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史学部

No.45

古代エジプトでは、ビールは神様への捧げものであった

古代エジプトビールの研究には、当時の文化を知ることも重要な課題だった。ビールがどのような文化的役割を果たしていたのか、さまざまな資料から調べた結果、当時のビールは神様や死者への供え物としても重要であったことがわかった。

古代エジプトビールの研究をするにあたって、当時の文化を知ることも重要だった。さまざまな資料から、ビールは神様や死者への供え物として、重要な存在であったことがわかる。壁画やレリーフに描かれたものだけでなく、ビールづくりをモデルとした模型も多く出土している。薬としても使われ、古代エジプト人にとってビールはとても身近なものであったと考えられる。

■「hkt」はビールを表す言葉
古代エジプトでビールは「hkt(「ヘネケト」「ヘケト」)」と書かれ、神や死者への供物リストに度々登場している。当時「食べ物」を表す文字は、ビールとパンの文字を組み合わせたものだった。

■供物リストにあるビール
ギザにある第5王朝セシェムネフェル3世の墓には、墓主のための供物リストが記されている。このリストにはビールが2種類含まれている。

■ビールの神様は女神
ビールの女神とされているハトホルの祭りでは、「大量のビールが集まった巡礼者達に配られ、皆は頻繁に酔っていた」という記述がある。

■ビールをつくる女性像
壁画、レリーフのビールをつくる場面には、必ずざるを使って濾す場面が描かれている。
古王国時代、アル・ギーザ
メルスアンクの墓出土
カイロ、エジプト博物館
(写真提供:早稲田大学エジプト学研究所 広報部)

■ビール製造所の模型
墓から出土するビール製造所の模型は、主に来世の食糧を死者に提供する意味があった。
中王国時代、テーベ
メケトラーの墓出土

■薬として活躍したビール
紀元前1900年頃に書かれた『エーベルスのパピルス文書』には、800種以上の薬品の処方と病魔退散の呪文等を見ることができる。この中でビールは薬の材料としても使われている。甘いビールに脂肪の多い肉、ブドウ酒、セロリ、干しブドウ、イチジクを入れて煮て濾したものが食欲増進剤として使われた。またガチョウの脂肪、イチジク、ハチミツ、クミンシード、コリアンダー等を混ぜて鎮痛剤、胃腸薬、咳止め薬、肝臓の薬などが作られた。ビール粕を使った腫れ物のしっぷ薬の処方箋も残っている。

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