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醸造学部

No.72

ホップの魅力
~ホップは、苦いだけじゃない~

ホップ研究一筋27年の先生が、ホップについて語ります! ホップへの愛情を感じながら、ホップの魅力を学べる、わかりやすくコクのあるお話。驚きとワクワクが連鎖する、うまみたっぷりのビアスタディ、お楽しみください!

ホップの魅力 ~ホップは、苦いだけじゃない~

みなさんこんにちは。村上といいます。
私は1988年からホップの研究を始めていますので、もう27年ホップとともに歩んできたことになります。
ビールは、水と麦芽、酵母と、そしてホップからできています。みなさんはホップというと、苦いと思っていませんか? 実は苦いだけじゃないんです。豊かな香りいっぱい、旨味、そしてほのかな甘味も持っているんです。今日は、そんなホップの魅力をみなさんにお伝えできたらいいなぁと思っております。

ホップは、夏には5メートルの高さまで成長して収穫されます。生のままですと傷みやすいので、乾燥した状態にいたします。

ホップを縦に割ってみましょう。
黄色いつぶつぶがが、ルプリンと言われるものです。
このルプリンの中にビールに必要な成分がびっしり詰まっているのです。ちょっとこすって香りを嗅いでみると、青いグリーンな香り、フルーツみたいな香りが感じられます。
私なんかはですね、これ食べちゃうんです。香りが強くて分かりやすい。
でもね、苦いんです。ですから、初めての方にはオススメできません。というか、「世の中でホップを食べるのは村上くらいだよ」って、ホップの農家には笑われてるんですけどね。

さて、27年のホップの研究の中で何をしてきたかというと、世界中からホップの品種を集めてビールを作って、そして飲んでみました。
ホップは世界中に80品種以上あります。現在、クラフトビールブームの追い風もあって、その数はどんどん増えています。
みんな個性的です。白ワインのような香りを持ったネルソンソービン。マンゴーみたいなギャラクシーなどなど。花でたとえると、薔薇や沈丁花(じんちょうげ)のような香りをするホップもあるんです。
その個性を最大限引き出すためには、一体どうしたらいいんだろう? そんな研究をずっとやってきました。

ビールにもしホップが使われてなかったら、と想像してみると、しまりのないビールができてしまいます。爽やかさがない。
ホップの苦味と香りが後味をキュッとしめる、そんな役目が実はあるのかなって思ってます。
これを例えるならば、日本料理だと“出汁”、フランス料理であれば、“フォン・ド・ボー”の“フォン”ということになります。水に塩を加えただけではただしょっぱいだけですよね? でも出汁に加えたらどうでしょう。しょっぱいだけじゃない、旨味や甘味を感じると思います。味の世界が豊かになるんです。
それがホップだと、私は思います。

(ホップの研究を始めて)27年も経つんですけれども、未だに飽きないです。やればやるほど、ホップの新鮮な魅力というか、新たな魅力を見つけだすことができて、楽しくてしょうがないんです。

今日は少しでもホップのイメージが変わったでしょうか? これからもどんどんおいしいホップを見つけて、そして美味しいビールを作り出していきたいと思います。
今日は本当にありがとうございました。

村上敦司

村上敦司(むらかみ・あつし)

キリン株式会社 R&D本部 酒類技術研究所 主幹研究員 リサーチフェロー

岩手県生まれ。岩手大学農学部農学研究科修了。1988年にキリンビールに入社。1996年までは、植物開発研究所(当時)でホップの品質改良に従事。その後、現在の酒類技術研究所に移り、2000年、「ホップの品質に関する遺伝学的研究」で農学博士号を取得。 2010年には、ドイツホップ研究協会の技術アドバイザーに就任。ホップに焦点を当てた、「一番搾り とれたてホップ生ビール」「グランドキリン」などの商品開発にも携わる。

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