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[食領域]

<参考資料>「プラズマ乳酸菌」摂取によるかぜ症候群およびインフルエンザ様症状の軽減を大規模臨床試験にて確認

  • 研究・技術

2014年11月6日

キリン株式会社

キリン株式会社(社長 磯崎功典)は、小岩井乳業株式会社(社長 堀口英樹)と共同で、プラズマ乳酸菌(Lactococcus lactis JCM5805株)※1がヒトにおいてヨーグルトとして摂取したときにウイルス感染防御効果および免疫賦活効果を示すことをこれまでに確認しています※2が、今回、東海大学医学部と共同で、冬季のプラズマ乳酸菌(JCM5805株)乾燥菌体摂取によるかぜ症候群およびインフルエンザに対する効果を検証する大規模な臨床試験を実施し、咳やのどの痛みなどの上気道症状の軽減を確認しました。この研究の成果は、11月6日(木)、第73回日本公衆衛生学会総会で発表します。

  • ※1 以後、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)と表記
  • ※2 2011年9月6日発表 「ウイルス感染防御を担う免疫細胞を活性化する乳酸菌を発見」
    2013年11月11日発表 「プラズマ乳酸菌摂取による冬期の風邪・インフルエンザ様疾患症状の発症抑制を確認」

乳酸菌は、整腸効果やアレルギー改善効果、感染防御効果など、その機能性を多く研究されている食品素材のひとつですが、今回はかぜ症候群およびインフルエンザに対する効果を検証する大規模臨床試験を行いました。今回の試験では、18歳から39歳までの健常者657名を対象に、試験食品にプラズマ乳酸菌(JCM5805株)の乾燥菌体を50mg(1000億個以上)含むカプセルを摂取するグループ(329名)と乳酸菌を含まないカプセルを摂取するグループ(328名)の2群に分けて、インフルエンザの流行期である、昨年の12月から今年3月までの12週間、かぜ症候群およびインフルエンザの罹患率、体調等の自覚症状を評価するとともに、試験食品摂取前後の免疫指標の評価を行いました。

当試験では、かぜ症候群およびインフルエンザ様疾患の罹患率は、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)摂取群で28.8%、非摂取群で35.1%で、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)摂取群が非摂取群に対して、有意差は見られなかったものの約2割少ない結果となりました。また、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)摂取群と非摂取群の自覚症状では、かぜ症候群などの上気道症状のうち「のどの痛み」や「咳」などの項目で有意な差が見られ、特に重症者での差が顕著でした。さらに、免疫指標として血液中の免疫細胞の抗ウイルス関連遺伝子の発現解析を行い、ウイルス防御に重要な役割を果たす遺伝子の発現量がプラズマ乳酸菌(JCM5805株)摂取後に有意に上昇することを確認しました。

今回の試験では、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)が、ヨーグルトだけでなく乾燥菌体で摂取しても、免疫細胞を活性化し上気道症状の重症化を予防しうることを、初めて大規模な臨床試験で実証しました。乳酸菌を用いた大規模な臨床試験は例が少なく、本試験で示された結果は非常に重要なものであり、乳酸菌の持つポテンシャル解明のさらなる研究に繋がると考えられます。

今後は、乳製品をはじめ、キリングループの商品などへの応用と合わせて、プラズマ乳酸菌(JCM5805株)の更なる有効性を解明していきます。

キリングループは、あたらしい飲料文化をお客様と共に創り、人と社会に、もっと元気と潤いをひろげていきます。

風邪・インフルエンザ罹患率①
上気道炎症(のどの痛み、咳)②

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