ビールの歴史
エンマーコムギ栽培日誌(1)
温室で増種

2001年に始まった古代エジプト再現ビールプロジェクトでは、オリジナルに近い品種のデュラム小麦を使用していた。しかしオリジナルを忠実に再現するには、原料のひとつエンマーコムギを手に入れなければならない。キリンビールでは国内の研究施設からいただいた、わずか21種各5粒のエンマーコムギを栽培、2年半かけてビール作りが可能な量の生産を実現した!
2001年11月 栽培開始

京都大学から譲り受けたエンマーコムギ。その数はわずか5粒。
古代エジプトビール再現のために、この5粒を大切に育てていく。
2002年4月 温室栽培

畑で栽培する前に、まず貴重な種を増やす。
場所はキリンビール植物開発研究所の麦専用温室。
温度や湿度、日照時間を調整して苗が枯れないよう気を配る。
年2回栽培をおこなうこととなる。
2002年5月 最初の収穫

初めての収穫量は約400粒。
最初5粒だったから、実に80倍。温室はエジプトやエチオペアの気候を完全再現することはできなかったが、地中海性気候に近い間奏した条件、貧肥沃の土壌で育てたのが見事に吉と出た。
2002年6月 2回目の温室栽培


温室で収穫した種を、再度温室内で栽培。今回の目的も種を増やすこと。
エンマーコムギは株分かれが少なくひと粒からの増殖も少ない。
穂長が長く成熟期も遅い。現在の品種と比較すると、栽培はとても難しい。
現在の小麦の収穫量は長年の苦労から生まれたことを実感。
結果約350グラム収穫し、この種をこんどは畑で栽培することに。