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醸造学部

No.73

ビールの源、麦芽
~うまみ、香り、色味、泡~

麦芽って、ビールづくりでどんな役割をしているの? 麦芽と大麦の違いから、麦芽が、ビールに欠かせない理由まで。ビールと麦芽の関係を学ぶ、森本先生の講義です。驚きとワクワクが連鎖する、うまみたっぷりのビアスタディ、お楽しみください!

ビールの源、麦芽~うまみ、香り、色味、泡~

みなさんこんにちは。麦芽を専門に研究している森本といいます。よろしくお願いします。

みなさん、麦芽についてご存知でしょうか。麦芽はビールに欠かせない原料の一つです。
今日は、麦芽がビールに欠かせない理由を、見たり、食べたり、触ったりしながら一緒に学んでいきたいと思います。まずは、麦芽と大麦を見てもらいましょう。

これが大麦です。これが麦芽です。見た目は同じように見えますが、実はちょっと違います。
大麦を発芽させたものが麦芽になります。麦は生き物なので、水分と空気をあげると2日から5日程でニョキニョキっと発芽します。ある程度成長した段階で、乾燥させて根っこを取り除くと、ビールの源、麦芽の完成です。

ビール作りでは、畑で収穫した大麦をそのまま使うのではなく、麦芽にしてから使う。この一手間を加える事で麦の旨味成分をグッと引き立てているんですね。

麦芽がビールに欠かせない理由、それは大きく3つあります。一つは色味です。
今日は代表的な麦芽と、その麦芽で作ったビールをご用意しました。

これを見てください。麦芽の色が濃いとビールの色が濃く、麦芽の色が薄いとビールの色も薄くなります。実はビールの色は、麦芽の色から得られたすべて天然の色なんです。発芽をより進めたほうがより色はつきます。また、乾燥させるときに温度を高くつけてあげると、麦芽の色も濃くなります。

二つ目はうまみと香りです。実際に麦芽を食べてみましょう。
これは、ラガービールに使われるピルスナーモルトです。これは、黒ビールなどに使われるカラメルモルトです。
どうですか? それぞれビスケットのような風味や、コーヒーのような香ばしい香りを感じませんか? これらの個性的な麦芽と、ホップや酵母、水が合わさることで、うまみや香りの幅のある多種多様なビールが出来上がるのです。

最後の一つは泡です。
ビールの泡は、麦芽のタンパク質とホップの成分によってできています。良質な麦芽が、きめ細やかでクリーミーな泡を実現しているんです。麦芽はビールのうまみや香り。そして色味や泡にまで深く関わり、ビール全体のバランスを整える、そんな役割を担うのが麦芽だと私は思います。

実際、良質な麦芽を作るのはすごく大変なことです。今日みなさんに体験していただいたみたいに、色を見たり食べたりするのはもちろん、香りを嗅いだり感触を確かめたり、五感を最大限に活かして麦と向き合うことが、良質な麦芽を、美味しいビールを作るコツだと思っています。

麦芽が、ビールに欠かせない原料―ビールの源だということを少しは感じていただけたでしょうか。今日の講義はこれでおしまいです。どうもありがとうございました。

森本宗徳

森本宗徳(もりもと・むねのり)

キリンホールディングス株式会社 R&D本部 酒類技術研究所 アソシエイト

岡山県生まれ。名古屋大学生命農学研究科修了。2003年にキリンビールに入社。2008年まで福岡工場の製麦工場で国産麦芽の製造に従事。その後、2011年までオーストラリアにて製麦事業に携わる。現職では、大麦や麦芽の素材の良さを引き出した、「キリン 澄みきり」「グランドキリン ビタースウィート」「In the Dark(インザダーク)」などの商品開発にも携わる。

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