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試合詳細レポート

2005

キリンカップサッカー2005
第3戦 5月27日 日本代表×UAE代表

 5月24日に行なわれたペルー対UAEが0-0のドローに終わったため、日本代表の2年連続優勝はなくなってしまった。しかし、「タイトルはつかめくなったが、UAE戦はとても大切だ。6月3日の最終予選で対戦するバーレーンと似たようなスタイルだし、勝ちにいくサッカーをやりたいと思う」と、ジーコ監督はこの一戦の意味を強調していた。
 ワールドカップアジア1次予選で北朝鮮と同グループだったUAEは、6月の〈決戦〉に向けて格好の相手である。

 メンバーにはペルー戦からいくつかの変更があった。
 右足首痛の癒えた加地亮が右アウトサイドに戻り、25日に合流した小野伸二がダブルボランチの一角に入った。また、練習試合で好調さをアピールした大黒将志が、国際Aマッチ出場5試合目で初のスタメンを射止めた。
 試合の幕開けを告げたのは、その3人だった。開始2分、加地のスローイングをゴール前の大黒が胸で落とし、小野が思い切りのいいシュートを放った。国立競技場を埋めた満員の観衆の声援を受け、ここから日本の攻撃は加速していく。
 4分、素早いリスタートから小野が加地を走らせる。右サイドからのセンタリングに大黒が飛び込むが、目前でDFにクリアされた。6分、DFの背後を突いた大黒へ、小野から一発のロングパスが通る。大黒はスムーズなトラップでゴール前へ詰め寄り、DFのクリアを誘って左CKを獲得した。
 そのCKからもチャンスが拡がる。一度はUAE守備陣に弾き返されたが、こぼれ球を宮本恒靖が支配し、小野を使って右サイドを駆け上がる。鈴木隆行(鹿島アントラーズ)を狙ったクロスが右サイドから供給されたが、わずかに合わなかった。
 18分には直接FKからゴールをうかがう。右サイドのFKを、三都主アレサンドロが左横の小笠原満男へ流す。相手DFの注意が小笠原へ集まったところで、右サイドのスペースへ走り込んだ小野へパスが通った。惜しくもゴールにはつながらなかったが、バーレーン戦へ向けて新しいリスタートを披露した場面だった。
 3月30日のバーレーン戦では、FK、Ckとも日本のパターンをかなり分析されていた。それだけに、興味深いトライと言えることができただろう。その後も日本はCKやFKでこれまでにないパターンを見せ、バリエーションが増えていることをアピールしていた。
 前半の見せ場は26分だ。ペナルティエリア左でパスを受けた小野が、華麗なボールコントロールからループシュートを放った。
 5分後の29分、さらなる決定機が訪れる。左サイドから持ち込んだ三都主が、小笠原とのワンツーでDFラインを突破する。ライナー性のクロスに合わせて、小野がニアサイドに飛び込む。シュートはワクを逸れたが、相手守備陣を多いに慌てさせた場面だった。

