[食領域]

3年目を迎えた遠野ホップ畑の生きもの調査。今年は平地のホップ畑を調査しました

  • 環境

2016年09月28日

今年も10月25日から夏に収穫したばかりのホップ「いぶき」を贅沢に使用した「一番搾り とれたてホップ生ビール」が期間限定で発売されます。この商品の原料となるホップは岩手県遠野市で生産されたものです。

2014年、2015年と実施した遠野の山裾に位置するホップ畑の生きもの調査から、ホップ畑と防風林、下草という組み合わせが多様な生きものを育んでいることが明らかとなってきました。
しかし、遠野には、防風林に囲まれていない平地にあるホップ畑も多数存在することから、今年はそれらのホップ畑についても調査を行いました。
調査したのは遠野の観光名所でもある「かっぱ淵」と「伝承園」の間にあり、周辺を水田で囲まれている平地のホップ畑です。

残念ながら、調査時期が下草刈りを行った直後だったこともあってか、山裾のホップ畑に比べると観察できた生きものの数は少ない状況でしたが、それでもホップ畑の中でモノサシトンボやハラビロトンボなどが観察できました。これらは、周辺の水田で育ったものが、休息したり捕食するためにホップ畑を利用しているものと思われます。

  • モノサシトンボ

  • ハラビロトンボ

先日の有識者との対談の中でも、平地の畑の中にある5mを超すホップ畑が、夏の間だけ出現する良く整備された林と同じ役割をしているかもしれない、というお話がありましたが、確かにそのような役割を担っている様子がうかがえました。

畑の周囲の調査も行い、綺麗な小川が流れる「かっぱ淵」周辺の水辺でたくさんの生きものが観察できました。

  • 小川

    小川

  • かっぱ像

    かっぱ像

  • かっぱ淵

    かっぱ淵

中でもチョウ類では、環境省のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されているスジグロチャバネセセリが見つかり、他にもゴイシシジミやツバメシジミなど、多様なチョウ達が観察できました。また、トンボ類ではクロイトトンボやホソミオツネンなどが、バッタ類ではクルマバッタモドキやオンブバッタなどが見つかりました。両生類でも他の調査地では確認されなかったトウキョウダルマガエルなどが確認できています。

  • スジグロチャバネセセリ

  • ゴイシジミ

  • ツバメシジミ

  • クロイトトンボ

  • クルマバッタモドキ

  • トウキョウダルマガエル

来年以降も引き続き、日本の原風景とも言える遠野の里地里山の中でホップ畑が果たしている役割について、調査していく予定です。

関連情報

※所属(内容)は掲載当時のものになります。

価値創造モデル

私たちキリングループは、新しい価値の創造を通じて社会課題を解決し、
「よろこびがつなぐ世界」を目指しています。

価値創造モデルは、キリングループの社会と価値を共創し持続的に成長するための仕組みであり、
持続的に循環することで事業成長と社会への価値提供が増幅していく構造を示しています。
この循環をより発展させ続けることで、お客様の幸せに貢献したいと考えています。