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ビールの歴史

ハンムラビ法典は
世界最古のビールの法律

紀元前1800年代後半、古バビロニア王国の第6大王ハンムラビが制定したハンムラビ法典は、「目には目を、歯には歯を」の条文で名高いが、ビールにまつわる条文もいくつか記されている。人々の生きる糧であったビールは、時に通貨と同等の役割を果たし、俸給外の手当としてビールが支払われることもあった。ちなみにハンムラビ法典が制定された時代では、労働者が一日に約2リットル、役人なら約3リットル、僧侶の場合は約5リットルが与えられたという。

▲ハンムラビ法典が
 刻まれた石碑

*以下の物語はフィクションであり、登場する人物および団体は、すべて架空のものである。

「おい、あれを見ろよ」
マルドゥク神殿のまわりに人が集まっている。チグリス河川の灌漑工事に従事するエシェフも、一日の労働を終えた重い足取りで群衆に混ざった。そこには黒く巨大な石柱がひとつ。表面には楔形文字がびっしりと刻み込まれていた。
「ハンムラビ法典だ」
「店で質の悪いビールを売ったら溺死刑というのは本当かい」
野次馬の声が後を絶たない。彼らはほとんど字が読めないが、風評その他で、だいたいの情報はすでに仕入れていた。ビールの条例なら、エシェフも小耳にはさんでいた。それは確かこんな内容だった。

  • 酒場の女主人がビールの販売価格をごまかしたら溺死刑
  • もし反逆者が酒場に集まっていたら、酒場の女主人は彼らをとらえて王宮に連行しないと死刑
  • 女性の聖職者が酒場を開いたり、ビールを飲むために酒場に入ったら火あぶり刑

「まったく大袈裟なこった」
額面どおりに受け取ってはいけない。エシェフはそう思った。そう思ったら途端に、居酒屋へ行きたくなった。配給で受け取ったビールより、店のビールの方が美味いに決まっている。エシェルは重々しいマルドゥク神殿に背を向け、足取りも軽やかに酒場が軒を連ねる地区へと向かっていった。

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