 エンドが代わっても、日本の攻勢は続く。
 52分、右サイドからドリブルで持ち込んだ小野が、ゴール正面から左足ミドルを放つ。シュートはGKにかれたが、この一撃でつかんだCKからチャンスが生まれた。
 左CKのキッカー三都主は、ゴール前ではなくファーサイドの田中誠へパスを送った。
そして、田中のクロスを小笠原が右足ボレーで合わせたのである。これもまた、バーレーン戦を意識した新しいパターンだった。
 54分、今度は大黒だ。ニアサイドへ走り込み、加地のクロスに頭でコンタクトした。
 攻撃のさらなる活性化を図るために、ジーコ監督が動く。65分、鈴木に代えて玉田圭司を投入する。
 しかし69分、鋭利な刃物のごときカウンターが、日本守備陣を襲う。ハイダル・アロ・アリがスルーパスに反応して右サイドから抜け出し、正確なシュートを逆サイドネットへ流し込んだのである。坪井慶介の追走はわずかに及ばず、GK川口能活にセーブするタイミングを与えない見事なシュートだった。
 だが、日本はすぐに反撃する。71分、小野が右サイドを突破し、DFの股間を抜いたパスがゴール前の大黒へつながる。ワントラップ後に左足で放ったシュートはDFに当たり、さらに右ポストに嫌われてしまった。大黒は72分にも小野のクロスに反応してヘディングシュートを打ったが、シュートはワクを捕らえられなかった。
 リードを奪ったUAEのディフェンスは、2トップ以外の8人が自陣に引く徹底ぶりだった。ペナルティエリア内はもちろんその周辺にもスペースを見つけることができず、ゴール前ではほんのわずかの時間的余裕もない。  ジーコ監督は72分に坪井を下げて本山雅志を送り込み、4-4-2にシステムを変更する。相手のカウンターにはセンターバックの宮本と田中を含めた3人で対処する攻撃的な布陣だ。
 そして82分、右サイドの小野のクロスから、ゴール前に攻め上がった福西がダイビングヘッドで狙う。GKに弾かれたボールを玉田が押し込もうとするが、DFにかき出されてしまった。
 日本は最後まで攻め続け、後半だけで11本ものシュートを放った。だが、ゴールだけが奪えなかった。

 日本のキリンカップ2連敗は、92年大会以来13ぶりとなる。6月の最終予選を目前にした足踏みは不安を抱かせたが、明るい材料がないわけではない。
「結果は負けてしまいましたけど、ペルー戦よりゲームの入り方は良かった。個人の持ち味も出ていたし、修正するところはして前向きに捕らえたい」という川口の言葉どおり、試合内容は確実に上向いている。「積極的な姿勢を失わなかったし、戦う気持ちの強さも見られた」と、ジーコ監督も評価していた。
 昨年はキリンカップ優勝がアジア制覇への弾みになり、今年はキリンカップ2連敗が最終予選前にチームを引き締めた──バーレーン、北朝鮮との連戦後、サポーターやファンの間でそんな言葉が交わされることを期待したい。

[文: 戸塚啓]

試合データ

■5月27日 国立競技場
日本代表 [0ー1] UAE代表

日本代表選手集合写真 説明イラスト  1) MF 福西崇史
 2) DF 田中誠
 3) FW 鈴木隆行
 4) MF 加地亮
 5) DF 坪井慶介
 6) GK 川口能活
 7) MF 三都主アレサンドロ
 8) MF 小野伸二
 9) MF 小笠原満男
10) FW 大黒将志
11) DF 宮本恒靖
  • 日本代表選手集合写真
  • 説明イラスト
  •  1) MF 福西崇史
     2) DF 田中誠
     3) FW 鈴木隆行
     4) MF 加地亮
     5) DF 坪井慶介
     6) GK 川口能活
     7) MF 三都主アレサンドロ
     8) MF 小野伸二
     9) MF 小笠原満男
    10) FW 大黒将志
    11) DF 宮本恒靖

2005/05/27 @東京・国立競技場
写真提供/(c)Jリーグフォト

<代表監督> ジーコ

<出場選手>

■5月27日/国立競技場
日本代表 (0) 0
UAE代表 (0) 1 <ハイダル・アロ・アリ>
日本    
GK 川口
DF 田中(茶野) 宮本 坪井(本山)
MF 加地 福西(稲本)小野 三都主 小笠原
FW 鈴木(玉田) 大黒
UAE    
GK イスマイル・ラビー
DF モハメド・ハミス オムラン・モハメド アデル・ナシーブ
MF サレハ・アブドラ アリ・アバス ハイダル・アロ・アリ ナワフ・ムバラク
(サウド・ジャシム) ユセフ・アブドルアジズ(レダ・アブドルハディ)
FW ファイサル・ハリル イスマイル・マタル モハメド・オマル サレム・サード

*月日/場所
 国名(前半得点)総得点<得点者>
*メンバー(交代メンバー)

<リーフレット・ポスター>

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