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コラム

1890年

明治屋が横浜と東京で「キリンビール」宣伝のための大行列を行う

1890(明治23)年4月、東京・上野公園で第3回内国勧業博覧会が開催され、「キリンビール」を販売する明治屋はこれにあわせて、大がかりな宣伝活動を繰り広げた。

これは、「キリンビール」も出展した博覧会会場での宣伝とは別に行われたもので、高さ6尺以上(約1.8メートル)のビールびん型の張り子を着用した数十人の騎兵隊が街を練り歩くというユニークなものであった。銅鑼や太鼓の鳴り物あり、歌あり踊りありの行列最後尾では、大きなビール樽を載せた車を馬にひかせたという。

5月10日には横浜市内を、12日には東京府下を練り歩いたが、その奇抜な扮装は道行く人の目を留めさせるに十分だったようで、5月14日付の新聞『中外商業新報』には、その様子が「大に衆目をひきたる」との言葉とともに紹介されている。この後も、明治屋による数々の斬新な宣伝活動は、「キリンビール」の名を世に広めるのに大きな役割を果たすこととなった。

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