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椀子(マリコ)ヴィンヤードの生態系調査を開始しました

  • 環境

2015年07月27日

  • 椀子(マリコ)ヴィンヤードの生態系調査を開始しました

「はじめにブドウありき。日本でしか造り得ない、最高のワインを求めて」。これが、シャトー・メルシャンのPhilosophyです。こうした想いから、長野県下のブドウ畑候補地を徹底的に調査し、土壌や気候などブドウ栽培の好適地を丹念に絞り込んでいく中で辿り着いた場所。それが長野県上田市丸子。2003年にその地で開園した椀子(マリコ)ヴィンヤードは、かつて大半が遊休農地であったところを元の地形や景観に配慮しながらブドウ農地として造成した自社管理農園です。
自社管理農園だからこそできる試験的な挑戦を推し進め、そこで培った知見や技術を、全国の契約栽培農家の方々に還元していくと同時に、休耕地の活用や、後継者不足などに悩む日本の農業の未来に対して、私たちが「何をすべきか?」「何ができるのか?」を具体的に考え、未来を示してしていく場にもなっています。

2014年、非常に景観が美しいこの地を、農業生態系を専門とする研究者の方々を招聘して生物多様性保全の可能性を試行的に調査したところ、特に周囲の草原や雑木林の環境と相まって、里地里山に特徴的な生きものを保全する効果が十分に期待できると評価されました。
これを受け、2015年5月に本格的な生態系調査を開始しました。

ヴィンヤード周辺部の昆虫や植生を中心とした今回の調査では、まずチョウ類で合計4科17種がみつかりました。最も個体数が多かったのはモンキチョウでしたが、同時にこの幼虫が食べるシロツメクサ、アカツメクサ、クサフジなどのマメ科植物が、ヴィンヤード内や周辺部に多数あることが確認できました。
また、一部の地域ではレッドデータ掲載種になっているウスバシロチョウ(2段目一番左)もみられました。春季のこの時期にだけ見られるチョウで、その幼虫が食べるムラサキケマン(1段目一番左)と合わせて、里山の林縁部などで見られるもので、里山を代表するチョウと植物と言えます。
トンボでは、成虫で越冬するオツンネントンボ、ホソミオツネントンボや、周りの池で孵化したと思わるものなど合計5種が見つかりました。

その他にもキバネツノトンボ(アミメカゲロウ目ツノトンボ科で、トンボではないんです!)(2段目左から2番目)などが見つかっています。キバネツノトンボは多くの地域でレッドデータ掲載種となっていますが、主な生息場所は草原であり、ヴィンヤード内にも生息している可能性が高いと考えられます。

今回の調査では、春季に見られる昆虫は一通り確認でき、またチョウ類の寄主植物から、環境省レッドリスト種を含む種の生息が予測される結果となりました。
夏には、今回の調査を元にして昆虫を中心とした本格的な調査を実施する予定にしています。

※所属(内容)は掲載当時のものになります。

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