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醸造学部

No.115

学びから体験へ、ビールの奥深き世界へようこそ

クラフトビールが「とりあえずビール」をかえる!

見学ツアーやビールづくり体験、スプリングバレーブルワリーなど、観光スポットとしても人気を誇るキリンビール横浜工場、通称「横浜キャンパス」。そこで長年にわたって支持を集めているのが毎週末に開催されるビールセミナーです。今回はそんなビールセミナーの講師おふたりをお招きして、これまでの活動を振り返るとともに、新たな展望も語ってもらいました。

PROFILE KIRINビールセミナー講師
草野裕美(左)&後藤沙耶香(右)

キリンアンドコミュニケーションズ株式会社 ブルワリーツアー事業部 ビールセミナー講師。キリンビール横浜工場をメインに開催される「キリンビールセミナー」で、講師として様々な視点から「ビールの楽しみ方・魅力」を伝えている。

PROFILE 小田井孝夫(40代)

普通のビール大好きライター。今回の進行役。クラフトビール人気の流れに乗り切れていないことを焦り始める日々。

PROFILE 町田佳路(30代)

働き盛りのテック系編集者。ビールセミナーの複数受講歴を持つかなりのビール通。今回、驚きのカミングアウトあり。

PROFILE maki(20代)

ビールといえばクラフトビールが当たり前な新世代イラストレーター。過去に横浜開港祭親善大使を務めたこともある生粋のハマっ子。

小田井
まずはビールセミナーの活動内容について教えて下さい。
草野
ただビールを飲んで「おいしい」で終わるのではなく、「どうおいしいのか」「なぜおいしいのか」といったことを、さなまざまな角度から学び、体感していただく。それをセミナー形式でカリキュラムを組んで、みなさんにお伝えしています。
後藤
カリキュラムは基本的に土曜日曜の14時から2時間。有料というカタチではありますが、以下の9つの講座をローテーションでおこなっています。 ビールセミナーのカリキュラム
・「世界のビール アジア編」
・「ビールでおもてなし!」
・「ビールのつくり方実感講座(基礎編)」
・「器で変わるビールの味わい」
・「世界のビール」
・「ビールの味わい実感講座」
・「ビールと料理の相性実感講座」
・「キリンの考える クラフトビールの楽しさ実感講座」
・「ビールとスイーツの相性実感講座」

「おいしい」の先に広がる魅力を伝えたい

小田井
makiさんはどれか気になる講座はありますか?
maki
うーん、「器で変わるビールの味わい」かな。
町田
この講座は僕も以前に参加しました。素晴らしかったですね。
後藤
ありがとうございます。「器で変わるビールの味わい」講座は、2018年度の満足度第1位を獲得した人気の講座でして、ガラス、陶器、磁器、金属といった材質やカタチの違いでビールの味わいがどう変わるか、いかにビールにとって「器」選びが重要かということを体感してもらう講座です。


小田井
確かに外でビールを飲んでいても、器の良し悪しで、そのお店の評価が大きく変わったりしますよね。
草野
それともうひとつ。この講座の人気の秘密は、私たちがビールを飲むのに最適と考える選りすぐりの「器」を、みなさんにプレゼントしていることなんです。
後藤
クラフトビールを飲むにはバッチリの器かと思います。
maki
「世界のビール」も楽しそうですね。いろんなビールが飲めそう(笑)。
小田井
本当に世界のビールが飲めるのですか?


