDEN LOCKS」:ボンベイ(現・ムンバイ、インド)向け

1935年頃「GOLDEN LOCKS」:ボンベイ(現・ムンバイ、インド)向け

1937年「FINE LADY BRAND」:マドラス(現:チェンナイ、インド)向け

1937年「FINE LADY BRAND」:マドラス(現:チェンナイ、インド)向け

東南アジア、南アジアは熱帯であるため、「FOR THE TROPICS」(熱帯地域向け)などと書かれたラベルもありました。
1932年「TAP BRAND」:ボルネオ・マカッサル・メナド(インドネシア)等向け

1932年「TAP BRAND」:ボルネオ・マカッサル・メナド(インドネシア)等向け

1933年「SHIP BRAND」:コロンボ(スリランカ)向け

1933年「SHIP BRAND」:コロンボ(スリランカ)向け

1935年「PALM BRAND」:コロンボ(スリランカ)向け

1935年「PALM BRAND」:コロンボ(スリランカ)向け

1935年「PIPE BRAND」:バンコク(タイ)、ボンベイ(現・ムンバイ、インド)、シンガポール向け

1935年「PIPE BRAND」:バンコク(タイ)、ボンベイ(現・ムンバイ、インド)、シンガポール向け

第二次世界大戦後は、全ての輸出ラベルに「キリン」の商標を使うようになったため、その後、これらの商標が使われることはありませんでしたが、様々な柄のラベルは今見ても色彩鮮やかです。

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