研究員が考える未来

プライバシーを厳重に守るサービスが生まれる

中国では信用スコアが浸透しているが、スコアのせいで航空券や鉄道のチケットを売ってもらえないということが現実に起きている。一方で、個人情報を収集しない検索エンジンの利用者が急増していたり、ネット接続しなくても使える音声アシスタントが開発されたりしている。

より便利なサービスを受けられるメリットと引き換えに個人情報を提供している人は多いが、IT企業の個人情報流出問題などが発生する中、できるかぎり自分の情報を渡したくないと考える人も増えていくだろう。プライバシーを厳重に守ることを価値としたサービスが今後誕生しそうだ。

注目した事象

  1. 中国信用スコアのせいで航空券が買えない

    中国では「信用スコア」が浸透しているが、そこでは法の遵守を促す面がある一方で、政府に批判的な記者は信用が落ちる等、国家による独裁と受け取られている面もある。またこの社会信用システムのせいで航空券や鉄道のチケットを売ってもらえないということが現実に起きている。

  2. 個人情報を収集しない検索エンジン

    プライバシーを一切収集しないことを売りとする検索エンジン、「DuckDuckGo」の利用者が急増している。この検索エンジンには個人を追跡する機能がなく、外部に個人情報が販売されることもない。閲覧するウェブサイトの個人情報保護のランク評価(A〜F)が表示される機能もついている。

  3. ネット接続しなくても使える音声アシスタント

    フランス・パリのベンチャー企業Snipsは、プライバシーの保護を条件にしたサービスを展開している。開発中の音声アシスタントにはAIのソフトが組み込まれていて、機器の中で音声認識といった処理が行われる。データはクラウドには上げず、ネットに接続していなくても使えるため、IT企業にデータを取られることはない。

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