2017年3月1日
キリン「水源の森活動」

キリンは、おいしい飲みものづくりに欠かせないきよらかな水を守るために「水源の森活動」を行っています。
「水源の森活動」では、キリンの工場の水源地である森を中心に、グループ従業員とその家族、NPOや森林組合の皆さまとともに森を守り、自然や文化を未来につなぐため、森づくりに継続的に取り組んでいます。
「つくる」から「見守る」へ「水源の森活動」のこれから
1999年、横浜工場の水源地、神奈川県丹沢地区の森から始まった「水源の森活動」は、地域で活動するNPOや森林組合の皆さま、キリングループの従業員と家族の方々など、多くの方の手助けにより、今では全国11箇所の「水源の森」を総面積約800haで展開するまでになりました。これまでの活動の参加者は、累計で2万人を超えています。
地域の植生や、その森の課題、状態に配慮しながら活動してきています。最初は伐採した後に何もされていなかった場所や、苗木を植えた狭い間隔でそのまま育った木々など、いろいろな場所で毎年活動を続けてきたことで、明るい森に変わってきたことを実感ています。今後は、順調に育っている森を、地域の皆さまをはじめとするより多くの人と共に見守っていきます。地域の森の恵みを地域の皆さまと分かち合いながら、私たちの「水源の森活動」はこれからも続いていきます。



全国のキリンの森
キリンは、全国11カ所、総面積約800haの「キリン水源の森」で、森づくりを行っています。地元のパートナーといっしょに、地域の植生や、その森の課題、状態に配慮しながら活動しています。

水源の森活動の取り組みの歩み
産業界に先駆けて1999年から取り組んできたキリンの水源の森活動。現在に至るその時々には、様々な出来事や気づき、出会いがありました。
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1999年~
水源の森活動スタート。
3000本の植樹から森づくりが始まる。 -
- 1999年
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1999年は、キリンの森づくり活動が始まった記念すべき年です。緑の募金で知られる公益社団法人 国土緑化推進機構や、地元のボランティアの皆さんとごいっしょに進める計画ではありましたが、当時は、企業がこうした活動を行うことが一般的ではなかったので、お手本もなく、手さぐりで行っていくことばかり。
最初の活動を行ったのは、横浜工場の水源地、神奈川県丹沢地区の森!数年前に伐採したままの場 所に、従業員と地元の方約150名で、ヒノキやブナ、ケヤキを植えました。
植えた木は3,000本あまり。50cmほどの苗木でしたが、大きく成長して森になるところを想像すると夢がありました。順調に見えたすべりだしに安心していたところ、植林した苗木の新芽が、シカに食べられ3,000本がほぼ全滅してしまいました。シカよけに設置していた柵もあったのですが、裂け目からシカが侵入したようでした。結局、新しく植えなおす以外に道はありませんでした。
森づくりをする過程で、シカの害は脅威です。実際に全国各地の森林で、深刻なシカの食害が報告されています。それも生態系のバランスが崩れていることを体験した出来事でした。 - 2000年
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続く2000年には、神戸工場の水源地、兵庫県三田地区で2か所目の活動を行いました。集落近くの里山整備された森に、モミジなど紅葉する木を植えて地域の関心を高めようと、若木を植樹しました。
- 2001年
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2001年に仙台工場、2002年に岡山工場の立地地域の水源地に、それぞれ1,000本の木を植樹しました。
森のそれぞれの立地や、年数、育っている木々の状況によって、植える木が違うということも、だんだんわかってきました。- 仙台工場
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キリン北蔵王水源の森
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活動の様子
- 岡山工場
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活動の様子
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活動の様子
- 2003年・2004年
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2003年に栃木工場、2004年には滋賀工場、取手工場の水源の森で活動を開始。それぞれ1haあまりの場所に、その土地土地に合った木を植えていきました。
手入れされず木々の間隔が狭い森
私たちが活動の対象した森には、それぞれ課題がありました。何年も前に伐採されたままになっていたり、台風で大規模な倒木があったり、松枯れの被害によって、新たな木を植え替えないといけなかったり。日本各地には、いろいろな課題があることも実感してきました。
- 滋賀工場
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琵琶湖水源の森
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活動の様子
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2005年~
水源の森が全国に広がる。
植樹の他、間伐材除去なども手がけるように。 -
- 2005年・2006年
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2005年に名古屋工場、北陸工場、北海道千歳工場、2006年に富士御殿場蒸溜所の水源の森で次々と活動を展開。福岡工場を最後に、すべての工場で活動を一巡させることができました。各拠点の従業員ボランティアを中心に、地元の人たちと力を合わせ、やっと一区切りです。
- 名古屋工場
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キリン木曽川水源の森での活動の様子
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活動の様子
- 北陸工場
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キリン白山・能美水源の森
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活動の様子
- 北海道千歳工場
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キリン千歳水源の森~支笏湖周辺
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活動の様子
- キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所
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キリン富士山麓水源の森
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活動の様子
関連情報
- 福岡工場
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キリン福岡水源の森での活動の様子
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活動の様子
- 2007年
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2007年は、キリンビール100周年記念事業の一環で、これまでの活動を踏まえて各地で長期の森林保全契約を締結。国有林では、企業などがともに森を育て、伐採後の収益を一定の割合で分け合う枠組み、「法人の森林」制度を新たに活用したり、地元行政の条例などに基づいた契約などを締結していきました。
間伐作業の様子
森づくりに必要なのは、植えることだけではありません。日本の森に、必要なのは、むしろ今ある森の整備作業。下草刈りや間伐、枝打ち。地道な作業が未来の健全な森をつくります。このころには従業員にもそうしたことが浸透してきました。
活動に不慣れな最初のころは、地域の団体とのコミュニケーションがかみ合わず、苦労したこともありましたが、地域で協働するネットワークを育んでいくことにつながりました。
そして、少しずつ、活動の主体を工場の担当者に移行していき、各地で自立型の活動を展開するようになりました。
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2010年~
水源の森の生育が本格的に。
10年育った苗木を守るとともに森の環境を整える活動を実施。 -
- ~2011年
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「水の恵みを守る活動」の一環として活動を展開してきたキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所が、平成23年度緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました!
富士山麓は、キリンの広域森林保全活動の東日本の拠点です。
蒸溜所の敷地全体の半分弱が緑地になっていること、また、富士山の裾野の森林のうち約43haを借り受けての森づくりや、NPOと連携して市民への啓発活動を行っていることなどが認められました。-
キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所
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キリン富士山麓の森
森づくりには、長い年月がかかります。
汗して手入れした木を、1年後に見に行っても、あまり変わりばえがなく、成果が見えにくいかもしれません。それでも、地道に手をかけていかないと、すこやかな森は育ちません。
短期では、できない取り組みです。私たちがこの活動を始めたときから、この取り組みは私たちでは限られたことしかできないかもしれないけれど、継続していくことが大切と決めてやってきました。 生きものや、水がゆっくりと育まれる森には、私たちの普段の生活の中では、なかなか体感できない時間の流れがあります。クロエゾマツ
ギフチョウ
アキノキリンソウ
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2014年~
これまでの活動が実り、水源の森は順調に育てられ、森が茂るように。
NPOや地域の人々とともに、森の恵みを分かち合いながら森を見守る活動へ。 -
- 2014年~
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ランドネ誌共催の「水をめぐる森の教室」など各地の活動