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KIRIN News Release

2010年1月8日

2010年 キリンビール事業方針

■2010年 キリンビール基本方針

 2010−2012年グループ中期経営計画の初年度として、定番ブランドの強化と新しい価値提案によるカテゴリー創造を通じてキリンブランドの価値を高め、将来にわたって継続的に最も支持される企業を目指します。また、お客様価値を効率的・効果的に創造するリーン経営の実現を目指し、質的成長に向けた企業構造改革を推進していきます。さらに、「省資源」と「健康・アルコール関連問題」をテーマに、事業を通じたCSRの取り組みを強化します。

■重点課題

  • ・ビール・発泡酒・新ジャンル、RTDを中核カテゴリーとして、長期的視点に立ってカテゴリーNo.1ブランドを育成するとともに、新しい価値提案によるカテゴリー創造に挑戦することで、キリンブランド価値を高め、お客様支持率のさらなる向上を目指す。
  • ・将来の成長の源泉であるRTDカテゴリーの強化、ディアジオブランドを含めた洋酒ブランドのラインアップにより、総合酒類提案力の飛躍的向上を目指す。また、メルシャン社やキリンビバレッジ社などのグループ各社とあらゆるバリューチェーンで協働し、シナジーを創出する。
  • ・生産拠点再編成や、物流のグループ共通基盤強化、TCR活動※1・カイゼン活動などにより、コスト構造改革を推進し、収益力強化を図る。
    • ※1 Total Cost Reform の略。生産・SCM・営業の各部門間にまたがってコストアップ要因となっている課題を、各部門が横断的に協力して課題解決することでコスト削減を実現していく取り組み。
  • ・「省資源」と「健康・アルコール関連問題」をテーマに、CSRの取り組みを強化する。また、環境経営先進企業として、2012年までにキリンビールグループのCO排出量を1990年比で60%削減することを目標に掲げ、早期実現を目指す。

■2009年の振り返り

 少子高齢化や嗜好の多様化、生活防衛意識の高まり、さらには夏の天候不順などの影響により、ビール・発泡酒・新ジャンルの総市場が減少する中で、当社の実績は1億7,680万箱となりました。
 当社は、「定番商品強化」「健康志向への対応強化」「総需要拡大」の3つの課題を中心に取り組みました。大きく市場が拡大した新ジャンルでは、引き続き圧倒的な存在を誇る「キリン のどごし〈生〉」が高い支持をいただきました。発泡酒では、定番の「淡麗」シリーズがそのトップポジションをさらに強化したほか、ビールでは、リニューアルした「キリン一番搾り生ビール」が好調に推移しました。さらに、4月に発売した世界初※2“アルコール0.00%”の「キリン フリー」は、飲酒運転に対するお客様の問題意識の高まりもあり、驚異的な勢いで支持を拡大し、09年を代表するヒット商品になりました。

  • ※2 ビールテイスト飲料カテゴリーにおける。当社調べ

■2010年の取り組み

 ビール・発泡酒・新ジャンル計では、業界全体が引き続きマイナス傾向と予想される中、当社は上記重点課題を中心に取り組むことでお客様支持率のさらなる向上を図るとともに、グループ連携を進めることで総合酒類事業を強化し、激しい環境変化が続く国内酒類業界で収益性の向上に努めていきます。
 また、グループ全体の成長に貢献する中核事業としての役割を果たすべく、綜合飲料グループ戦略の基盤強化を推進します。

■2010年キリンビール販売目標 単位:大びん20本換算(RTDは250ml×24本換算)

ビ・発・新 計 ビール 発泡酒 新ジャンル RTD
1億7,610万箱
(▲0.4%)
5,950万箱
(▲5.6%)
5,190万箱
(▲9.6%)
6,480万箱
(+14.9%)
3,300万箱
(▲0.3%)

1.商品戦略

(1)ビール・発泡酒・新ジャンル

 09年に成果を挙げた3つの課題である「定番商品強化」「健康志向への対応強化」「総需要拡大」を引き続き展開します。また、分かりやすい商品に対するニーズへの高まりを受け、グループの技術力を生かした「エビデンスマーケティング※3」をさらに発展させ、商品を通じて明確な価値提案を行うことで、多様化するお客様ニーズへの対応に積極的に取り組みます。

  • ※3 商品を通じて、分かりやすい根拠・裏づけのある価値をお客様に提案していくマーケティング手法。
【定番商品強化】

 ビール市場では、リニューアルした「キリン一番搾り生ビール」のさらなる強化に加えて、「キリンラガービール」のブランド力をさらに強化するため、味覚のブラッシュアップや、新広告を通じて、「ガツンとくる刺激感と飲みごたえ」という価値を訴求していきます。高い支持率を誇る発泡酒市場では、「麒麟淡麗〈生〉」の本格感を訴求し、支持拡大を目指します。各社からの新商品投入が続く新ジャンル市場では、「のどごし〈生〉」、リニューアルする「コクの時間」の商品力の高さを、好評なCMや店頭での展開を通じて改めて訴求していきます。

