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[食領域]

2021年 キリンビール事業方針

~大きな環境変化にCSVマインドで適応。正しい戦略との掛け算で成果を最大化~

  • IR

2021年1月6日

キリンビール株式会社

キリンビール株式会社(社長 布施孝之)は、2019-2021年中期経営計画の最終年度として、2021年のスタートを切りました。従業員一人一人が“CSV※1マインド”を持ち、大きな環境変化に適応できる“正しい戦略”を継続することで、「お客様の笑顔」と「企業の成長」を両立させていきます。

  • ※1 CSV: Creating Shared Value(社会と共有できる価値の創造)

1.2020年の振り返り

2020年は酒税改正や、100年に1度といわれる新型コロナウイルスの感染拡大など、大きな環境変化が起きました。当社は、社会やお客様に寄り添い、キリンビールの商品・技術・人材を活用して課題解決に取り組む「CSVマインド」を従業員一人一人が発揮し、「絞りの効いたマーケティング」との掛け算で、市場を上回る成果を実現しました。
ビール類市場の販売数量は、新型コロナウイルスによる業務用市場を中心とした影響で前年比91%程度とみられる中、当社は大びん換算で1億2,941万箱(前年比約95%)と市場を大きく上回る結果となりました。
ビールカテゴリーは、酒税改正による減税で缶商品を中心にお客様の関心が高まりました。特に酒税改正後、当社主力商品の「キリン一番搾り生ビール(以下、一番搾り)」缶商品や、昨年10月に発売し、コロナ禍で高まる「健康志向」と「おいしさ」を両立した「キリン一番搾り 糖質ゼロ※2」が好調に推移し、一番搾りブランドの缶商品は、前年比約1割増と大きく伸長しました。コロナ禍で厳しい環境が続く業務用市場においては、一番搾りブランドをはじめとした生ビールのおいしさをお客様に体感いただけるように提供品質向上の取り組みを進めたほか、愛知県・石川県・富山県・福井県・福岡県・宮崎県の計6県で、小規模飲食店向け新サーバー「TAPPY(タッピー)」のテスト展開などを実施しました。
発泡酒カテゴリーでは、コロナ禍による健康志向の高まりで、「淡麗グリーンラベル」の販売数量が前年比約102%と好調に推移したほか、「淡麗プラチナダブル」は6年連続で前年を上回りました。
新ジャンルカテゴリーは、コロナ禍による生活不安から需要が高まり、低価格であっても「うまい」「品質がいい」「売れている」など、明確な価値を持った商品に支持が集まりました。
「本麒麟」は、新ジャンル商品でありながら、ビールに期待される“力強いコクと飲みごたえ”のある本格的なうまさが評価され、販売数量を前年比約3割増と大きく伸ばしました。新ジャンルカテゴリーは酒税改正後、増税影響での落ち込みがみられ、市場の年間着地は前年比103%程度となりましたが、当社は前年比約105%と市場を上回る成果を残し、新ジャンルカテゴリーの販売数量は、当社史上過去最高となりました。
ノンアルコール飲料カテゴリーは、市場の販売数量が前年比102~103%程度となりました。当社は、昨年新商品として発売した「キリン グリーンズフリー」や、史上初※3となる熟成ホップ由来苦味酸を使用した、お腹まわりの脂肪を減らす※4機能性表示食品「キリン カラダFREE(キリン カラダフリー)」などが好調に推移し、前年比約1割増となりました。
RTD※5カテゴリーでは、基幹ブランドである「氷結®」が11月時点でシリーズ累計販売本数150億本※6を達成し、年間販売数量も2001年の発売以降、過去最高を達成するなど好調に推移しました。「キリン・ザ・ストロング」は、“うまさにこだわった麒麟の上質サワー”をコンセプトとして中味・パッケージともに4月にリニューアル新発売し、発売から約半年で2億本を突破するなど多くのお客様に支持いただいています。「キリン 本搾り™チューハイ」は、「果汁とお酒だけ」という特長が支持され、9年連続での前年比2桁増を実現しました。また、10月に新発売した「キリン 麹レモンサワー」は、販売好調により年間販売目標を2度上方修正しました。「麹」が引き出すレモンのうまみが感じられる味わいと、商品に対する素材へのこだわりや品質感が支持され、発売からわずか2カ月で当初の年間販売目標である約38万ケースを大きく上回る約112万ケースで着地しました。

  • ※2 食品表示基準による。
  • ※3 熟成ホップ由来苦味酸(じゅくせいほっぷゆらいくみさん)を機能性関与成分として初めて販売された商品
  • ※4 本品は肥満傾向な方に適しています。バランスの良い食事と適度な運動を。
  • ※5 Ready to Drinkの略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
  • ※6 250ml換算

クラフトビール事業は、コロナ禍による在宅生活の充実ニーズの高まりから家庭用で好調に推移し、節約ニーズとの二極化が起きました。当社が販売するクラフトビール缶商品は前年比約3割増と大きく伸長し、ビール本来のおいしさ、多様性を多くのお客様に体感いただくことで、ビール類市場の活性化につながりました。また業務用市場では1台で最大4種類のクラフトビールが提供できる「Tap Marché(タップ・マルシェ)」の展開を進めました。

