ビールの歴史
質素だった聖職者の食卓も、
14世紀半ばになると裕福な
人々と変わらない内容になった

祈りを軸として瞑想や労働を行う修道院の食事は、元来は肉食が遠ざけられ、魚や卵、野菜が中心の質素なもの。年200日の断食期間は1日1食だったという。ところが14世紀半ば近くになると、肉類だけでなく、ビールやワインも豊かに支給されるようになる。なんと1日6000キロカロリーに及ぶことさえあった!
カトリックのキリスト教聖職者には、修道院で共同生活をしながら祈りと修業に明け暮れる修道士と、町や村の教会で一般信徒に宗教的サービスを行う司教などの人々がいる。中でも修道士は、ベネディクトス会則のような独特の修道院運営規則に従って、1日7回の祈りを軸として、瞑想や労働を行っていた。

修道院の食事は、元来は、肉食が遠ざけられ、魚や卵、野菜が中心という質素なもの。加えて年200日にも及ぶ断食期間には、1日1食しか取ることができなかった。しかし、14世紀半ば近くになると、彼らの食生活は世俗の裕福な人々とあまり変わらなくなってくる。肉食日(1335年に年150日と定められた)には、肉類がたくさん食されるようになり、ビールやワインも豊かに支給されて、その摂取が1日6000キロカロリーにも及ぶ例さえあったのだ。
元来は北方のゲルマン人の生活や宗教に結びついた飲料だったビールですが、キリスト教の普及とともに、ワインと並んで聖職者の生活にも取り入られていうようになっていく。