ビールと器
【人間国宝】井上萬二
研ぎ澄まされた造形と
やわらかな風情の両立

日本
【人間国宝】
井上萬二
“ 白磁緑釉牡丹彫文麦酒呑 ”
1996
「形そのものが文様」とされる白磁は、加飾に頼らず、造形だけですべてを表現するシンプルで端正な美しさが大きな魅力です。12代酒井田柿右衛門、奥川忠右衛門といった名工に師事した井上萬二(1929-)は、当代随一の白磁の名手と称されています。その卓越したろくろ技術に裏打ちされた、一点のゆがみもない完璧なフォルム、そして凛とした風格は、まさに白磁の神髄といえるでしょう。