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未来のヒント

スープの達人を訪ねる ~2年間かかさず作り続けたスープ~

キッチンの中で作業する有賀さん

今回ご紹介するのは、毎日2年間かかさずスープを作り続けている有賀薫さんです。画家でもありライターを職業ともするという多才な方。味だけでなく見た目にも美しいスープにはそうした有賀さんの創造的な探究心が背景にあるのかもしれません。それにしても1日も休まずという根気には脱帽します。「このスープを始めてからは旅行もままなりません。」と言っていたのが印象的です。1度始めるとやめられないとご本人は言いますが、その継続性が、メニューの幅を広げ、楽しみとなっているようです。料理が好きということを超えて、今や有賀さんにとっては創造的なご自身の作品にまでなっているように見えます。壁に飾られた、毎日のスープの写真を使ったカレンダーはまさにアートそのものでした。昨年(2013年4月)このスープの写真展を行ったとのことです。

段取りが決め手

かぶとベーコンを揃えて切る

有賀さんに、毎日は大変ではないですかと聞くと「とても簡単、時間はわずかです」と。実際に見せてもらうと、その手際の良さは見事です。そしてもちろん味もしっかりうまみがでて格別の味でした。

金尺を使って大きさの目安を決める

有賀さんの台所ですが、とてもシンプルです。きれいに整っていて、ものも最低限、使いやすくすぐにものが取り出せることのできるコンパクトなキッチンです。気に入った物を長く使うのでしょう。料理も下ごしらえをして一気につくるようです。吊るしてある金尺が目にとまり、聞くと長さをそろえるために使うそうです。野菜を切るときに長さや大きさを揃える事で火の通り方も一定になるそうですが、仕上げにのせる小さなサイの目に切った野菜をつくるためにも使います。美しく仕上げる有賀さんのスープの秘密はこの大きさを揃えるところにもありそうです。

スープの基本

スュエという調理法で野菜を炒める

有賀さんはスープを3つに分類しているといいます。1つ目はスュエというフランス料理の調理法をとりいれ、野菜自身の水分を利用して蒸すように炒めながら味を引き出すもの。煮るだけより素材のうまみがしっかり出るのだと。たまねぎ、きのこ、トマトなど、うまみの強い野菜を使えばそれがだしにもなると言います。

そして2つ目はダシをいれてつくるもの、鶏ガラや、肉や魚のダシをつくっておき、それを加えて煮込むようなものです。みそ汁などもこの分類にはいるとのことです。3つ目がポタージュ、これは野菜を煮込んで、最後につぶして形をなくすもの、こしたりすることでさらに滑らかな口当たりになります。ミキサーを使うのも便利だと。基本はこの3つだけ、あとはそれを応用して水平展開するのだそうです。

  • 1.スュエ方式:炒めながら味を引き出し、野菜の水分で蒸す
  • 2.だし方式:ここでは白みそを使った例
  • 3.ポタージュ方式:にんじんのポタージュ
  • 4.スュエの応用例:具を細かく切り前の例とは別のかたちに。チーズをかけて変化のある味を楽しむ
  • 5.準備:段取りよく行えば短時間で調理は可能。目の前で実演してくれました。
  • 6.完成:カブのスープ(スュエの応用例)

スープは家族のコミュニケーション

取材に伺った有賀さん

この毎日のスープをつくり始めるきっかけをうかがうと、お子さんの寝起きが悪く、おいしいものをつくったら、それにつられて起きるのではないかと考えたとのことだそうです。その作戦は大成功、スープで生活のリズムがかわったと言います。お子さんも、スープの材料に興味をもって、その日の素材について食卓でもちあがったりするとのことでした。スープとは家族とのコミュニケーションのひとつでもあるのかもしれません。

お子様が高校生の頃3年間続けた弁当絵日記

今回の取材で印象的な事は、毎日続けることです。続ける事でその技術が高まっていくのです。さらにメニューの幅も広がっていきます。達人とは、基本をもちながら応用を重ねていくことだと思います。それはまるで武道の達人が基本をおこたらず、しかし常に実践によってその技を磨きあげていく様子に似ているように感じました。

いかがでしょうか。家族の喜ぶ顔を目に浮かべながらスープづくりをしてみてはいかがでしょうか。体も心も温まる、そんなスープの達人のご紹介でした。

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