【健康志向への対応強化】

 健康志向は10年も引き続き高まっていくと予想されます。当社では、糖質70%オフ※4の「淡麗グリーンラベル」を中心に、プリン体99%カット※4の「淡麗W(ダブル)」、糖質ゼロかつカロリーオフ※5とうまさを両立させた新商品「キリンゼロ〈生〉」など、市場の広がりにあわせた幅広いラインアップを揃えることで、さらなる支持拡大を図ります。

  • ※4 当社発泡酒比
  • ※5 「カロリーオフ」は100mlあたり20kcal以下のもの、「糖質ゼロ」は100mlあたり糖質0.5g未満のものに表示可能。(栄養表示基準による)

【総需要拡大】

 09年に発売し大変好評をいただいたノンアルコール・ビールテイスト飲料「キリン フリー」に続く、エビデンスマーケティングによる新提案として、硬度1000の仕込水を使用することで、エンドレスクリアな味覚を実現した新ジャンル「キリン 1000(サウザン)」を3月に発売します。総需要拡大に向けたお客様への新たな価値提案を今年も積極的に行っていきます。

(2)RTDカテゴリー

 発売10年目を迎える「氷結」は「〜10年目のありがとう〜氷結セレブレーション」をキーワードにスタンダードシリーズをリニューアルするほか、「氷結 アイスウォッカ」を3月に発売するなど、「氷結」ブランドの強化を行います。また、09年に発売し、販売目標を上方修正するなど好調に推移した「コーラショック」「コーラショックゼロ」、さらに2月に発売する家庭で楽しめるハイボール「世界のハイボール」をラインアップに加え、既存の果汁軸商品以外の新機軸提案により、さらなる市場拡大を図ります。

(3)和洋酒カテゴリー

 洋酒では、「富士山麓」「フォアローゼズ」、さらには「ジョニーウォーカー ブラックラベル12年」をはじめとしたディアジオ社ブランドを中心に大幅な支持拡大を目指します。成長市場である梅酒では、「かろやか梅酒」「豊潤梅酒」をリニューアルするほか、プレミアム商品として「豊潤梅酒 撰」を2月に発売します。焼酎では、「白水」ブランドを中心とした商品ラインアップで乙類市場での存在感を高めていきます。

2.総合酒類化・綜合飲料グループ戦略と、営業力・技術力のさらなる向上

 総合酒類化を推進し、綜合飲料グループ戦略の基盤強化を実施するため、あらゆるバリューチェーンでの連携を強化し、成長シナジー・コストシナジー創出を目指します。キリンマーチャンダイジング社と連携してメルシャン社のデイリーワインの拡売強化や、キリンビバレッジ社が開発し、当社が営業活動を担う「キリン 烏龍茶」に続く第2弾商品の展開などを行っていきます。さらに2月よりキリンビバレッジ社と本社のロケーションを統合することで、共同商品開発のスピードアップなど、各部門での協働体制を加速します。
 営業力、技術力も引き続き強化していきます。営業面は、お客様にとって当社商品が最も身近で選びやすい商品であるために、市場完結型組織を生かし、さらに地域に密着した活動に取り組みます。販促では、2010FIFAワールドカップ南アフリカ大会に向けて盛り上がりが期待されるサッカー日本代表応援企画などを展開します。技術面では、総合酒類各カテゴリーでの新商品開発や生産性向上、環境に配慮した取り組みなど、当社独自の強みの技術領域を醸成し、将来の競争優位の源泉となるイノベーションを実現する技術開発力を強化していきます。

3.各部門のコスト構造改革の取り組み

 生産部門では、生産拠点再編成による需給ギャップの解消によりさらなる生産性の向上を図ります。物流部門では、拠点・体制・システムなどの見直しによりグループ共通基盤を強化します。また、生産・SCM・営業の各部門が連携し、増トントラックの活用やトラック待機時間の削減、パレット回収の強化など、TCR活動をさらに推進します。加えて、全社を挙げてカイゼン活動に取り組むことで、競合を凌駕する生産性・コスト競争力獲得を目指します。

4.事業活動を通じたCSRの取り組み

 「省資源」をテーマに、地球温暖化防止に向けたCOの削減や容器包装の3R、用水削減など、環境経営先進企業としての活動を強化します。2012年までの目標として国内における製造・物流・オフィスのCO排出量を90年比で60%削減(総排出量)を掲げ、早期の達成に向けて取り組みます。また、「淡麗グリーンラベル」の広告を通じて、「GREEN HEART &淡麗グリーンラベル」をキーワードに、当社の省資源の取り組みなどを紹介していきます。
 「健康・アルコール関連問題」では、“アルコール0.00%”の「キリン フリー」を通じて全日本交通安全協会が提唱、日本フードサービス協会、日本自動車連盟(JAF)が推進する「ハンドルキーパー運動」を支援し、飲酒運転根絶に向けた取り組みを一層推進していきます。さらには、健康志向における潜在ニーズを踏まえた革新的な新商品の投入を検討するなど、取り組みを強化していきます。

 キリングループは、「おいしさを笑顔に」のグループスローガンを掲げ、いつもお客様の近くで様々な「絆」を育み、「食と健康」のよろこびを提案していきます。

【お問い合わせ先】
キリンビール お客様相談室 フリーダイヤル:0120-111-560
【キリンホームページ】
https://www.kirin.co.jp/