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自然に育まれた原料

重要な原料である農産物。キリンは生産地に寄り添い、持続可能な利用に取り組んでいます。重要な原料である農産物。キリンは生産地に寄り添い、持続可能な利用に取り組んでいます。

里地里山がつくる飲みもの。里地里山がつくる飲みもの。

農業は配慮を欠けば、大きな負荷を地球に与えてしまいます。一方で、自然に優しい農業に取り組もうとして努力をしている生産者の方々が世界中で頑張っています。キリンは、農産物の生産地とそこで働く人々とより良いパートナーシップを築き、環境保全に配慮した農産物の利用を進めるとともに、生産地の持続可能性を高める活動を行っています。里地里山が飲みものを作る。そんな社会の実現のために。
例えば、「午後の紅茶」の主要原料生産地スリランカでは、持続可能な農園認証であるレインフォレスト・アライアンス認証を農園が取得することを支援しています。国内有数のホップ生産量を誇る岩手県遠野市ではホップ畑とそれを守るための防風林の組み合わせが多様な生きものを育んでいることを、生きもの調査で明らかにしつつあります。
また、長野県上田市の休耕地を活用した自社管理ブドウ畑でも、生態系調査の結果、ブドウ畑が広大な草原として希少種の昆虫や植生を育んでいることが明らかになり、それを受けて畑の中で希少種を増やす取り組みも開始しています。

スリランカ支援 レインフォレスト・アライアンス認証取得

スリランカ支援レインフォレスト・アライアンス認証取得
(2013~2016年実績)

Chapter 01

紅茶農園

レインフォレスト・アライアンス認証取得支援を通して、
環境と社会に配慮した茶園づくりに貢献しています。

紅茶の葉はどこから来るかご存知ですか?

主な生産地はスリランカ、インド、ケニアなどです。
これらの地域は熱帯か亜熱帯地域の比較的高地で自然の霧が発生しやすい気候条件の地帯に集中しており、この地帯を「ティーベルト」と呼んでいます。
日本もこれらの地域から紅茶葉を輸入していますが、その6割がスリランカ産で、実にその約3分の1が「キリン 午後の紅茶」の原料に使われています。

  • ※1 財務省の2015年貿易統計からキリン調べの数字です。支援を開始した際は約25%(2011年実績)でした。
  • ※2 株式会社食品マーケティング研究所調べ(2013年実績)

「キリン 午後の紅茶」にはスリランカの紅茶農園の茶葉が必要

1986年に、グラスに注ぐだけで本格的な紅茶が味わえる日本初のペットボトル入り紅茶として、当時としては画期的な技術であるクリアアイスティー製法で誕生した「キリン 午後の紅茶」。日本がスリランカから輸入している茶葉の約3分の1が「キリン 午後の紅茶」の原料として使われています。

「キリン 午後の紅茶」をずっとお届けするためには、そのおいしさを支える個性豊かで代替がきかないスリランカの良質な茶葉を安定的に調達することが必要です。そこで私たちは、スリランカの紅茶農園が、そこで働く人々の労働環境や生活環境に配慮し、環境を保全して茶葉を生産してもらうために、持続可能な農園認証であるレインフォレスト・アライアンス認証を紅茶農園が取得するためのトレーニング費用を提供する支援を開始しました。

スリランカの紅茶農園では、今までも自然や農園労働者に配慮して生産を行ってきましたが、レインフォレスト・アライアンス認証を取得するためのトレーニングを受けることで、より効率的かつ効果的に課題に取り組む方法を学ぶことができるのです。2013年から活動を開始し、2016年末までの4年間で、既に累計で90を超える紅茶農園がトレーニングを開始し、40農園以上が認証を取得しています。トレーニングを受けた農園は、例えば大雨の際に豊かな土壌が流れ出してしまうことを安価に効果的に防ぐ方法を学んだり、農園内に住む人々が生活排水で川を汚さないようにするための教育なども受けています。私たちも毎年農園を訪れて、実際に目で見てその効果を確認するとともに、農園の方々と意見を交換しています。

