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トップメッセージ

キリン株式会社取締役常務執行役員 兼
キリンホールディングス株式会社 常務執行役員
(CSV戦略担当、グループ環境総括責任者)
溝内 良輔

CSVはキリンにとって事業の成長の源

2015年の国連サミットで、2030年までに全世界で官民をあげて取り組む17の「持続可能な開発目標」(SDGs)が採択されました。そこでは、社会課題の解決に取り組むことが、自然環境や社会に貢献するだけではなく、国や企業の持続的成長にもつながるとうたわれています。2017年2月に策定したキリングループのCSVコミットメントも、同じ考え方をベースとして策定したものです。事業を通じた社会課題の解決はキリンの事業の成長の源でもあるわけです。

「環境」は、キリングループの3つのCSV重点課題の1つとして位置づけられています。その中の1つの取り組みに、「原料生産地と事業領域における自然環境を守り、生態系を保全します」というコミットメントがあります。

クラフトビールを通じた日本産ホップの価値化

例えば「日本産ホップ」。ビールの原料の1つであるホップは、国内では殆どが東北地方で栽培されています。キリンは日本産ホップの7割を購入しており、岩手県遠野市でのホップ契約栽培は50年以上の歴史があります。しかし、近年は高齢化などにより、過疎化とともに生産量は大幅に落ち込み、栽培は存続の危機を迎えています。そこで、キリンはこの課題の解決に向け、遠野市とともにホップの価値を最大限に活かした地域活性化の様々な取り組みを行ってきました。防風林で囲まれたホップ畑が里地里山の価値を持ち、生物多様性を守ることを明らかにしたホップ畑の生きもの調査は、このような取り組みの1つです。

一方で、日本でも近年成長の著しいクラフトビールは、ホップの種類や使い方を大きなセールスポイントの1つにしています。独自の繊細なフレーバーを持つ日本産ホップが入手しづらいというクラフトビールメーカーの課題に対して、キリンは自社の日本産ホップを「IBUKI」としてブランド化し、外販を始めることで応えています。原料生産地の課題解決と、クラフトビールの育成、この二つの流れは全国の飲料店で国産のクラフトビールを楽しめる「Tap Marché」の展開で、さらに広がりを見せるはずです。日本産ホップを使用するクラフトビールの成長は、生産者のホップ生産を安定化させるだけではなく、クラフトビールへの関心の高まりを通してその鍵となるホップの新規就農者の確保と里地里山の保全につながります。キリンにとっても、高価格商品であるクラフトビール市場の成長をけん引しそのリーダーとなることで、利益率の改善と売上の伸張につながることが期待できます。

CSVモデル
「キリングループの価値創造モデル」については統合報告書を参照してください。

日本ワインのためのブドウ畑拡大が生態系を豊かにする

日本ワインのためのブドウ畑の拡大でも同様のことがいえます。

国税庁の「国内製造ワインの概況」によると、国内市場における2016年の日本ワインの出荷量は2015年に比べると5.2%増となっており、全体の4.8%を占めるまでに成長しています。メルシャンでも、2027年には2016年比で生産量を倍増させる計画を持っており、日本ワインのためのブドウ畑の開拓が急務となっています。農研機構の先生方を招いてメルシャンの自社管理ブドウ畑マリコ(椀子)ヴィンヤードで行っている生態系調査は、遊休荒廃地をブドウ畑にすることが生態系にどのような影響を与えるかを確認するために行ったものです。その結果、日本ワインのためのブドウ畑が良質な草原の役割を持ち、絶滅危惧種などの多様な生態系を育んでいることが分かりました。これは、遊休荒廃地をブドウ畑に転換しようとしている多くの日本ワインの事業者にとっても有益な知見です。日本ワインの拡大は、遊休荒廃地の活用と地域の活性化という社会課題の解決と同時に、生態系を豊かにすることにもつながるのです。得られた知見は今後広く公開していくとともに、さらに学術的な調査を継続していく予定です。

CSVモデル

CSVがもたらす社会的価値とキリンの価値

水資源や容器包装、地球温暖化についても取り組みを進めています。

水資源では、工場流域やバリューチェーン上流の水リスクの調査を行っています。最初に行った2014年より精度を高めて実施した2017年の調査の結果、紅茶葉の原料生産地の水リスクの高さが確認できたことを受けて、レインフォレスト・アライアンス認証の取得支援に加えて、紅茶農園内の水源地保全活動を開始することにしました。これにより、高地にある紅茶農園が持つ水源涵養機能が向上するとともに、紅茶葉の安定供給が「午後の紅茶」の持続的な成長を支えることを期待しています。容器包装では、軽量化に加えて紙容器へのFSC®認証紙採用を進めており、2020年末までには100%切り替える予定です。森林問題を解決するとともに、紙容器の持続性が担保できます。

地球温暖化では、SBTから承認されたGHG削減目標の達成に向けて、再生可能エネルギーの導入も含めたロードマップを策定しました。さらにトラック運転手不足という課題に対応するために、同業他社との大胆な共同配送に取り組むことで、CO2排出量の削減と安定的な配送体制を実現できました。

いずれの環境の取り組みも、単に「事業活動における環境配慮」といった段階から、社会的価値とキリンの価値の両方に寄与する事業戦略として推進していくステージに入ってきていることを示しています。

キリングループは今後も、お客様とともに幸せな未来をめざして、事業を通じた社会的課題の解決により社会へ貢献するとともに、私たちにとって次の成長の源となるCSVを推進していきます。

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