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文化学部

No.42

ビールと美食の至福のコラボ
「ペアリング」で脱・定番を目指そう!
まずはリハーサル編

ビールと美食の至福のコラボ 「ペアリング」で脱・定番を目指そう!まずはリハーサル編

枝豆、唐揚げ、ソーセージ

誰もが喜ぶ定番フードもいいけれど

フレーバーに合わせて料理を選ぶ

それこそが「ペアリング」の醍醐味

ビール文化の最先端がここにある!

今回の受講生

アユミさん

20代 女性 漫画家

趣味はイモ掘り。今年の夏は、友達からの軽井沢の美味しいステーキを食べに行こうという誘いも断り、自宅で猛暑をしのぎながら、ひたすら仕事に精進。

たもつさん

30代 男性 公務員

一児の父。某音楽配信サービスのあまりの聴き放題ぶりに、どこか後ろめたさを覚える毎日。趣味は名古屋帰省時の京都日帰り旅行。好きなビールのつまみは餃子。

訪れたのは、今年3月のリニューアル・オープン以来、すっかりお馴染みとなった「SPRING VALLEY BREWERY YOKOHAMA」。このレトロでモダンなビアレストランで、受講生たちを迎えてくださったのが、こちらもお馴染み、キリンビール・セミナー講師の中水和弘さん。まだまだ知られていない、ビールの奥深い魅力を伝えるため、今日も気合たっぷりです。

「おいしい」ってどういうこと?

ビールに合った美味しい料理を食べる。そんな夢のような講義に、「ランチを抜いてきました!」と意気込む受講生のふたり。しかし、グルメを満喫することが「ペアリング」ではありません。まずは前回「テイスティング」のおさらい、そして「ペアリング」に対する心構えをしっかり持ちましょう。

中水「ビールの特徴に、料理をどう合わせていくか。つまり、〈ペアリング〉とは、料理の何がどう〈おいしい〉のかも分かっていないといけないのです」

たもつ「……はい、ゴクリ」

アユミ「……ええ、ペロリ」

中水「ですから、まずは味覚について学びましょう」

たもつ「え?そこから?」

TEST.1

現代人は「基本味」を知覚できるか

中水「人間には味覚を形成する5つの〈基本味〉があります。甘味、塩味、酸味、苦味、そしてうま味。近年、若い人たちを中心に、この基本味を感じ取る能力が低下しているそうですが、おふたりがわかるかどうか、ここでテストをしてみたいと思います」

さっそく用意されたのは、無色透明の液体が入ったプラカップが4個ずつ。赤・青・黄・緑のシールが貼られています。もうおわかりでしょう。それぞれの液体は、飲料水に4つの基本味(うま味は除く)のエキスを注入したもの。アユミさんとたもつさん、まずは赤のカップを手にし、恐る恐る口にします。

たもつ「ム……ムム?」

アユミ「……はい、甘味です」

中水「正解」

たもつ「Hey! 一緒に『せいの』で答えようぜ。ボクも甘味かなって思ったけど、君だけ先に答えたら、ボクが分からなかったみたいじゃないか」

いささか取り乱したたもつさんではありますが、次の青いカップは、アユミさんと一緒に「塩味!」と答えて大正解。

実験:甘味+塩味=すごく甘い!の不思議

中水「では、ここで実験をしてみましょう。赤の甘味を飲んですぐに、青の塩味を飲んでみてください。するとどうですか?」

たもつ「……甘い!」

アユミ「ほんとだ。スイカの塩みたいな感じ」

中水「そうなんです。正反対の味を一緒に口にした時に、どちらか一方が際立つ。これが味覚の〈対比効果〉と呼ばれるものです。甘いスイカに塩をふりかけると、より甘く感じますし、ワインのテイスティングの合間に塩をなめると、口の中がリセットされる。これも〈対比効果〉なのです」

ご家庭で実験する場合は、飲料水の入った小カップに、ひとつまみの砂糖と塩を溶かして、順番に飲んでみてください。驚くほどハッキリと「対比効果」を実感できるでしょう。他にも〈相乗効果〉や〈抑制効果〉など、味覚がもたらす効果は実にさまざまです。

TEST.2

現代人は「基本味」を知覚できるか

残るカップは黄と緑。ここでアユミさん、ちょっと悩みます。いっぽう、たもつさんは、一緒に答えようとみずから提案したにも関わらず、自信をもって「酸味!」と単独回答。いささか大人げないものの、見事正解をゲットしました。

アユミ「ということは、緑が苦味?」

たもつ「一応、飲んでみよう……はい、苦味です」

中水「正解」

たもつ「よし!」

中水「実は、酸味と苦味は、本来、人体に必要のないものなのです。というのも、酸味は腐敗、苦味は毒性があることへのシグナルであり、人間はそれを口にしてはいけないと、本能的に理解しているのです」

たもつ「でも、ビールの苦味ってボクは好きですよ」

中水「それが〈経験〉です。人間は成長しながら、適量であれば、苦味や酸味もおいしいということを、学習していくのです。あと、いつも以上にビールの苦味が心地良い時ってないですか?からだにストレスが溜まっていると、苦味をおいしく感じるそうです。ですので、仕事終わりの一杯って理にかなっていたりするんですよ。とはいえ、過度に求めるのは要注意。そうした健康のバロメーターとしても、酸味や苦味を感じることは、非常に重要なのです」

テストを終えて、味覚の「基本味」がもたらす、さまざまな効果を実感したふたり。どうやら、「ペアリング」の楽しみ方も理解したようです。そう、ビールのフレーバーと料理の味の、新鮮なハーモニーを堪能する。それこそが「ペアリング」の醍醐味なのです。

「ペアリング」とは一番良い相手を見つけること!?

残すところは実践のみ。ランチを抜いたふたりのコンディションも、いよいよ臨戦態勢に入ってきました。

中水「〈ペアリング〉とは、ビールのフレーバーを見極めたうえで、料理を組み合わせていくこと。同様の楽しみ方を、ワインの世界では、“Mariage(マリアージュ:結婚)”と呼んでいますが、そこには、『やってみないとわからない』という、フランスらしいエスプリに満ちた意味が込められているのです。ビールもまた〈ペアリング〉をすることで初めてわかる出会いがあることでしょう」

たもつ「あのう、もう、じゅうぶん理解しましたので、そろそろ、お料理の方を……」

中水「さあ、いよいよ〈ペアリング〉の実践に移ります。では、次回をお楽しみに」

アユミ「……やっぱり」

TODAY'S NOTE

アユミさんノート

たもつさんノート

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