レインフォレスト・アライアンス認証取得支援の仕組み

※監査費用は紅茶農園で負担する仕組みとしています。

スリランカ紅茶農園の人々

スリランカ紅茶農園への持続可能な
農園認証取得支援進捗状況

Chapter 02

ホップ畑

生きもの調査を行い、里地里山の価値を明らかにし、
遠野の街づくりにも貢献していきたいと思っています。

遠野のホップ畑は、里地里山そのものです

日本の原風景といっても良い自然豊かな遠野。でも、実は遠野のある北山高地は日本でも最も古い時代に隆起してできた土地とされ、決して肥沃な土地ではありませんでした。遠野で見ることのできる素晴らしい自然の風景は、すべて多くの人々が苦労して作ってきたもの。それが里地里山です。

5mにもなるホップのための防風林。それが生きものを育んでいたのです

岩手県遠野市は、国産ホップの有力な産地です。その年に収穫したホップが「一番搾り とれたてホップ生ビール」にふんだんに使用されています。

キリンは遠野市とホップ契約栽培で50年を超える歴史を積み重ねてきましたが、生産者の高齢化や後継者不足などによる生産量の減少で、遠野市のホップは栽培継続の危機にあります。何も手を打たなければ、近い将来国産ホップを使用したビールが飲めなくなるかもしれません。

そこで、キリンと生産者の皆さまで、「ホップの里」から「ビールの里」へを合言葉に、TONO BEER EXPERIENCEと呼ぶ市民参加型の地域活性化を目指して取り組みを開始しています。

2014年からは、遠野のホップ畑とその周辺で生きもの調査を開始しました。山裾のホップ畑では、成長すると5mの高さにまで伸びるつる草であるホップを守るために防風林が整備されています。また、地面の乾燥を防ぐために適度に下草が残されています。実はこの防風林と下草の組み合わせが、多様な生きものを育んでいたのです。

ホップ畑が育む生きもの

遠野のある北山高地は日本でも最も古い時代に隆起してできた土地といわれ、決して肥沃な土地ではありませんでした。

日本の原風景である遠野の里地里山の景色は元からあったものではなく、その地に長く暮らしてきた人々が延々と守り育ててきたものだったのです。遠野のホップ畑はビールの原料として人にめぐみと潤いを与えるだけではなく、ホップを育てるために行っている農作業の様々な工夫が生きものの多様性を生み、遠野の里地里山としての保全にもつながっているといえそうです。

今後も調査を継続するとともに、多様な生きものが育むことのできる畑をめざして、生産者の皆さまと共に取り組んでいく予定です。

生きもの観察会を実施しました

Chapter 03

ブドウ畑

耕作放棄地が、自社管理ブドウ畑椀子(マリコ)ヴィンヤードとして再生されたことで、
広大な草原が出現し、多様な生きものを育んでいます。

「マリコ」ってなんでしょう?

かつて大半が遊休農地であったところを、景観に配慮しながらブドウ畑として造成した自社管理畑椀子(マリコ)ヴィンヤード。
「マリコ」の名は、6世紀後半にこの一帯が欽明天皇の皇子「椀子(まりこ)皇子」の領地であったという伝説に由来しています。

日本の一番の絶滅危惧種を含む環境は草原だったかもしれません

長野県上田市陣場台地にあるメルシャンの椀子(マリコ)ヴィンヤードは、かつて大半が遊休農地であったところを、土地所有者や地域の皆さん、行政の方々の協力を得て、その土地本来の地形や景観に配慮しながらブドウ畑として造成した約20haに及ぶ広大な自社管理ブドウ畑です。

2014年から農研機構・農業環境変動研究センターの研究員の方々を招聘して行っている生態系調査では、希少な植生がブドウ畑の中で見つかっています。

椀子(マリコ)ヴィンヤードでは垣根栽培でブドウを栽培しており、地面は牧草や在来種のイネ科植物でおおわれています。つまり、垣根栽培のブドウ畑は広大な草原でもあるのです。