2020年販売実績

ビール類計 ビール 発泡酒 新ジャンル RTD 洋酒 ノンアルコール飲料
1億2,941万箱
(-4.5%)
3,602万箱
(-18.6%)
3,033万箱
(-2.1%)
6,307万箱
(+4.6%)
7,152万箱
(+12.3%)
264億円
(-10.8%)
349万箱
(+10.4%)
  • 単位:ビール類・ノンアルコール飲料 大びん633ml×20本換算、RTD 250ml×24本換算
  • 販売実績数はKLから万箱に換算後、1万ケース単位で算出

2.2021年の取り組み

2021年も「CSVマインド」を発揮して、環境変化に適応できるよう「強固なブランド体系の構築」「課題解決による新たな成長エンジン育成」に取り組み、お客様から最も愛される会社を目指します。

(1)強固なブランド体系の構築

主力ブランドをしっかりと育成し、酒税改正後も愛され続ける強固なブランド体系を構築します。
昨年10月に、ビール類酒税一本化に向けた1回目の酒税改正が行われました。減税となったビールカテゴリーにはお客様から高い関心が寄せられ、家庭用市場(缶商品)は10月以降販売数量が拡大しており、2021年も同様の傾向が続くと考えられます。
当社は、フラッグシップブランドである「一番搾り」をリニューアルし、飲みやすく飲み飽きない、当社が目指す“理想のビールのおいしさ”に進化させるとともに、“おいしさ”と“糖質ゼロ”を両立させた「キリン一番搾り 糖質ゼロ」をさらに大きく成長させることで、お客様にビールのおいしさ、魅力を感じていただくシーンを増やし、ビールカテゴリーの活性化を実現します。
新ジャンルカテゴリーは、昨年の酒税改正による増税の影響で、2021年の販売数量は市場全体が前年を下回る予測ですが、コロナ禍によって加速した「低価格でも明確な価値がある商品」へのニーズは引き続き続くと考えられます。
酒税改正という逆境にありつつ、“本格的なうまさ”で20年の支持を伸ばした「本麒麟」は、今年その“うまさ”と“品質感”をさらに進化させ、対前年約1割増の販売数量を目指します。また当社基幹ブランド「キリン のどごし<生>」は、強みである“ゴクゴク飲める爽快なうまさ”を“のどごしらしく”明るく元気に届けることで、新ジャンルカテゴリーへの大きな期待である“爽快さ”に応えていきます。
ノンアルコール飲料カテゴリーでは、自然生まれ※7のおいしさの「キリン グリーンズフリー」を大幅にリニューアルし、新規ユーザーの獲得を目指します。2019年に発売したお腹まわりの脂肪を減らす機能性表示食品「キリン カラダフリー」をはじめ、「一番搾り製法」※8を採用し、麦のうまみを丁寧に引き出したおいしさが特長の「キリン 零ICHI(ゼロイチ)」など、さまざまなラインアップで、お客様の多様化するノンアルコール飲料へのニーズに応えていきます。
RTDは、基幹ブランドの「氷結®」や「キリン・ザ・ストロング」を中心に積極的に投資し、お客様の多様なニーズに応えていきます。
飲用シーンが広がる洋酒カテゴリーは、今年も引き続き洋酒の大部分を占めるウイスキーに注力していきます。

  • ※7 太陽と大地の恵みを受け育てた原料の良さを引き出した製法
  • ※8 麦汁ろ過工程において最初に流れ出る一番搾り麦汁を使う製法

(2)課題解決による新たな成長エンジン育成

当社の提供する商品やサービスを通じて、お客様や社会の課題を解決し、新たな成長エンジンを育成していきます。
コロナ禍で在宅時間が増えたことにより、より充実した在宅での過ごし方ニーズが高まり、同時に消費の二極化から高付加価値なビールの存在感が高まっています。当社はクラフトビール事業へさらに注力し、[KIRIN Home Tap(キリン ホームタップ)]の展開基盤を整えることで、高付加価値のビールを多くのお客様にお届けし、ビールカテゴリー市場の活性化を実現します。
また、おいしい「一番搾り」を手軽に提供でき、お客様、飲食店などのパートナーにもメリットがある「TAPPY」の全国展開を目指して取り組みを進めていくほか、「地域社会コミュニティ」「環境」などの社会課題を解決し、「酒類メーカーとしての責任」を果たしながら、事業の成長を両立させるCSV経営も推進していきます。

2021年販売目標

ビール類計 ビール 発泡酒 新ジャンル RTD 洋酒 ノンアルコール飲料
1億3,150万箱
(+1.6%)
4,220万箱
(+17.2%)
2,840万箱
(-6.4%)
6,080万箱
(-3.6%)
7,500万箱
(+4.9%)
246億円
(-6.8%)
430万箱
(+23.2%)
  • 単位:ビール類・ノンアルコール飲料 大びん633ml×20本換算、RTD 250ml×24本換算
  • 販売目標数はKLから万箱に換算後、1桁目を四捨五入し算出

キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。

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