適量をマイペースで
お酒を正しく飲むことは、健康で楽しい人生をおくることにもつながります。
人生のパートナーとして、自分にとっての適度な量と距離感を知ることが大切です。
節度ある適度な飲酒量は、1日平均純アルコールで約20g程度です。これは、1日の飲酒量に換算すると、ビールなら中びん1本(500ml)、ウイスキーはダブルで1杯(60ml)、日本酒では1合(180ml)になります。ただし、これは男性で「お酒に強い」タイプの場合に限ります。女性や高齢者、お酒の弱い方などは、この量よりもさらに少ない量が適量と言えます。
また、アルコールの処理能力は体重によって異なります。一般に体重60~70kgの人のアルコール処理能力は1時間に純アルコール約5gとされています。
これはビールに換算して中びん約1/4本、ウイスキーな らダブルで約1/4杯。つまりビール1本、 あるいはウイスキーダブル1杯、日本酒1合のアルコール処理には約4時間かかる計算になります。
なお、適量はあくまでも目安であり、厚生労働省では「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を、1日の平均純アルコール摂取量が男性で40g(1,000ml)以上、女性で20g(500ml)以上としています。このような飲酒を続けていると、生活習慣病だけでなく他の健康問題や社会問題のリスクが高くなることがわかっています。
男性 | 女性・高齢者 | |
---|---|---|
ビール(5%) | 500ml | 250ml |
日本酒(15%) | 180ml | 90ml |
焼酎(25%) | 100ml | 50ml |
ワイン(12%) | 200ml | 100ml |
ウイスキー (40%) |
60ml | 30ml |
お酒を楽しむための5つのポイント
空腹時のお酒はやめる
空腹時にお酒を飲むと、胃から小腸へのアルコールの吸収が速く、肝臓を経由して脳へ到達するため、すぐに酔いが回ります。また、アルコールが胃壁などを荒らしてしまうこともあります。
食事と一緒にゆっくりと味わう
お酒には食欲増進効果もあり、食べながら飲むことでアルコールは肝臓にゆっくり吸収され、血中濃度の上昇も抑えられます。チーズなどの脂肪分を飲酒前にとっておくと、アルコールの刺激から胃の粘膜を守るとともにアルコールの吸収を遅らせてくれます。枝豆や豆腐、魚、肉などの高タンパク質は、肝細胞の再生を促進し、アルコール代謝酵素の活性を高めます。ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含んだ料理と一緒に飲むこともオススメです。おいしい食事とお酒のマリアージュを賢く楽しみましょう。
自分のペースを押し付けない、無理強いはしない
お酒は、節度を守ってたしなむことが大切です。お酒に弱い体質や飲めない人への無理強いは絶対にやめましょう。
チェイサーも忘れずに
悪酔いを防ぐために大切なことは、水を十分に補給しながら飲むことです。お酒と水(チェイサー)を交互に飲むことで味覚をリセットできますし、アルコールの胃腸への刺激も緩和できます。血中アルコール濃度の急上昇も抑えられるので、ほろ酔い気分が長く続きます。また、アルコールには利尿作用があるため、脱水症状を起こしやすくなります。水分をたっぷり補給し、アルコールを対外に排出しやすくしましょう。
週に2日は休肝日
週に2日はお酒を休んで、自分の身体をいたわりましょう。


二日酔いにならないために
二日酔いは、アルコールを大量に摂取したため、肝細胞で有害物質アセトアルデヒドが十分に処理されないことと、お酒による胃・腸の障害、脱水などの複合的な要因によって起こる不快な症状です。
二日酔いの予防
二日酔いの予防策は「自分の適量を守る」こと。深夜までの飲酒や、深酒は禁物です。また、空腹で飲むとアルコールがすぐに吸収され、悪酔い、二日酔いの原因となります。 食べながら飲むようにしてください。おつまみはタンパク質やビタミンを 多く含むものを中心に摂りましょう。
飲み過ぎたら?
体内でアルコールが分解されるまでには、時間がかかります。十分な睡眠と水分を取りましょう。アセトアルデヒドの分解に役立つ糖分やビタミンCを含んだ果物などを摂るのもオススメです。
なお二日酔いの解消に「迎え酒」が役立つと思われがちですが、再びアルコール血中濃度を高めることになるので、一時的に不快な症状を忘れられても、あとでさらにひどい不快感に襲われることが多くあるため、絶対にしてはいけません。
出典:(社)アルコール健康医学協会
適正飲酒10箇条
お酒と正しく付き合い、楽しく飲むための「適正飲酒の10か条」です。
- 談笑し 楽しく飲むのが 基本です
- 食べながら 適量範囲で ゆっくりと
- 強い酒 薄めて飲むのが オススメです
- つくろうよ 週に二日は 休肝日
- やめようよ きりなく長い 飲み続け
- 許さない 他人(ひと)への無理強い ・イッキ飲み
- アルコール 薬と一緒は 危険です
- 飲まないで 妊娠中と 授乳期は
- 飲酒後の 運動・入浴 要注意
- 肝臓など 定期検査を 忘れずに
出典:(社)アルコール健康医学協会
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