※世界のビール
草野
もちろん。ここでお出しするビールはほとんど実際に私が現地に行って選んだもので、そのときの体験談などもご好評をいただいています。
町田
かなりディープな講義でしたね。世界のビール、堪能しました。
小田井
え、この講座も受けたの? 相当なリピーターだねえ。
草野
ありがとうございます。ただビールセミナーは「初めての方でも気後れしないで楽しめる」というのを基本コンセプトとしていますので、マニアックな方の期待に応えつつも、決してそこに比重を置くようなことはしないよう心がけています。
小田井
でしょうね(笑)。
草野
なので近年は、デート感覚で来られる若いカップルや、お年を召したご夫婦など、本当にバラエティに富んだ方々が受講されています。
maki
私のような20代の女性がひとりで参加することも可能ですか。
草野
大歓迎です! むしろ近年もっとも顕著なのが、makiさんのような女性がひとりで受講されるケースが増えていることです。男女の比率でいっても、かつては町田さんのような男性が圧倒的だったのですが、今では女性が追い抜いて、比率で言うと女性が6:男性が4ほどになっています。
小田井
講義の内容も時代とともに変化しているのですか。
草野
変わりましたね。最初はいかにも「学びの場」的な真面目な雰囲気でしたが、それだけだと、どうしても若年層の方にまで訴求しないところがありまして。次第に受講者の方と一緒になって体験し楽しむという、現在のアプローチに変わっていきました。
町田
ビールセミナー自体が、コミュニケーションの場として成立した感じはありますよね。ただビールを飲んで学ぶだけではなく、飲んで学びながらビール好きの仲間と語り合うみたいな。

自分に合ったビール探しが叶う場所

小田井
後藤さんが考えるビールセミナーの素晴らしさとは、どういったところにあるとお考えですか。
後藤
私は自分の好みを知ってもらうのにセミナーを使ってもらいたいなと思っています。
小田井
なるほど。いろいろ学ぶことで、自分のビールの好みを明確にすると。
後藤
たとえば「ビールの味わい実感講座」などはテイスティングもありますし、そこで自分の好みを理解することで、今後、お店でも自分のリクエストをはっきり伝えることができるでしょう。ビールセミナーで得た体験を、生活の中に浸透させるというか、馴染ませていってもらえたらなと思います。


※ビールの味わい実感講座
小田井
makiさんは自分の好みを把握している?
maki
ちょっと自信ないなあ。ヴァイツェンとかペールエールとか言われても、それがどういう味なのか、はっきりとは理解していないかも。でもそれを知ってオーダーできるようになったらカッコいいなとは思います。
草野
ちょっとmakiさんにお聞きしたいのですが、いまの若い女性の方って、女子会とか開いたりするときにビールって飲まれますか?
maki
普通に飲みますよ。むしろ若い頃より、今のほうがビールを飲む回数が増えました。
草野
それは素晴らしい!
maki
一時期、レモンとビールを混ぜたクラフトビールをよく飲んでいたのですが、その時期が過ぎると、今度は居酒屋の普通の生ビールがおいしく感じたりして、それをきっかけにビール本来をよく飲むようになりましたね。
小田井
ビール本来とは、いわゆるラガーとか一番搾りみたいなビールってこと?
maki
そうです。
草野
なるほど。クラフトビールが先で、そこから普通のビールを飲むようになったと。
maki
はい。
草野
実は今、そういう若い方が多いんですよ。我々からしたら原点回帰ということなのでしょうが、若い方からすると、普通のビールの方が逆に新鮮だったりするみたいなんです。
maki
あとはインスタとかで瓶がかわいいと飲みたくなりますよね。
小田井
いわゆる「映え」するビールですね。
草野
若い人たちが飲むクラフトビールを私が飲むと、「味」という点ではまだまだと感じるものもあります。でも若い人の価値っておそらく味だけではないのかもしれません、ビジュアルとかストーリー性とか、そういうものがすごく大きいんだなと最近は強く感じます。
町田
そうですね。「こんなの俺らが知っているビールじゃない!」なんて頑なな態度では、今の時代、ビールはつくれませんよね。


小田井
町田くんのようなマニア系としては、やや肩身が狭い時代になってきたのかな。
町田
でも僕みたいに自分でビールをつくろうとしたとき、やはりビールセミナーはありがたい場所でしたね。日本には手軽にビールづくりを学べる場所がないんですよ。その点、ビールセミナーは初心者をターゲットにしながら、真剣に学ぼうとしている人にとっても充分、勉強になりますから。
草野
……え? 町田さんってビールをつくっているんですか?
町田
ええ。実は僕、編集者兼ブリュワーなんす。

一同   ええーっ!



町田
去年の5月には酒類販売免許も取りました。

一同   ええーっ!



