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ビールの発がんプロセス抑制作用に関する研究

研究・技術開発レポート

がんが発生するプロセスへの影響の観点から研究を行いました。

近年、食物と発がんの関係に関する疫学調査や動物実験によって、私たちが日々食べている食品に、がんを誘発する物質と、がんを抑制する物質が存在していることがわかってきました。キリンホールディングスは、こうした研究動向を踏まえ、5000年以上も飲み続けられているビールの生体に対する機能を、最新の知見や技術に基づいて、プラス・マイナスの両面から科学的に評価・研究しています。ビールや、その原料の発がんプロセスへの影響について国立がんセンターや岡山大学と共同で研究を行いました。

がんの発生プロセスとは?

がんが発生するプロセスには、下の図のように、大きく分けて3つの段階があります。

  • 1. イニシエーション(初期段階)
    正常な細胞のDNAが、何らかの物質(「変異原」と呼びます)によって損傷され、DNA変異を起こした細胞ががん細胞に変化する段階です。いわゆる「突然変異」と呼ばれる現象であり、いくつかの放射性物質、ウィルス、化学物質が変異原として考えられています。
  • 2. プロモーション(促進段階)
    イニシエーション段階で変異が生じた細胞が正常な制御を逸脱して異常に増殖していく段階であり、大腸がん等では前がん病変が形成されます。
  • 3. プログレッション(進行段階)
    プロモーションの段階を過ぎて、がん細胞の周辺に新しい毛細血管ができると、がん細胞は急速に増殖し、大きな腫瘍を形成します。場合によっては、血管を通って身体の他の臓器に転移することもあります。

大腸発がんモデル動物におけるビールの発がん抑制作用を調べる実験

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大腸発がんモデル動物におけるビールの発がん抑制作用を調べる実験

従来の疫学的研究により、アルコールの適量摂取は発がんリスクを低減することが報告されています。そこで、キリンホールディングスでは、ビールの発がんプロセスへの効果を調べるために、モデルラットにビールを摂取させる実験を行いました。

大腸粘膜における前がん病変の形成への影響

生後5週齢のラットにアゾキシメタン(AOM)を投与して、ビールが大腸がんの誘発を抑制する作用を示すかどうかを調べました。ラットにAOMを皮下注射し、5週目に大腸粘膜に生じた前がん病変(*)の数がビールの自由摂取の有無により変化するかを調べました。ビールは一般的なピルスナータイプのビールを用いました。

その結果、ビールの摂取は前がん病変数を抑えることがわかりました。さらに、全期間、すなわちイニシエーション期からビールを摂取していたグループでは、プロモーション期のみの摂取よりも大きな抑制効果が認められました。

  • (*) 前がん病変とは
    発がんのイニシエーションと、プロモーション段階を経て形成される病変。将来悪性化してがん腫瘍になる可能性のある細胞から成る。

大腸の腫瘍形成への影響

AOMを2回投与したラットを42週間飼育し、プログレッション期までの大腸腫瘍の形成について調べました。ビールは実験期間中自由に摂取させています。その結果、ビールの摂取は大腸の腫瘍性病変総数を有意に低下させ、腫瘍の発生を抑制していました。また、途中のプロモーション期での大腸粘膜の前がん病変数についても、ビールの摂取によってその形成が抑えられている傾向が認められました。

学会発表
「ビールのアゾキシメタン誘発ラット大腸発がん抑制作用」日本農芸化学会 2002年3月27日
Inhibitory Effects of Beer and Malt extract on Azoxymethane-Induced Colonic Carcinogenesis in Fischer 344 Rats. 93rd American Association for Cancer Reseasch(米国がん学会) 2002年

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