年に数度行う下草刈りにより、草原性の在来種や希少種にも日が当たることになり、ブドウ畑の草原の中で生育することが可能になります。

130年前には日本国土の30%を占めていたという草原ですが、今は国土の1%にまで減少しているといわれており、草原自体が絶滅危惧的な景観といえるかもしれません。

ブドウの木を育てることは、草原を守り、その中で希少種を守ることにつながっているといえます。

2016年からは、ブドウ畑の中で従業員参加による希少種を含む在来植物の再生・保全活動を開始しています。専門家の指導を受けて、ブドウ畑及びその周辺で見つかった希少種(クララ、スズサイコ、メハジキ、ユウスゲ)と代表的な草原の在来種(ススキ、トダシバ、ワレモコウ、ツリガネニンジン、アキカラマツ)が生育していた場所の植物の一部を秋に刈取り、ブドウ畑の中の再生予定地に敷きます。これにより種が散布されて、上手くいけば、ブドウ畑の中で昆虫たちが捕食や移動に利用するビートルバンクと呼ばれる緑地帯として機能し、椀子(マリコ)ヴィンヤードがより生態系が豊かなブドウ畑になることを期待しています。ワインの生産を通じて、豊かな里山の自然環境を後世に残すことが我々の願いです。

椀子(マリコ)ヴィンヤードの草原性のブドウ畑が多様な生きものを育みます

世界から高い評価を受ける世界から高い評価を受ける

椀子(マリコ)ヴィンヤードから生み出されるワイン

G7伊勢志摩サミット2016で「オムニス」提供

「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード オムニス 2012」が、2016年5月26日、G7伊勢志摩サミット2016のワーキング・ディナーにて提供されました。『オムニス』とはラテン語で「全て」を意味し、厳しく選抜したキュヴェのみで造られています。

「第40回 国際ワインチャレンジ」で金賞受賞

「シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード シャルドネ 2014」は、2015年4月1日、2日にフランス・ボルドーで開催された「第40回 国際ワインチャレンジ」金賞を受賞しました。さらに、「辛口白ワイン(フランス以外)」部門で特別賞を世界で唯一受賞しました。

Chapter 04

紙

使用する紙が森林を破壊してできたものであってはいけない。
しっかり確認し、森を守る認証紙も積極的に採用します。

なぜキリンが紙の持続性に取り組むのでしょうか?

それは、製品を安全にお客様にお届けするための容器包装に多くの紙を使っているからです。

2015年の国連食糧農業機関(FAO)の報告によれば、2015年までの15年間で実に約1億2900万haもの森林が失われています。日本の紙の生産量が世界第3位であり、原料のチップの多くが海外から輸入されていることを考えれば、世界の森林資源に対しても責任ある対応が求められます。

使用するすべての紙を持続可能な紙にしていきたい

ビールや飲料をお客様にお届けするために必要な紙容器や事業で使う事務用紙。それらが熱帯雨林を破壊して作られたものであってはいけない。

そう考えた私たちは、環境保全団体のWWFジャパン(公益財団法人世界自然保護基金ジャパン)に協力を求め、2013年に森林保全に配慮した紙を使っていくための行動計画を定め、取り組みを開始しました。

熱帯雨林の問題ある伐採につながる紙は使わない。それが私たちの方針です。

既に、使用しているすべてのコピー用紙や紙容器について、製紙会社等へのアンケートにより、熱帯雨林をはじめとした貴重な森林を伐採して作られたものではないことを確認済みです。

2017年2月。キリンは次のステップとして、さらに野心的な方針と行動計画を決定しました。

私たちは2020年末までに、事務用紙に加えて、6缶パック、ギフト箱、紙パック、製品用段ボール箱といった紙製の容器包装を、すべてFSC®認証紙に切り替えていくことを目指します。

FSC認証は、森林の環境保全に配慮し、森林のある地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能な形で生産された木材や紙に与えられます。また、FSCリサイクルラベルは、適正な管理の下で市中回収古紙および産業回収古紙を使用した紙に付けることができます。

社会全体で使われる紙を全て持続可能なものにしたい。それが私たちの願いです。

※6缶パックは2017年末までにFSC認証紙に切り替えます。

中高生向けワークショップ「キリン・スクール・チャレンジ」で“トロピカーナ×森林保護”をテーマにインスタグラムで発信してもらいました。作品はこちら

Chapter 05

活かし切る

生物資源は、可能な限り無駄なく使い切ります。
使い切れないものはリサイクルしています。

活かし切る。それもまた大切な取り組みです

飲みものを作るために必要な生物資源。お客様に最高の飲みものをお届けするためにはその最上の部分を利用するため、製造工程ですべてを使うことはできません。でも残った副産物には多くの栄養成分や利用可能な物質が含まれています。命に感謝し、これを活かし切ることも大切な取り組みです。