草野
酒類販売免許取ったんですか!? それはすごい!
町田
実は僕、編集者兼ブリュワー兼、居酒屋のオーナーなんすよ。
草野
……町田さんは、いったいどこを目指しているの?
町田
それが自分でもわからないんすよ。どこ目指してんでしょうね。

一同   …(知らねえ)…。



ビールの地殻変動に対応する新たな試み

後藤
町田さんが経営されているお店は、どういった感じのところなのですか?
町田
店というよりはスペースに近いかな。地域活性みたいな流れから、商店街が持っている地域交流施設のスペースをお借りして、夜は自分のつくったビールをお客さんに飲んでもらっているんです。もちろんタップマルシェも置いています。
タップマルシェとはキリンビールが飲食店向けに展開するクラフトビール専用のサーバー。 キリンのクラフトビールだけではなく、日本全国のクラフトビールを取り扱い、企業の枠を超えて自由に銘柄を選ぶことができます。


草野
あ、ありがとうございます。
町田
やはりビールも街も、ベースとなるのは「人」ですから。僕がつくったビールで、人と人が元気につながっていけばいいなとは思っているんですけどね。
草野
実はビールセミナーも、今後新しいコンセプトの講義を立ち上げようと計画中でして。そのテーマの1つに、「地域とビールのつながり」もあります。
小田井
新しいコンセプトとは?
草野
現行の講座とは切り離して、受講者を20〜30代の若い人にターゲットを特化しようと考えています。人数も今より少なめに絞って、これからの未来、私たちが本当に飲みたいのはどんなビールなのかといったことを、若い人たちと一緒に考えることができたらと思っています。


小田井
「学びの場」というより、より親密な「コミュニティ」づくりを目指すといった感じですか。
草野
そうですね。私たちとしてはサロンのような空間をイメージしているのですが。


小田井
なるほど。それはかなり実験的な試みですが、そのテーマがなぜ「地域とビールのつながり」なのでしょうか?
草野
町田さんもそうですが、ここ最近、地域活性のためにビールづくりをしたり、そのビールを飲むために遠方から人々が集まったりといった動きが、各地で活発になってきています。その動きを主導しているのが若い人も多く、私たちとしては、そうした新しい潮流を生み出している若い人たちの感性に、少しでも触れてみたいという狙いがあります。
小田井
お話をうかがっていると、今、日本のビールは、歴史の大きな変わり目にいるような気がしてなりません。トレンドの変化もめまぐるしいですね。
草野
「キリンの考える クラフトビールの楽しさ実感講座」でも、昔と今とではかなり内容に違いがあります。町田さんも、もういちど受講された方がいいかもしれませんよ(笑)。
町田
今はどういうビールが流行っているのですか。
草野
今は酸っぱいビールもとても人気です。もともとはベルギーや、ドイツで造られていたものをアメリカの人たちがうまく取り入れて、アレンジしたものが人気となっています。あとは「HAZY」と呼ばれる濁り系のビールも人気としては定着したと思います。
maki
おいしそう!
草野
あとこれはビールの飲み方になるのですが、アメリカでは「グラウラー」という器を使用したビールの持ち帰りがすごく流行っています。様々なタイプのものがあるので、まだどれにするか私も迷っていて持っていないのですが、ステンレス製の優れた機能性のものですと長時間冷たく、炭酸も抜けにくいものなども販売されているようです。
maki
じゃあ、たとえば電車に乗って移動中に、ちょっとビールをひとくちなんてこともできるわけですか。
草野
できるんですよ! 電車を待っている間に缶ビールを片手にというのは少し勇気がいりますが、グラウラーならいいですよね。そんな風に、今はビールだけでなく、ビールの飲み方やビールを飲むシチュエーションも、劇的に変わってきているんです。
小田井
なんか自分が浦島太郎のような気分になってきた(笑)。


草野
ただビールセミナーの講師としては、責任をもって情報をお届けする義務がありますから、トレンドはおさえつつも、スタンダードなビールの良さもお伝えするようにしています。それぞれのビールの良いところを皆さんに感じていただけるように工夫をしています。
小田井
ビールセミナーは「学び」のスタンダードであると。
草野
そうですね。そのうえで新しい試みができたらと思います。
小田井
では最後に、今回のビールセミナー講師おふたりの、もっとも好きなビールをお聞かせください。
草野
どうだなあ……やっぱり、キリンラガービールかな(笑)
後藤
そうですね。やっぱりラガーですかね(笑)。


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