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テーマ別解説

ビールを飲む器とビールの容器

(7)主流はびんから缶へ、多様化する容器と飲み方
缶ビールは1935(昭和10)年にアメリカで販売が開始された。初めは「容器のにおいがつく」、「サビが発生しやすい」などの問題があったが、改良によって問題を解決し、第二次世界大戦後に広く普及した。

日本のビール会社が初めて缶ビールを発売したのは、第二次世界大戦後の1958(昭和33)年である。当時は「缶詰ビール」と呼ばれ、飲むときはスチールの缶に専用の缶切りで二つ穴を開けた。値段は350ml入り75円で、びんに比べると割高だったが、携帯に便利なため、旅行やアウトドアでのレジャーなどに利用された。

1980年代前半、ビール各社はさまざまな容器に入ったビールを発売し、マスコミで「容器戦争」として取り上げられるようになった。1984(昭和59)年には、店頭で購入できるビールの種類は100種類以上にのぼり、人々はファッション感覚で多様な容器を楽しんだ。

容器戦争の後、びんビールから缶ビールへの移行が進み、1980年代前半に一桁台だった缶ビールの比率(%)は、1995(平成7)年にはびんを逆転し、現在では70%以上にまでなっている。また、缶ビール比率の増加に伴い、缶から直接ビールを飲む人が増えた。

キリンビールが行った「自宅での『缶ビール』の飲み方」調査によると、30代の男性で缶から直接飲む人の割合は1994(平成6)年には40%だったが、2006(平成18)年には53.3%に増加している。

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