キリングループ各社の取り組み
キリンビール
ビール仕込粕の飼料化

ビールや発泡酒の製造工程で、原料のうまみを引き出した後には仕込粕が発生します。この仕込粕には、栄養分が残っているため、牛の飼料やキノコ培地などに有効利用されています。肉牛を育てる飼料としては、牛の肉質を良くするうえで役立っています。

キリン
大麦搗精粕の再利用

キリンR&D本部の基盤技術研究所では、酵母や乳酸菌などの働きを生かしてバイオマスを有効活用し人々の暮らしに役立つ物質を生産する技術開発に取り組んでいます。この一例として、発泡酒製造時の副産物である大麦搗精粕を牛の飼料として食べさせると乳汁体細胞の低減効果が得られ、乳質の改善につながることを見出しました。大麦搗精粕配合飼料は抗生物質に代わる感染予防素材として期待されており、副産物のさらなる有効利用と酪農業への貢献に向けて取り組みを進めています。

メルシャン
ブドウの搾り粕の再利用

メルシャンでは、ブドウの搾り粕を自社ブドウ園の堆肥置き場で一年間切り返しという作業をしながら発酵させて堆肥にし、有機肥料として利用しています。また冬場に剪定した枝も細かく砕いて有機質素材としてブドウ園に還元しています。

キリンビバレッジ
食品廃棄ロスの削減

キリンビレッジでは、小売店頭で賞味期限切れなどで廃棄される飲料を削減するための取り組みを行っています。そのために、今までも小売りなどの需要側の変動要因を工場や物流センターと緊密に情報共有するなどして需要予測を向上させることで廃棄ロスを低減する取り組みを継続して行っていますが、さらに販売数量目標を厳格に管理することで廃棄ロスを削減する取り組みを進めます。

Chapter 06

ビオトープ

工場のビオトープを工場周辺の生態系ネットワークの一部を担い、
地域固有の希少種を守る場所にしていきます。

工場もまた、生きものを守る場所になっています

工場のビオトープには2つの役割があります。1つは希少種を守ること。2つ目は生きものたちの活動する広域的なネットワークの一部を担うことです。多くの企業や地域のビオトープが広域的に点在することで、広大な生態系ネットワークが構成されているのです。

キリンビール横浜工場

キリンビール横浜工場の敷地内には、ビオトープ(生きものが生息する空間)が整備されています。2011年4月に策定された生物多様性横浜行動計画「ヨコハマbプラン」に賛同した取り組みで、地域の自然を熟知したNPO法人鶴見川流域ネットワーキングと連携して取り組んでいます。池や植生のビオトープを適切に維持管理することで、生きものの生息地を保全し、周辺地域に点在する他のビオトープや川、公園、林などとともに生態系のネットワークの一部として貢献することを目指しています。春から秋に毎週実施する「自然の恵みを感じるツアー」に加え、池や植生のビオトープをとりまく生きものの多様性を実際に子どもたちが体験するプログラムなど、各種の観察会を実施しています。

キリンビール横浜工場ビオトープで
2015年までに飛来や生育が確認できた生物

キリンビール神戸工場

キリンビール神戸工場は、1997年に設けたビオトープで在来の水生生物の再現に取り組んでいます。学術研究機関である兵庫県立「人と自然の博物館」と共同で科学的な調査研究を重ね、絶滅が危惧されるカワバタモロコを2002年に200匹以上、近隣のため池から移植しました。モニタリング活動には地域の子どもたちが参加し、良好な環境学習の機会となっています。ビオトープに住むカワバタモロコの採集数は、ここ数年1000匹弱で安定し、定着に成功しています。神戸工場でも春から夏にかけて毎週ビオトープツアーを開催し、あわせて省資源・再資源の取り組みなどを工場見学ガイドがわかりやすく説明します。

ビオトープの魚を調べる子どもたち

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