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KIRIN News Release

当社水産飼料事業部における不適切な取引について(第二報)


 5月26日に公表いたしましたメルシャン株式会社(取締役社長:植木宏、本社:東京都中央区。以下、当社)水産飼料事業部が一部の取引先との間で行なっていた不適切な取引について、現時点での調査状況をご報告いたします。


 現在当社では、5月21日に設置した社内調査委員会(委員長:取締役社長 植木宏)による社内および取引先関係者への事情聴取をはじめ在庫の実地棚卸、伝票・出庫記録等の確認・突合、関係書類・電子データの分析など様々な方法で、鋭意調査を実施しております。
 調査の中で、不適切な取引が複数年にわたって行われ、事情聴取を実施すべき関係者が社内・社外に多数存在し、確認を要する伝票・出庫記録等の書類も膨大であることが判明しており、事実関係や財務諸表等への影響額等を解明するためには、引続き相当期間調査が必要であると判断しております。
これまでの社内調査により判明している事実は以下のとおりです。

1.損益に与える影響額
 これまでの社内調査により、水産飼料事業部における不適切な取引に起因する損益に与える影響額を見積もったところ、複数年で約65億円の損失が見込まれることが判明いたしました。
飼料等の製商品・原材料の帳簿残高と実地棚卸高の差額 約40億円
複数の飼料販売先に対する架空販売によるものと考えられる売掛金 約17億円
認識していなかった潜在債務※ 約 8億円
   損失額合計 約65億円
平成22年5月末時点
※ 本件取引の中で、当社が買い戻さなければならない可能性がある潜在債務。

 上記の他に固定資産の減損会計適用の見直しにより約4億円の損失が見込まれます。

 確定的な損失額および年度別の損失額については今後の調査により詳らかにする予定ですが、現時点において判明している事実関係を元に投資家他関係各位にご認識いただく損失として見積もったものです。

2.不適切な取引の手法
  不適切な取引の規模、回数等、全容については鋭意調査中です。現時点までに判明している主な不適切な取引の手法は、以下の通りです。
  @当社は、飼料販売先である養殖業者(A社)に架空の売上を立てる一方、製造委託会社(B社)に架空の飼料製造を委託し、製造費用を支払う。
  A製造委託会社(B社)は、養殖業者(A社)より、養殖した生魚を架空に購入したこととして、購入費用を支払う。
  B養殖業者(A社)は、「A」の資金で、当社への売掛金を支払う。
 また、社内監査での実地棚卸の直前に、架空製造等により発生した在庫の不足を隠蔽するため、偽の在庫を用意していたことも判明しております。

3.不適切な取引の社内関与者
 前記2に記載した不適切な取引において、水産飼料営業部長(当時)らが中心的役割を果たし、架空製造については水産飼料製造部長(当時)も関与を認めています。また、水産飼料事業部長(当時)らについても架空製造および架空販売について認識していたことを認めています。

     関与を認めた4名については現在自宅待機を命じるとともに、社内調査委員会において、全容解明に向け上記4名を含む関係者の事情聴取を継続しております。
 関与者については全容解明後厳正な処分を行います。

4.財務諸表への影響
 本件取引により財務諸表等への影響があること、また影響が過去複数年にわたることは判明していますが、具体的な期間と各年度への影響額は解明中で、判明次第速やかにご報告します。

5.今後のスケジュール
 社内調査委員会の調査を鋭意継続し、事実関係の詳細が明らかになった段階で速やかにご報告します。
 また、当社の業務執行を行う経営陣から独立した立場で、株主、取引先、従業員等のステークホルダー全体の利益を図る観点から、社内調査委員会による事実関係の調査結果の検証等を目的とする第三者調査委員会(委員長:赤松幸夫弁護士)の発足を本日決定したことを併せてご報告します。他の委員についても確定され次第、公表いたします。また、第三者調査委員会の調査結果は、調査が終了した時点で公表いたします。



以 上
2010年6月11日(リリースNO.10025)
 
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