ビールの歴史
中世グルートビールに使われていた
ハーブは、
その土地で簡単に
手に入るものだった

文献によると、グルートビールに使われていたハーブは、その土地で比較的容易に手に入るものだったらしい。各地域で独自に配合され、ビールに特別な味わいや香りを加えたというハーブ。文献資料に特に頻繁に登場するハーブは、日本ではあまり馴染みのない植物だった。
グルートビールに使用されていた麦芽は、ほぼ解明したが、グルートビールに使用されたハーブに関しては、品質規定書にも記載がなかった。
その土地で比較的容易に手に入るハーブが使用されていたということ、各地域で独自の配合法が行われ、ビールに特別な味わいや香りを加えていたことは、文献の調査からわかったものの、具体的なハーブの種類やその配合法を記録した文書は全く見つからなかったのだ。
そこで当時の食生活について書かれた書物など文献資料を調べ、グルートビールに使用されていたとされるハーブのうち、複数の文献に名前が記載されているヤチヤナギを選んだ。さらに、ヤチヤナギ以外のハーブを決めるために、ヨーロッパに古くから自生するハーブ、36種類を選定。この36種類の中から、ヤチヤナギに合う5種類を選定し、ヤチヤナギとあわせた6種類を用いてグルートビールの復元を行った。

ちなみに、グルートを構成する幾つものハーブはその種類が分からないよう粗く粉砕されていたという。そのためグルートは、醸造用語ではGrobschrot(粗いもの)と呼ばれていた。グルートビールのグルートという単語は、このGrob(粗い)という言葉に由来しているという説もある。