まず、特定条件で焙煎した大麦のお茶を飲んだときの体温への影響について、ヒトで検証しました。「15℃の冷水に1分間左手を浸して冷やし(冷却負荷)、15分経過した後の、手の表面温度の回復率が60%未満」という条件に当てはまる20歳~40歳の女性48人に、研究内容や方法に関する十分な説明を行ったうえで、サーモグラフィーを用いて摂取試験を行ったのです。
被験者を、「特定の条件で焙煎した大麦でいれたお茶」を飲むグループと、「カラメル色素で着色し、お茶に似せた水(プラセボ飲料)」を飲むグループに無作為に分け、安静時の左手の表面温度をサーモグラフィーで測定しました。その後、それぞれの飲み物を飲んでもらい、冷却負荷を行い、直後、5、10、15、20、30分後の左手の表面温度を測定しました。その結果が、下の画像とグラフです。焙煎大麦のお茶を飲んだグループで、冷却負荷後の体温の回復率が高まることが明らかになりました。
焙煎大麦成分が冷却後の体温回復に及ぼす効果(平均値±標準誤差)。冷却前の手の表面温度を100%、冷却直後の温度を0%として、左手の温度の回復率を算出しました。使用したお茶は、焙煎大麦を10倍量の沸騰水に加え、30分間煮出して抽出し、ろ過したものに加水して、2.5倍に希釈、調整したものです。被験者に250mlずつ飲んでいただきました。*: P<0.05