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[食領域]

体脂肪低減効果を持つ熟成ホップエキスに関する研究成果が「Brewing Summit 2018」ベストポスター賞を受賞

  • 研究・技術

2018年8月24日

キリン株式会社

キリン株式会社(社長 磯崎功典)の健康技術研究所(所長 小川俊也)は、昨年発表したホップを熟成させることで生成される「熟成ホップ由来苦味酸」に関する研究成果について、8月12日(日)から15日(水)にアメリカのカリフォルニア州サンディエゴで開催された「Brewing Summit 2018」にて改めて発表し、発表演題34件の中からベストポスター賞を受賞しました。

ホップはビールの原料として1,000年以上にわたって使用されており、ビールに華やかな香りと爽やかな苦味をもたらします。当社はこのビールに欠かせないホップに着目し、これまでにホップ成分のアルツハイマー病予防効果、発がん抑制効果、骨密度低下抑制効果などを解明してきました。昨年は新たに、低温熟成させることでビールをおいしくする“後熟ホップ”技術に着想を得てホップの熟成過程で生成される「熟成ホップ由来苦味酸」に体脂肪低減効果があることを世界で初めて確認しました。さらに「熟成ホップ由来苦味酸」の化学的性質を解明し、効率的にホップを熟成させる加熱熟成技術を確立し、さまざまな飲料への展開が可能な「熟成ホップエキス」も開発しました。一般的にホップの熟成が進むとチーズ様臭や樹脂様臭のような好ましくないにおいが生じますが、「熟成ホップエキス」にはそのようなにおいはなく、ビールや飲料に穏やかで厚みのある苦味を与えること、ビールや飲料中で安定な状態であることを確認しています。そして、「熟成ホップエキス」を含むノンアルコールビールに体脂肪低減効果があることも、ヒト試験で確認しました。
「Brewing Summit 2018」では、この「熟成ホップ由来苦味酸」および「熟成ホップエキス」に関する一連の研究成果を改めて発表しました。

体脂肪低減効果確認試験結果

成人男女200名を2群に分け、熟成ホップエキス含有飲料またはプラセボ飲料を12週間毎日摂取していただきました(飲料はノンアルコールビール)。摂取開始前、摂取期間中、および摂取終了後に、腹部全脂肪面積をCTスキャンにより測定しました。
熟成ホップエキス含有飲料を摂取した群では、プラセボ飲料を摂取した群と比較して、腹部全脂肪面積が有意に低下しました。

腹部全脂肪面積測定結果

  • 引用文献(Nutrition Journal 2016, Volume 15, No.25)より作成

「Brewing Summit 2018」ベストポスター賞

「Brewing Summit」とは、American Society of Brewing Chemists (ASBC)とMaster Brewers Association of the Americas (MBAA)の共同で4年ごとに開催される世界的な醸造学会の一つで、世界のビール研究者や醸造家により最先端の研究開発成果が発表されます。
「Brewing Summit 2018」では、MBAA発表演題として34件のポスター発表があり、その中から参加者の投票により、当社の体脂肪低減効果を持つ「熟成ホップエキス」に関する研究発表がベストポスター賞に選ばれました。

ポスター発表の様子

ベストポスター賞

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